企業の経常的な経営活動と関係せずに発生する一過性で臨時的な損失。
特別損失に該当するのは、不動産や有価証券等の売却によって生じた損失、火災や地震等の災害によって被った損失などである。
発生した費用が特別損失に該当するかどうかは、発生した事情、費用の性質等に照らして判断され、たとえば、主たる業務に不動産取引が含まれている企業にあっては、取引によって生じた不動産の売却損は特別損失ではない。
なお、前期決算の修正(前期損益修正)によって生じる損失も特別損失として計上される。
本文のリンク用語の解説
不動産
不動産とは「土地及びその定着物」のことである(民法第86条第1項)。
定着物とは、土地の上に定着した物であり、具体的には、建物、樹木、移動困難な庭石などである。また土砂は土地そのものである。
有価証券
財産的な価値のある権利を表示する証券で、その権利の移転・行使には原則として証券の受渡・占有が必要とされるものをいう。
表示される権利の種類、権利と証券との結合の程度、権利の移転・行使における証券の役割などは、一様ではない。従って、有価証券を取り扱う場合には、その性格を具体的に把握しておく必要がある。
有価証券は、表示する権利の種類によって、例えば次のように分類されることが多い。
1.債権証券:債権を表示するもの。手形、小切手、社債、倉庫証券など。
2.物権証券:債権とともにその担保物権を表示するもの。例えば、質入証券、抵当証券など。
3.社員権証券:社団の社員としての地位を表示するもの。例えば、株券。
なお、金融商品取引法では証券等を具体的に列挙して「有価証券」を定義しているが、その定義は一般的に理解されている有価証券の範囲とは必ずしも一致していないので注意が必要である。