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採光関係比率
読み:さいこうかんけいひりつ

採光について建築基準法は、住宅等の居室にはその他の開口部を設け、その採光に有効な面積は、居室の床面積に対して、住宅にあっては7分の1以上、その他の建築物にあっては建築物の種類に応じて5分の1から10分の1以上としなければならないと定めている(ただし、地階等は例外。同法第28条第1項)。「採光に有効な面積」(有効採光面積)の算定方法は同法施行令第20条および平成15年国土交通省告示第303号に定められており、開口部(窓等)の面積に「採光補正係数」をかけ合わせた数値となる。この「採光補正係数」を算出するために、隣地境界線からの距離を、窓などの中心部から直上の建築物の部分までの高さで除した「採光関係比率」を用いる。

有効採光面積が確保できない部屋は、建築基準法上「居室」として扱われないこととなり、不動産広告やその間取図などで、「納戸」「サービスルーム」と表記されているものの多くがそれに当てはまる。

 

採光

建築基準法によれば、住宅の居室においては、採光のために、窓その他の開口部を設けなければならない(建築基準法第28条1項)。 この住宅の採光のための開口部の面積は、居室の床面積の7分の1以上(照明設備の設置や有効な採光方法を確保する措置がなされている場合は、その居室の床面積の10分の1までの範囲内)でなければならないとされている(有効採光面積を参照)。 襖、障子などの常時開放できるもので仕切られた2つ以上の居室は、1つの居室とみなすこととされている(建築基準法第28条4項)。従って、1つの居室には必ず1つの窓が必要というわけではなく、障子で仕切られた2つの居室について1つの窓でもよいということになる。 住宅の販売広告等では、窓のない部屋はこの採光の規定(建築基準法第28条)を満たしていないため、「居室」と表示することはできない。その代わりに、「納戸(なんど)」「サービスルーム(納戸)」などと表示することは可能とされている。 また、地階に設けた居室についてはこの限りではないとされているので、居室として使用される地下室では採光のための開口部を設ける必要はない(建築基準法第28条1項但し書き)。 ただし、こうした地下室では衛生上の要請から「ドライエリア(からぼり)」等の設備を設ける必要がある(建築基準法第29条)。

建築基準法

国民の生命・健康・財産の保護のため、建築物の敷地・設備・構造・用途についてその最低の基準を定めた法律。市街地建築物法(1919(大正8)年制定)に代わって1950(昭和25)年に制定され、建築に関する一般法であるとともに、都市計画法と連係して都市計画の基本を定める役割を担う。 遵守すべき基準として、個々の建築物の構造基準(単体規定、具体的な技術基準は政省令等で詳細に定められている)と、都市計画とリンクしながら、都市計画区域内の建物用途、建ぺい率、容積率、建物の高さなどを規制する基準(集団規定)とが定められている。また、これらの基準を適用しその遵守を確保するため、建築主事等が建築計画の法令適合性を確認する仕組み(建築確認)や違反建築物等を取り締まるための制度などが規定されている。 その法律的な性格の特徴は、警察的な機能を担うことであり、建築基準法による規制を「建築警察」ということがある。

居室

居室とは「居住、作業、娯楽などの目的のために継続的に使用する室のこと」である(建築基準法第2条4号)。 この定義に従えば、一般の住宅の場合、居室とは「居間」「寝室」「台所」である。 その反対に、「玄関」「便所」「浴室」「脱衣室」「洗面所」「押入れ」「納戸」「廊下」は居室ではない。 なお建築基準法では、居住の目的のための居室については、採光に関する基準(建築基準法第28条第1項)と換気に関する基準(建築基準法第28条第2項)をクリアすることを必要としている。 ただし、居室として使用する地下室については採光の基準が適用されず、その代わりに衛生上必要な防湿の措置等を行なうことが必要とされている(建築基準法第29条)。

採光や換気のために建物の外壁などに設ける開口部。 一般に、ガラス板、ガラス板を固定する框(かまち)、窓枠、鍵・開閉器具等によって構成されている。開口面に、ガラス板ではなく、障子紙などを用いる窓もある。 窓の種類は、開閉の方法や設置のかたちによって分類される。開閉の方法には、屋外に向かって開く「開き窓」、横方向にスライドする「引き違い窓」、縦方向にスライドする「上げ下げ窓」、上端または下端を倒す「倒し窓」などがあるほか、固定し開閉しない「はめ殺し窓(FIX窓)」もある。設置のかたちとしては、屋根面から突出し垂直に設置する「屋根窓 (ドーマーウインドー)」、壁から外に突き出た「出窓」、床に接し大きく開く「掃き出し窓」などがある。 なお、建築基準は、居室には、採光及び換気のため、一定面積以上の窓等の開口部を設置しなければならないとしている。

床面積

建築物の各階において、壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の面積をいう(建築基準法施行令第2条1項3号)。 なお具体的な床面積の判定の方法については、建設省(現国土交通省)が、通達(昭和61年4月30日付建設省住指発第115号)によって詳しい基準を設けている。

地階

次の2つの条件を満たす階をいう。 1.床が地盤面下にあるような階であること 2.床から地盤面までの高さが、床から天井までの高さの3分の1以上であること (建築基準法施行令第1条第2号)

国土交通省

国の行政事務を分担管理する機関のひとつ。国土交通省設置法に基づいて設置され、その長は国土交通大臣である。英語表記は、Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourismである。 「国土の総合的かつ体系的な利用、開発及び保全、そのための社会資本の整合的な整備、交通政策の推進、観光立国の実現に向けた施策の推進、気象業務の健全な発達並びに海上の安全及び治安の確保を図ること」(国土交通省設置法)を任務とし、その達成のための事務を司っている。 所掌事務は多岐にわたるが、たとえば、国土、都市、住宅、交通に関する政策、河川、道路、港湾の整備、不動産業、建設業、運送業に関する事務の大部分は、国土交通省が担っている。また、国土地理院、気象庁、海上保安庁、観光庁は、国土交通省の組織である。 国土交通省は、平成の中央省庁再編の一環として、国土庁、建設省、運輸省、北海道開発庁を統合し、2001年1月6日に発足した。

間取図

部屋の配置や広さ、ドアの開閉方向などを確認するための簡易的な平面図。

納戸

もともとは屋内に設けた衣類などを収納する部屋という意味であるが、不動産広告では採光のための窓がない(または窓が小さい)部屋のことを「納戸」と表示する。 建築基準法によれば、住宅の居室には、採光のための窓などを居室の床面積の7分の1以上の大きさで設けなければならない(建築基準法第28条第1項)。 従って、住宅の構造上、採光のための窓を設けにくい部屋は、建築基準法上の「居室」となることができない。そこで、住宅の販売広告等ではこうした部屋を「納戸」と表示することにしているのである。 また最近は「サービスルーム」、さらにはその頭文字を取って「S」と表示されることも多い。 なお、不動産広告を規制する「不動産の表示に関する公正競争規約(表示規約)」では、建築基準法の採光等の規定をクリアしていないために「居室」となることができない部屋は「納戸」等と表示することと定めている。

サービスルーム

採光が不足して居室として認められない部屋をいう。 建築基準法では、居室は、住宅の場合、窓の大きさは床面積の7分の1以上なければならないとされているが、その基準を満たさない部屋を「サービスルーム」と称する。 例えば、間取りが「○LDK+S」と表示されている場合の「S」がこれに当たる。「納戸」もこれと同じ意味で使われ、不動産広告においてはサービスルーム(納戸)などと表示することになる。