個人が不動産の貸付けを行なうとき、これを手伝う家族が次の要件を満たしていれば、この家族を「家族従業員」と呼ぶ。
1.その個人と手伝う家族とが同一の生計を営むこと
2.手伝う家族が15歳以上であること
3.1年のうち6ヵ月を超える期間、その貸付けの業務に専従していること
青色申告を行なっている場合、家族従業員の給料・賞与を必要経費にすることができる。
また白色申告を行なっている場合には、家族従業員について「専従者控除」を受けることができる。
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不動産
不動産とは「土地及びその定着物」のことである(民法第86条第1項)。
定着物とは、土地の上に定着した物であり、具体的には、建物、樹木、移動困難な庭石などである。また土砂は土地そのものである。
青色申告
個人が、不動産の貸付け業などの事業を営んでいる場合には「確定申告」を行なう必要があるが、毎日の取引を正確に記録して、所得や税金の計算を正確に行なっている個人については、国が所得税法上のさまざまなメリットを与えるという制度が設けられている。 この制度のことを「青色申告」という。 青色申告を行なう個人には、次のような所得税法上のメリットがある。 1.一定要件を満たす「家族従業員」に支払った適正な給料・賞与(これを青色事業専従者給与という)は、必要経費となる。 2.複式簿記に従って青色申告決算書を完成させることにより、所得から最高55万円(e-Taxを利用した確定申告書の提出もしくは電子帳簿保存で最高65万円)の特別控除を受けることができる。 3.複式簿記によらないで青色申告決算書を完成させた場合には、上記2.に代わって、所得から45万円の特別控除を受けることができる。 なお、青色申告を行なうためには、青色申告を行なおうとする年の3月15日までに、税務署に「承認申請書」を提出することが必要である(ただしその年の1月16日以後に業を開始した場合には、開始した日から2ヵ月以内に「承認申請書」を提出すればよい)。 また、不動産の貸付けから生じる所得(不動産所得)のある個人が、上記1.から3.のメリットを享受するには、不動産の貸付けが「事業的規模」に達していることが必要である。
白色申告
不動産の貸し付けを行なう個人は、その不動産所得について、税務署の承認を受けて「青色申告」を行なうことができ、青色申告にはさまざまなメリットが用意されている。
しかし、所得が少ない場合には、税法上のメリットを受ける余地も少ないので、青色申告を行なわず、普通の確定申告を行なうことが多い。これを青色申告と対比するために「白色申告」と呼んでいる(確定申告書が青くないという意味である)。
不動産の貸し付けを行なう個人が、その不動産所得について白色申告を行なう場合、不動産の貸付けが「事業的規模」に達しているならば、家族従業員について「専従者控除」を受けることができる。
専従者控除
不動産所得がある個人が白色申告を行なっている場合、一定の要件を満たす家族従業員について「専従者控除」を受けることができる。
専従者控除額は、配偶者について86万円、その他の家族ならば1名につき50万円である。
ただしこの場合、不動産貸付業が「事業的規模」に達していることが必要である。