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都市再生特別地区
読み:としさいせいとくべつちく
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都市計画において、用途地域等の規制の適用を除外して自由度の高い計画を定めることのできる制度、またはこの制度によって指定された区域をいう。

この制度は、都市再生を図るための措置の一つで、その対象となるのは、都市再生緊急整備地域(都市再生のために緊急・重点的に市街地の整備を推進すべき地域、政令で定める)の中で、都市の再生に貢献し、高度利用のための建築を誘導する必要がある区域として、都市計画で指定された区域である。

都市再生特別地区においては、
1.誘導すべき用途(用途規制の特例が必要な場合のみ)、容積率の最高限度(400%以上)および最低限度、建ぺい率の最高限度、壁面の位置の制限等を定める一方、
2.都市計画による用途制限、容積率制限、斜線制限高度地区による高さ制限日影規制について適用を除外することとされている。

本文のリンク用語の解説

都市計画

土地利用、都市施設の整備、市街地開発事業に関する計画であって、都市計画の決定手続により定められた計画のこと(都市計画法第4条第1号)。 具体的には都市計画とは次の1.から11.のことである。 1.都市計画区域の整備、開発及び保全の方針(都市計画法第6条の2) 2.都市再開発方針等(同法第7条の2) 3.区域区分(同法第7条) 4.地域地区(同法第8条) 5.促進区域(同法第10条の2) 6.遊休土地転換利用促進地区(同法第10条の3) 7.被災市街地復興推進地域(同法第10条の4) 8.都市施設(同法第11条) 9.市街地開発事業(同法第12条) 10.市街地開発事業等予定区域(同法第12条の2) 11.地区計画等(同法第12条の4) 注: ・上記1.から11.の都市計画は、都市計画区域で定めることとされている。ただし上記8.の都市施設については特に必要がある場合には、都市計画区域の外で定めることができる(同法第11条第1項)。 ・上記4.の地域地区は「用途地域」「特別用途地区」「高度地区」「高度利用地区」「特定街区」「防火地域」「準防火地域」「美観地区」「風致地区」「特定用途制限地域」「高層住居誘導地区」などの多様な地域・地区・街区の総称である。 ・上記1.から11.の都市計画は都道府県または市町村が定める(詳しくは都市計画の決定主体へ)。

用途地域

建築できる建物の用途等を定めた地域。都市計画法に基づく制度である。 用途地域は、地域における住居の環境の保護または業務の利便の増進を図るために、市街地の類型に応じて建築を規制するべく指定する地域で、次の13の種類があり、種類ごとに建築できる建物の用途、容積率、建ぺい率などの建築規制が定められている。 ・住居系用途地域:「第一種低層住居専用地域」「第二種低層住居専用地域」「第一種中高層住居専用地域」「第二種中高層住居専用地域」「第一種住居地域」「第二種住居地域」「準住居地域」「田園住居地域」 ・商業系用途地域:「近隣商業地域」「商業地域」 ・工業系用途地域:「準工業地域」「工業地域」「工業専用地域」 用途地域の指定状況は、市区町村が作成する都市計画図に地域の種類ごとに異なった色を用いて表示され、容易に確認できるようになっている。 なお、用途地域は、局地的・相隣的な土地利用の調整の観点にとどまらず、都市全体にわたる都市機能の配置及び密度構成の観点から検討し、積極的に望ましい市街地の形成を誘導するため、都市計画区域マスタープランまたは市町村マスタープランに示される地域ごとの市街地の将来像にあった内容とすべきであるとされている(都市計画運用指針、国土交通省)。

建築

「建築物を新築し、増築し、改築し、または移転すること」と定義されている(建築基準法第2条第13号)。

容積率

延べ面積を敷地面積で割った値のこと。 例えば、敷地面積が100平方メートル、その敷地上にある住宅の延べ面積が90平方メートルならば、この住宅の容積率は90%ということになる。 建物の容積率の限度は、原則的には用途地域ごとに、都市計画によってあらかじめ指定されている。 さらに、前面道路の幅が狭い等の場合には、指定された容積率を使い切ることができないケースもあるので、注意が必要である。

建ぺい率

建築面積を敷地面積で割った値のこと。 例えば、敷地面積が100平方メートル、その敷地上にある住宅の建築面積が50平方メートルならば、この住宅の建ぺい率は50%ということになる。 建築する建物の建ぺい率の限度は、原則的には用途地域ごとに、都市計画によってあらかじめ指定されている。

斜線制限

建築物の各部分の高さに関する制限をいう。 通風、採光等を確保し、良好な環境を保つことを目的とした制限で、建築物を横から見たとき、空間を斜線で切り取ったように制限されることから斜線制限と呼ばれる。 斜線制限には、道路高さ制限、隣地高さ制限、北側高さ制限、日影規制がある。 1.道路高さ制限は、前面道路の反対側境界線を起点とする一定勾配の斜線の範囲内に、 2.隣地高さ制限は、隣地境界線から一定以上の高さを起点とする一定勾配の斜線の範囲内に、 3.北側高さ制限は、北側隣地(道路)境界線上の一定の高さを起点とする一定勾配の斜線の範囲内に、 4.日影規制は、敷地境界から一定の距離を設定してそのラインを越えて一定以上の日影を生じさせないように、 それぞれ建築物の高さを収めなければならないとされている。 制限される高さの具体的な算出方法は、用途地域の指定などの都市計画の状態等によって異なる。

高度地区

高度地区は、用途地域の中で定められる地区である。 高度地区では、市街地の環境維持のために建築物の高さに最高限度が設定される。 またごく少数ではあるが、土地の利用を促進するために、建築物の高さの最低限度を定める高度地区も存在する(都市計画法第8条第3項、第9条第18項)。 高度地区の具体的内容は市町村が決定することとされているので、詳細を知りたい場合には市区町村役所の建築確認担当部署に問い合わせる必要がある。

高さ制限

建物の高さの限度をいう。 いくつかの種類があるが、大きくは、建物全体の高さの制限と、相隣関係などによる斜めの線による制限(斜線制限)に分かれる。 建物全体の高さの制限には、都市計画で定められた、1.低層住居専用地域における高さの限度、2.高度地区における高さの最高限度または最低限度がある。 斜線制限には、1.道路高さ制限、2.隣地高さ制限、3.北側高さ制限、4.日影規制がある。詳しくは「斜線制限」参照。 その適用の有無や具体的な数値などは、用途地域等に応じて異なるため、個々の都市計画等に照らして確認しなければならない。

日影規制

建築物に対する斜線制限の一つで、日影の量を一定以下にするよう建築物の高さを制限することをいう。 日影の量は、冬至日において建築物が8時から16時(北海道の区域内においては9時から15時)までの間に発生する時間で規制され、敷地境界から5m・10mの測定ラインを設定して(ラインは地盤から一定の高さに設定する)、そのラインを越えて一定時間以上の日影を生じさせないようにしなければならないとしている。 具体的な規制基準(規制対象となる建築物、日影を生じてはならない時間数、測定すべき地盤からの高さ)は条例で定めるとされているが、用途地域の種類や建物の階層等によって異なる。日影規制に適合するには、建築物の高さが一定の斜線内に収まるようにしなければならない。 (右図は、日影規制の考え方を示す図である。5mラインでは4時間以上、10mラインでは2.5時間以上、日影を生じてはならないという規制がある場合に、この建築物の高さはその基準を満たしている。なお、図中の「日影線」は、冬至日にそれぞれの時間以上の間、日影を生じる境界を示す)