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違法建築物
読み:いほうけんちくぶつ

建築基準法をはじめとする関連法規に違反している建築物をいう。具体的にある法律の特定の条項に違反しているという意味では、「違反建築物」の方が正確な用語であると思われ、法律における用語(例えば建築基準法第9条見出し)や、行政機関等の使用例ではむしろ「違反建築物」の方が一般的である。

一方で、正確に違反条項を明らかにせずに建築物の違法性を問題にする場合などには、「違法建築物」との用語が用いられることもある。

特定行政庁は、違反建築物を発見した場合には、建物の取り壊し、改築、修繕、使用禁止などの是正命令を出し、違反事実を公示できる。また緊急の場合は、特定行政庁が任命した建築監視員が工事施工の停止を求めることができる。

 

建築基準法

国民の生命・健康・財産の保護のため、建築物の敷地・設備・構造・用途についてその最低の基準を定めた法律。市街地建築物法(1919(大正8)年制定)に代わって1950(昭和25)年に制定され、建築に関する一般法であるとともに、都市計画法と連係して都市計画の基本を定める役割を担う。 遵守すべき基準として、個々の建築物の構造基準(単体規定、具体的な技術基準は政省令等で詳細に定められている)と、都市計画とリンクしながら、都市計画区域内の建物用途、建ぺい率、容積率、建物の高さなどを規制する基準(集団規定)とが定められている。また、これらの基準を適用しその遵守を確保するため、建築主事等が建築計画の法令適合性を確認する仕組み(建築確認)や違反建築物等を取り締まるための制度などが規定されている。 その法律的な性格の特徴は、警察的な機能を担うことであり、建築基準法による規制を「建築警察」ということがある。

建築物

建築基準法では「建築物」という言葉を次のように定義している(建築基準法第2条第1号)。 これによれば建築物とは、およそ次のようなものである。 1.屋根と柱または壁を有するもの 2.上記に付属する門や塀 3.以上のものに設けられる建築設備 上記1.は、「屋根+柱」「屋根+壁」「屋根+壁+柱」のどれでも建築物になるという意味である。 なお、地下街に設ける店舗、高架下に設ける店舗も「建築物」に含まれる。

違反建築物

場合により「違法建築物」とも言われる。 関連法規や条例およびそれに基づく許可等の条件等に違反している建築物を指すが、特に建築基準法の法目的が、同法第1条に掲げられているように、建築物に関する「最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護」を図ることであることからして、違反に対しては、厳しい措置が定められている。 建築基準法は、個々の建築物が単体として具備していなければならない構造耐力、建築防火、建築衛生等に関する安全確保のための技術基準として建築基準法の第2章(第19条~第41条)に置かれている規定(単体規定)と、建築物の集団であるまちや都市において要求される安全かつ合理的な土地利用、環境の向上のために建築物の秩序を確保するための基準として同法の第3章(第41条の2~第68条の26)に置かれている規定(集団規定)があるが、これらの規定に違反するものは、いずれも建築基準法違反という意味での違反建築物となる。 特定行政庁は、建築基準法令等に違反した建築物の建築主、工事の請負人、現場管理者、または建築物もしくは建築物の敷地の所有者、管理者、占有者に対して、工事の施工の停止のほか、除却、移転、増改築、修繕、使用禁止等の必要な是正措置を命ずることができる(同法第9条第1項)。是正措置が履行されない場合には、行政代執行の対象となる(同条第12項)が、その場合にも、特則により、より速やかな代執行や是正が可能である。 なお、建築後に建築基準法令等が改正され、新しい法規に適合しなくなった場合や、都市計画上の区域が変更されたために規制に適合しなくなった場合は、経過措置として建築物の存続を許される(既存不適格建築物、同法第3条第2項)。しかし、この場合でも、改築・増築や移転等の際には、全面的に改正後の建築基準法令等が適用されるほか、損傷、腐食等により放置すれば保安上危険である場合や、衛生上有害となる場合および公益上著しく支障がある場合には、指導、助言および勧告、さらには命令がなされる場合があり(同法第9条の4、第10条および第11条)、最終的には違反の是正が求められる。 そのほか、消防法の規定に違反する場合も、違反建築物とされる場合がある。 消防法施行令では、病院、学校、劇場、ホテル、飲食店、事務所、地下街等の主に不特定多数の人が出入りする施設を「防火対象物」と位置付け、これらに対し、必要な内装や設備について定めている。これらの規定に違反した場合には、消防署長等による指導や是正命令の対象となるほか、命令に違反したり、違反状態を放置して火災による死傷者が出た場合には、刑事事件として捜査され重い罰則が課せられるほか、民事上も損害賠償の対象となる。 宅地建物取引業法第47条第1号では、宅地建物取引業者が、業務に関して重要な事実について故意にこれを告げず、または不実のことを告げる行為を禁止している。また、建築基準法第9条の3は、当該違反建築物の設計者や工事請負人等と並んで、宅地建物取引業に係る取引をした宅地建物取引業者についても、特定行政庁に当該業者を監督する国土交通大臣または都道府県知事に通報することを義務付けており、通報を受けた大臣および知事は、免許の取消し、業務の停止処分その他必要な措置を講ずるものとされ、違反建築物の取引への関与については、重い処分が用意されている。

改築

建築物の全部もしくは一部を除却すると同時に、これと同様の規模・構造の建築物を建てることをいう。 建築基準法では、改築も「建築」の一種とされており(建築基準法第2条第13号)、改築についても建築確認を申請する必要がある(建築基準法第6条)。

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