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揮発性有機化合物
読み:きはつせいゆうきかごうぶつ

常温で揮発する有機化合物のこと。

代表的なものとして、ホルムアルデヒド、クロルピリホス、トルエン、キシレン、ベンゼン、スチレンなどがあり、いずれも人体への有害性が指摘されている(詳しくはVOCへ)。

ホルムアルデヒド

揮発性有機化合物(VOC)の一つで、アルデヒド基(-CHO)を持つ化合物の代表とされる。化学式はCH2O。メタナールまたは酸化メチレンともいう。無色で刺激臭のある気体で、毒性が強く、水に溶けたものはホルマリンといわれる。フェノール樹脂、尿素樹脂などの原料となるほか、安価なために、接着剤、塗料、防腐剤などとして広く用いられている。 建材や家具に使用されるホルムアルデヒドが原因となってシックハウス症候群を発症することがあるため、その濃度について指針があるほか、建築物への使用が規制されている。建築基準法では、単位時間・面積当たりのホルムアルデヒドの発散量に応じて、建築材料を第1種(0.12mg/平方メートルh超)から第3種(0.05mg/平方メートルh超0.02mg/住宅性能表示制度h以下)に分け、第1種については、使用を禁止し、第2種・第3種についても大臣認定を前提に使用面積を制限している(同法第28条の2第3号、同法施行令第20条の7から第20条の9)。 また、家具や建材からのホルムアルデヒドの発散に対応するため、マンションなど特に気密性の高い住宅においては、原則として常時換気が可能な構造の機械換気設備等の設置が義務付けられている。 さらに、住宅性能表示制度においても、「ホルムアルデヒド発散等級」を設けて性能評価の対象とし、住宅購入者の保護が図られている。

VOC

常温で揮発する有機化合物(揮発性有機化合物)。英語のVolatile Organic Compoundsの略語。その種類は100種類以上あるが、代表的なVOCは、ベンゼン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、メタノール、ジクロロメタンなどである。塗料、印刷インキ、接着剤、洗浄剤などに使用されていて、「有機溶剤」の多くはVOCである。 NOXとともに光化学大気汚染をもたらす主要な原因物質であり、発がん性など人体に有害な影響を及ぼすものやシックハウス症候群の原因となるものもある。また、ごく微量であっても臭気、目・鼻・喉への刺激、めまい、頭痛などを引き起こすことがあり、化学物質過敏症の原因になるとも考えられている。 VOCのうちベンゼン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ジクロロメタンについては環境基準が定められている。また、大気汚染防止法に基づきVOC(排出口から大気中に排出され、また飛散したときに気体である有機化合物、ただし、メタンなど光化学反応性が極微の8種類の物質を除く)について、施設の類型(塗装、接着、洗浄など)ごとに排出基準値が定められ、排出できる濃度が規制されている。