建築物の設計・施工を業務とする会社。一般に、地域密着型で事業区域が狭いこと、注文による個別設計に対応できることが特徴とされている。しかし厳密な定義はない。
工務店が建築する住宅は、主にハウスメーカーの住宅のように規格化されていない。また、工務店は、工事専門の施工会社と違って、施工だけでなく設計も自ら実施する。
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建築物
建築基準法では「建築物」という言葉を次のように定義している(建築基準法第2条第1号)。 これによれば建築物とは、およそ次のようなものである。 1.屋根と柱または壁を有するもの 2.上記に付属する門や塀 3.以上のものに設けられる建築設備 上記1.は、「屋根+柱」「屋根+壁」「屋根+壁+柱」のどれでも建築物になるという意味である。 なお、地下街に設ける店舗、高架下に設ける店舗も「建築物」に含まれる。
建築
「建築物を新築し、増築し、改築し、または移転すること」と定義されている(建築基準法第2条第13号)。
ハウスメーカー
住宅の生産を工業システム化し、住宅建設事業を広域に展開している建設会社を指す言葉であるが、明確な定義はない。
住宅建設は発注者の注文に従って工事を進めるため、用いる材料や工事方法は区々であるが、ハウスメーカーは、建築資材や工法を規格化して、住宅生産を工業生産システムに似たかたちで実施する体制を整えている。その結果、生産効率を高め、大量生産、品質確保、工期短縮、コスト低減を図ることができるとされる。一方で、建物の設計は規格化された生産システムや資材・工法に従わなければならず、注文者の幅広いニーズへの対応、立地条件との調整、周辺環境との調和の確保など、個別の事情に応えることについては限界があるとされる。
ハウスメーカーが建設する住宅はほとんどが一戸建て住宅である。また、ハウスメーカーの特徴は生産を規格化・システム化することであって、実際の工事のほとんどは、工務店や大工が下請負として施工している。
なお、住宅建設会社には、ハウスメーカーのほか、ハウスビルダー、工務店、大工店などがある。それぞれの定義は明確ではないが、事業展開の範囲、工法、工事体制などに違いがある。
施工会社
建築工事を実施し完成する会社。「施工」とは工事を行なうことである。 建築工事に当たっては、建築主は、通常、業務を設計と施工に分けて、別々の会社に依頼する。この場合、設計会社は、建物をデザインし、設計図を作成し、工事を監理するのに対して、施工会社は、設計図に示された建物の建築工事を実施し、完成する。 建築主が施工会社に工事を依頼することを「工事発注」、施工会社が工事を完成し、建築主が工事の結果に対して報酬を支払う契約を「工事請負契約」という。 また、施工会社は、一般に、施工のために必要な各種の建築作業(整地、組立、コンクリート打設、内装など)については、その実施を専門の工事業者に依頼し、自らはそれらの作業を統括・管理する方法で工事を進める。