発電所で発電された数十万ボルトの電力は、そこから変電所に送られ、数次の変電を経て、徐々に電圧を下げ、配電用変電所で7000ボルト以下に電圧を下げた後、変圧器により200ボルト以下程度の低圧に落とされて家庭等に送られる。配電用変電所を経由するまでの7000ボルト以上の電圧を「特別高圧」と呼ぶが、この特別高圧の電力を送る「特別高圧架空電線」の下の土地を「高圧線下地」と呼ぶ。
高圧線下地は、その利用に当たりさまざまな制約が伴う。特に、電気事業法に基づく「電気設備に関する技術基準を定める経済産業省令」においては、高圧線の直下等における建築制限について定められており、土地の価格評価においても、上記の物理的・法的要因や心理的要因、特別高圧線の通過位置や距離等を考慮して、評価額が減価されることとなる。
こうした土地には電力会社が地役権を設定し、土地所有者に対して使用料等の対価を支払っている場合が多いとされる。