主に事業者向けの高圧電力供給契約の方が、家庭向けの低圧電力供給契約よりも電気料金の単価が安いことを利用し、マンション等において、個別に低圧電力契約を締結するのではなく、一括して高圧電力供給契約を結んで、高圧電力の供給を受け、そこからさらに各家庭に低圧電力を配分する事例が増えてきている。また、マンションの共用部分のみ一括契約する事例もある。これらを総称して、一括受電(一括受電契約、一括受電契約方式など)と呼んでいる。
こうした一括契約方式を活用して、企業が高圧電力の供給を受け、各家庭とは戸別の供給契約を結んで電力を供給することをサービスとして行なう企業も多数存在する他、東京電力グループなどの大手電気事業者においても、共用部分のみ一括供給するプランや専有部分もこの方式を利用するプランなどを提供している。また、分譲マンションで、当初からこの方式を採用して分譲する例もある。
利用に当たってはマンションの住民の同意が必要である他、電気主任技術者の選任などの電気事業法上の要件を満たす必要がある。契約期間が長期となるなど、各戸別の契約にはなかった課題も存在する。
マンション
日本におけるマンションは、一般的には、鉄骨コンクリート造または鉄骨鉄筋コンクリート造で、3階建て以上の分譲共同住宅・賃貸共同住宅を指している。ただし、賃貸共同住宅の場合にはPC造・重量鉄骨造であっても、マンションと呼ばれることがある。 本来、マンションは英語では「大邸宅」を指す。日本におけるマンションは、欧米では「アパートメント」と呼ばれている。
共用部分
分譲マンションのような区分所有建物について、区分所有者が全員で共有している建物の部分を「共用部分」という。
その反対に各区分所有者がそれぞれ単独で所有している部分は「専有部分」と呼ばれる。
具体的には、次の3つのものが「共用部分」である(区分所有法第2条)。
1.その性質上区分所有者が共同で使用する部分(廊下、階段、エレベーター、エントランス、バルコニー、外壁など)
2.専有部分に属さない建物の付属物(専有部分の外部にある電気・ガス・水道設備など)
3.本来は専有部分となることができるが、管理規約の定めにより共用部分とされたもの(管理人室・集会室など)
このような1.~3.の共用部分は、原則として区分所有者全員の共有である(区分所有法第11条)。
また共用部分は共有であるため、各区分所有者はそれぞれ共用部分に関する共有持分を持っていることになる。
この共有持分の割合は、原則として、専有部分の床面積(専有面積)の割合に等しい(区分所有法第14条)が、この割合は規約により変えることができる。
また区分所有者は、その共用部分の共有持分のみを自由に売却等することはできない(区分所有法第15条)。
専有部分
分譲マンションなどの区分所有建物において、それぞれの区分所有者が単独で所有している建物の部分のことを「専有部分」と呼ぶ(区分所有法第1条・第2条)。
分譲マンションの場合でいえば、各住戸の内部が「専有部分」に該当する。
この反対に、区分所有建物において区分所有者が全員で共有している部分(例えば廊下・階段・バルコニーなど)は「共用部分」と呼ばれる。
分譲
土地や建物を分割して譲渡すること。たとえば、「宅地分譲」は広い土地の一部を宅地として売り渡すこと、「分譲マンション」は一棟の建物及びその敷地を複数に区分して売り渡された住戸(区分所有している建物)である。
通常、分割した土地や建物の所有権を売買契約によって移転する方法で行なわれる。