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土壌溶出量調査
読み:どじょうようしゅつりょうちょうさ

土壌汚染対策法に基づく土壌汚染状況調査の方法の一つ。

土壌汚染状況調査では、まず調査対象地について、調査実施主体(土地所有者等)が容易に入手できる範囲内で入手した情報に基づいて、特定有害物質の過去の使用状況等を把握する。

その次に、特定有害物質の濃度を測定するために、特定有害物質の種類に応じて、土壌ガス調査・土壌溶出量調査・土壌含有量調査のいずれか(または複数)を実施することとされている。

このうち土壌溶出量調査は、特定有害物質のいずれかが存在する可能性がある事例において、それらの物質の濃度を測定する調査である。

具体的にはおおよそ次の手順で実施される。
1.地表から5cmの土壌と地表から5〜50cmまでの土壌を採取し、2種類の土壌を混合する。
2.第二種および第三種特定有害物質の量を測定する。

土壌汚染対策法

土壌汚染の状況を把握し、その汚染による健康被害を防止するための法律。2002(平成14)年に制定された。その後、09(平成21)年にさらなる課題への対応のために、17(平成29)年に土壌汚染リスクの管理を適切に実施するために、それぞれ改正されている。 土壌汚染対策法で定められている主な内容は次のとおりである。 1)土壌汚染状況調査の実施次の3種類の調査を定め、その実施を義務付ける。i)使用が廃止された有害物質使用特定施設に係る工場又は事業場の敷地であった土地の調査ii)土壌汚染の恐れがある土地の形質の変更が行われる場合の調査iii)土壌汚染による健康被害が生ずるおそれがある土地の調査 2)区域の指定と措置の義務づけ土壌の汚染状態が指定基準を超過した場合に次の2種類の区域を指定し、それぞれの区域について必要な措置を定める。(1)要措置区域土壌汚染の摂取経路があり健康被害が生じる恐れがあるため、汚染の除去等の措置が必要な区域。この区域に指定されると、健康被害を防止するために必要な措置を講じなければならない。また、土地の形質変更は原則禁止される。(2)形質変更時要届出区域土壌汚染の摂取経路がなく、健康被害が生じる恐れがないため、汚染の除去等の措置が不要な区域(摂取経路の遮断が行われた区域を含む)。この区域では、土地の形質変更時に都道府県知事に計画を届け出なければならない。 3)汚染土壌の搬出等に関する規制i)要措置区域及び形質変更時要届出区域内の土壌の搬出における事前届出、計画の変更命令、運搬基準の遵守ii)汚染土壌に係る管理票の交付及び保存の義務iii)汚染土壌の処理業の許可制度 なお、土壌汚染の発生を防ぐための対策は、土壌汚染対策法のほか、水質汚濁防止法による有害物質を含む汚水等の地下浸透防止措置、廃棄物の処理および清掃に関する法律による有害物質を含む廃棄物の適正処分措置などによって対応が図られている。また、ダイオキシン類による汚染対策については、ダイオキシン類対策特別措置法によって別途の措置が定められている。

土壌汚染状況調査

土壌について、人の健康に被害を生ずる恐れが大きいものとして指定された26種類の物質(特定有害物質)による汚染状況を把握するための調査。土壌汚染対策法に基づいて実施される。 土壌汚染状況調査には、実施が必要な場合に応じて次の3種類がある。 1)使用が廃止された有害物質使用特定施設に係る工場または事業場の敷地であった土地の調査2)土壌汚染の恐れがある土地の形質の変更が行なわれる場合の調査3)土壌汚染による健康被害が生ずるおそれがある土地の調査 土壌ガス調査・土壌溶出量調査・土壌含有量調査で構成されるが、その方法は、調査の目的、調査する特定有害物質の性質などに応じて基準が定められている。また、実施主体は土地所有者等で、調査の実施は指定調査機関が担当する。

