マンションの管理の適正化の推進に関する法律では、マンション管理業とは「管理組合から委託を受けて、業として分譲マンションの「管理事務」を行なうこと」であると定義している(同法第2条)。
ここでいう「管理事務」とは、「基幹事務」を含む場合だけを指すものとされている(基幹事務とは「管理組合の会計および出納」や「維持または修繕に関する企画等」をいう)。
このため、単に建物管理員業務や清掃業務だけを行なう場合は、上記の「基幹事務」を行なわないので、「管理事務」に該当しない。従って、マンション管理法上はマンション管理業に該当しないことになる。
なお、マンション管理業を行なう場合には、国土交通大臣への登録を行なう義務がある。この登録をしないでマンション管理業を行なった場合には、1年以下の懲役または10万円以下の罰金の対象となる。
マンションの管理の適正化の推進に関する法律
略称は「マンション管理適正化法」。マンションの管理を適正に行なうための仕組みを規定している法律。2001(平成13)年に公布・施行された。
この法律で規定されているのは、
1.管理組合の運営などマンションの管理に関して、管理組合の管理者やマンションの区分所有者等に対して助言、指導その他の援助を行なう専門家の資格を定めること(マンション管理士制度)
2.マンションの管理業務を受託する者の登録を義務づけること(マンション管理業の登録制度)
3.マンション管理業務を行なうに際して、一定の資格者を置くことを義務付けること(管理業務主任者制度)
などである。
原則的に、マンションの管理はその所有者が責任を負うのであるが、1.によって所有者に対して直接に支援する仕組みを、2.および3.によってマンション管理業務を受託する者が適正に業務を実施する仕組みを、それぞれ整えることにより、良好なマンション居住環境を確保することをめざしている。
管理組合
分譲マンションなどの区分所有建物において、区分所有者が建物および敷地等の管理を行なうために区分所有法にもとづいて結成する団体のこと(ただし区分所有法上では「管理組合」という言葉を使用せず、「区分所有者の団体」と呼んでいる)。
区分所有建物においては、区分所有者は区分所有法により、当然にこの「管理組合」に加入することとされているので、区分所有者の任意で管理組合から脱退することはできない(区分所有法第3条)。
このような管理組合は、集会(いわゆる管理組合の総会)を開き、管理に関するさまざまな事項を議決し、管理規約を定める。
また管理組合の通常業務を執行するために、管理規約にもとづいて複数の理事が選出され、この理事によって構成される理事会が業務を行なう。
また管理組合は、法人になることができる。法人になった管理組合は「管理組合法人」と呼ばれる。