新築住宅を引き渡す場合に、瑕疵担保の履行を確保するために必要とされる措置をいう。
特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律によって、2009(平成21)年10月1日以降の引渡しについて義務化された。
資金確保義務を負うのは、新築住宅の建築を請け負った建設業者または新築住宅の売主となる宅地建物取引業者である。
この場合、新築住宅の発注者や買主が宅地建物取引業者である場合には、資金確保措置は不要である。
確保措置の方法は、保険加入と供託とがある。保険による方法は、国土交通大臣が指定した住宅瑕疵担保責任保険法人が保険者となる保険に加入する。
この場合、保険法人は例外なく保険の申込みを受け付ける義務がある。また、供託による方法は、引き渡した住宅戸数に応じて決められた額の保証金を法務局に供託する。
本文のリンク用語の解説
建築
「建築物を新築し、増築し、改築し、または移転すること」と定義されている(建築基準法第2条第13号)。
売主
不動産の売買契約において、不動産を売る人(または法人)を「売主」という。 また不動産広告においては、取引態様の一つとして「売主」という用語が使用される。 この取引態様としての「売主」とは、取引される不動産の所有者(または不動産を転売する権限を有する者)のことである。
宅地建物取引業者
宅地建物取引業者とは、宅地建物取引業免許を受けて、宅地建物取引業を営む者のことである(宅地建物取引業法第2条第3号)。
宅地建物取引業者には、法人業者と個人業者がいる。 なお、宅地建物取引業を事実上営んでいる者であっても、宅地建物取引業免許を取得していない場合には、その者は宅地建物取引業者ではない(このような者は一般に「無免許業者」と呼ばれる)。
供託
法令の規定により、金銭、有価証券、その他の物件を地方法務局などにある供託所または一定の者に寄託することをいう。
供託は、弁済供託(債務者が債権者の受領拒絶、受領不能、債権者を確知できない場合等に弁済を目的としてするもの)、担保保証供託(後の支払を確保を担保するもの)、執行供託(民事執行の目的たる金銭または換価代金を当事者に交付するためのもの)、保管供託(他人の物を直ちに処分し得ないときに一時保管するためのもの)、没収供託(公職選挙立候補者の供託のように没収に備えるためのもの)の5種類に分類できる。また、そのための手続きは、供託法に定められている。
宅地建物取引業を営む場合には、営業保証金を供託しなければならないとされているが、宅地建物取引業保証協会の社員はその必要はなく、別途弁済業務保証金分担金を納付することとされている。
法務局
法務省の地方支分部局の一つで、登記、公証、人権などに関する事務を担当する。
法務局は全国に8ヵ所設置されている。また、その他の県庁所在地等には地方法務局(全国で42ヵ所)が置かれている。さらに、法務局、地方法務局は、所管する地域内にその支局および出張所を置いていて、全体では全国で約500ヵ所の事務所が存在する。
事務所の種類等によってその扱う事務の範囲が異なるが、不動産登記および供託に関する事務は、すべての事務所で取り扱われるため、事務所を一般的に「登記所」と呼ぶ(商業登記は、原則的に法務局または地方法務局のみで扱う)。
なお、法務局以外の事務所を含めて、登記を扱う事務所を単に「法務局」と呼ぶ習慣もあるので注意が必要である。