土壌汚染状況調査の実施主体

土壌汚染対策法に基づく土壌汚染状況調査を実施しなければならない者。通常は土地の所有者であるが、土地の管理および使用収益の実態等から、土地の掘削等を行なうために必要な権原を有する者が所有者ではなく管理者または占有者である場合には、当該者が実施義務を負うことになる 調査義務を負うのは、土壌汚染対策法に基づいて調査義務が発生した時点での土地所有者等である。また、調査の実務は、環境大臣または都道府県知事の指定を受けた者が、土地の所有者等の依頼を受けて行なうこととなる。 調査義務を負った実施主体が調査を実施しない場合には、都道府県知事が行政代執行法に基づいて調査を実施し、調査費用を実施主体に負担させることとなる。また、健康被害が生ずる恐れのある土地の調査に関しては、所有権の帰属に争いがある等の調査を命令すべき者を確定することができない場合で、かつ調査を行なわないで放置することが著しく公益に反する場合には、都道府県知事がその土地所有者等に代わって調査を行ない、その土地所有者等に費用を負担させることができるとされている。

特定有害物質(土壌汚染対策法の~)

土壌汚染対策法において、人の健康に被害を生ずる恐れが大きいものとして指定された26種類の物質のこと。 なお、ダイオキシン類については、ダイオキシン類対策特別措置法において土壌汚染対策が定められているので、土壌汚染対策法の特定有害物質からは除外されている。 土壌汚染対策法では、特定有害物質を使用する特定の施設(「有害物質使用特定施設」という)の使用を廃止したとき、土地所有者等に対して土壌汚染状況調査の実施を義務付けている。 特定有害物質はその性質により次の3種類に区分されている。 1)第一種特定有害物質 トリクロロエチレン・テトラクロロエチレンなどの12種類の揮発性有機化合物2)第二種特定有害物質 鉛、砒素などの9種類の重金属等3)第三種特定有害物質 有機リン化合物などの5種類の農薬等

土壌ガス調査

土壌汚染対策法に基づく土壌汚染状況調査の方法の一つ 土壌汚染状況調査では、まず調査対象地について、調査実施主体(土地所有者等)が容易に入手できる範囲内で入手した情報に基づいて、特定有害物質の過去の使用状況等を把握する。 その次に、特定有害物質の濃度を測定するために、特定有害物質の種類に応じて、土壌ガス調査・土壌溶出量調査・土壌含有量調査のいずれか(または複数)を実施することとされている。 このうち土壌ガス調査は、トリクロロエチレン等の全部で12種類の揮発性有機化合物(第一種特定有害物質)が存在する可能性がある事例において、それらの物質の濃度を測定する調査である。調査は具体的にはおおよそ次の手順で実施される。1.地表からおおむね80〜100cmの地中において土壌ガスを採取し、第一種特定有害物質の量を測定する。2.土壌ガス中に一定濃度以上の第一種特定有害物質が検出された場合には、土壌汚染が存在する恐れが最も多いと認められる地点において、深さ10mまでの土壌をボーリングにより採取し、土壌溶出量を測定するという追加調査の実施が必要となる(同施行規則第7条)。

土壌含有量調査

土壌汚染対策法に基づく土壌汚染状況調査の方法の一つ。 土壌汚染状況調査では、まず調査対象地について、調査実施主体(土地所有者等)が容易に入手できる範囲内で入手した情報に基づいて、特定有害物質の過去の使用状況等を把握する。 その次に、特定有害物質の濃度を測定するために、特定有害物質の種類に応じて、土壌ガス調査・土壌溶出量調査・土壌含有量調査のいずれか(または複数)を実施することとされている。 このうち土壌含有量調査は、鉛等の9種類の重金属等(第二種特定有害物質)が存在する可能性がある事例において、それらの物質の濃度を測定する調査である。 具体的にはおおよそ次の手順で実施される。1.地表から5cmの土壌と地表から5〜50cmまでの土壌を採取し、2種類の土壌を混合する。2.第二種特定有害物質の量を測定する。

第三種特定有害物質

土壌汚染対策法において、人の健康に被害を生ずる恐れが大きいものとして指定された26種類の特定有害物質のうち、農薬等に該当する5種類の物質のこと。 この第三種特定有害物質については、土壌汚染状況調査を実施するに当たっては、土壌溶出量調査を実施することとされている。 第三種特定有害物質は具体的には次の5種類である。 1.有機リン化合物(パラチオン、メチルパラチオン、メチルジメトン、EPN)2.シマジン3.チウラム4.チオベンカルブ5.ポリ塩化ビフェニル(PCB)