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ヒートポンプ
読み:ひーとぽんぷ
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熱媒体(冷媒・熱媒)を圧縮・膨張させることによって熱を移動させる装置。英語のheat pump。

熱は放置すれば必ず高温部から低温部に移動するが(熱力学第二法則)、熱媒体を圧縮・膨張しながら循環させることによって、熱を低温部から高温部に移動させることができる。ヒートポンプは、この原理を用いた装置である。

一般的なヒートポンプは、熱媒体を圧縮して放熱させる装置(圧縮機・凝縮器)、熱媒体を膨張させて吸熱させる装置(膨張弁・蒸発器)、装置を作動させる動力および熱媒体が循環するための配管で構成されている。たとえばエアコンの冷房は、熱媒体を圧縮して発生する熱を外気に放出し、室内に循環したその熱媒体を膨張させて室内の熱を吸収する仕組みによって作動する。また、この循環を逆転すれば暖房となる。

ヒートポンプを用いると、大気、地中熱、地下水、排熱等の熱エネルギーを利用することができるため、熱媒体を圧縮・循環させるために必要なエネルギー(投入エネルギー)の約3〜6倍のエネルギーを利用することができる。エコキュートなどが省エネルギー製品とされているのは、このような仕組みを用いているからである。

本文のリンク用語の解説

エアコン

室内の空気温度・湿度を調整する設備。英語のAir conditionerを略した和製語。 エアコンは、冷媒ガスを循環させ、圧縮することによる放熱と減圧することによる吸熱を交互に繰り返すによって、冷媒ガスと接触する空気を暖め・冷やすしくみである。この暖め・冷やす装置が熱交換器であるが、一方を室内に他方を室外に置く(室内機・室外機)ことによって、室内を冷暖房する。エアコンが働くのは冷媒ガスが熱を運搬しているからであって、空気は室内外を出入りしてはいない。 家庭用エアコンの方式には、室内機と室外機を分離してダクトで繋ぐセパレート型と、両者を一体化して窓の内外に置く窓付け型(窓付けエアコン)とがあるが、広く普及しているのはセパレート型エアコンである。 なお、かつて冷媒ガスとしてフロンガスが使われていたが、オゾン層を破壊することが判明してその使用は禁止されている。また、その代替品(代替フロン)も温室効果ガスのひとつであることから、ノンフロン物質の使用が始まっている。

エコキュート

ヒートポンプ(熱媒体の圧縮・膨張サイクルによって低温の熱を高温に移す技術)を利用して、大気の熱で湯を沸かして給湯する機器。エコキュートという名前は「エコ」と「給湯」をつないだ統一商品名である。 熱媒体を圧縮するための動力源として電力を使うが、発熱のためのエネルギーとしては電力を利用しないため、水を直接に熱して給湯する場合と比べてランニングコストが小さく、環境負荷も少ないとされている。