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遺跡地図
読み:いせきちず

貝塚・古墳・住居跡などの遺跡の区域を示す地図のこと。文化財保護法第95条の規定にもとづき、原則として市町村教育委員会が作成する地図であり、一般の閲覧が可能とされている。

この遺跡地図に登載された遺跡の区域は「周知の埋蔵文化財包蔵地」となるので、土木工事等の目的で発掘しようとする者は、事前に文化庁長官に届出をする義務が生じる(同法第93条)。

文化財保護法

文化財を保存・活用することを目的とし、従来の「国宝保存法」「史跡名勝天然記念物保存法」などを統合して1950(昭和25)年に制定された法律。 文化財保護法は、文化財を「有形文化財」「無形文化財」「民俗文化財」「記念物」「文化的景観」「伝統的建造物群」の6種類に分けて定義している。 そして、文化財のうち重要なものを、「国宝」「重要文化財」「重要無形文化財」「重要有形民俗文化財」「重要無形民俗文化財」「史跡」「名勝」「天然記念物」等として国が指定し、特に保護することとしている。 そのほか、主に明治以降の建造物を「登録有形文化財」として登録し保護する、市町村が決定した「伝統的建造物群保存地区」について特に重要なものを国が「重要伝統的建造物群保存地区」に選定する、などの制度を定めている。 土地に埋蔵されている文化財(埋蔵文化財)については、周知の埋蔵文化財包蔵地を土木工事等の目的で発掘しようとする場合には、着手する日の60日前までに文化庁長官へ届け出なければならない、と定めてその保護を図っている(文化財保護法第93条)。そして各市町村では、その周知の徹底を図るため、「遺跡地図」「遺跡台帳」の整備などに努めている。 さらに、埋蔵文化財に関連して、土地の所有者・占有者は、出土品の出土等により貝塚・古墳・住居跡などの遺跡を発見した場合には、その現状を変更することなく、遅滞なく文化庁長官に対して届け出なければならない、とされている(同法第96条)。 なお、地方公共団体は、条例を制定して、区域内に存する文化財のうち重要なものを指定して、その保存および活用のため必要な措置を講じている(同法第182条)。

周知の埋蔵文化財包蔵地

埋蔵文化財を包蔵する土地として周知されている土地をいう(文化財保護法第93条第1項)。 石器・土器などの遺物が出土したり、貝塚・古墳・住居跡などの遺跡が土中に埋もれている土地であって、そのことが地域社会で認識されている土地がこれに該当する。 「周知の埋蔵文化財包蔵地」は、通常は市町村の教育委員会が作成する遺跡地図および遺跡台帳において、その区域が明確に表示されている。しかしながら、この遺跡地図および遺跡台帳は、その市町村内のすべての「周知の埋蔵文化財包蔵地」を登載しているとは限らない。 そのため、遺跡地図および遺跡台帳に登載されている遺跡の区域以外の土地であっても、その地域社会において遺物や遺跡が埋もれていることが認識されている土地もまた「周知の埋蔵文化財包蔵地」に該当するので、注意が必要である。 このような「周知の埋蔵文化財包蔵地」に関しては、次のような規制がある。 1.周知の埋蔵文化財包蔵地を土木工事等の目的(埋蔵文化財の調査の目的を除く)で発掘しようとする者は、発掘に着手する日の60日前までに文化庁長官に届出をしなければならない(同法第93条第1項で準用する第92条第1項)。 2.届出をした発掘に対し、埋蔵文化財の保護上、特に必要があるときには、文化庁長官は発掘前に、記録の作成のための発掘調査など必要な事項を指示することができる(同法第93条第2項)。 実際には、各市町村は開発事業者のための照会制度を設けており、開発事業者が市町村教育委員会に照会することにより、上記1.の届出が必要か否かが回答される仕組みとなっている。開発予定地が「周知の埋蔵文化財包蔵地」に該当するかどうかが教育委員会においても判明しない場合(例えばすでに発掘された遺跡の区域の隣接地での開発など)には、教育委員会は、開発事業者等の了解を得て現地踏査や試掘を行なうことがある。 また、上記2.の発掘調査等に要する費用は、原則として開発事業者等が負担することとされている。 なお、「周知の埋蔵文化財包蔵地」に該当しない土地であっても、出土品の出土等により、土地の所有者・占有者が、貝塚・古墳・住居跡などの遺跡を発見した場合には、その現状を変更することなく文化庁長官に対して届出を行わなければならず、文化庁長官は、その遺跡が重要なものであり、保護のため調査を行なう必要があると認めるときは、その土地の所有者・占有者に対し、期間を定めて(最大3ヵ月)、その現状を変更することとなるような行為の停止、または禁止を命ずることができるとされている(同法第96条第1・2項)。