自然換気において有効とされる開口部の面積。建築基準では、居室の換気について、換気に有効な開口部の面積が居室の床面積の20分の1以上であれば換気設備を設置しなくても良い(自然換気でかまわない)とされている。この場合の「換気に有効な開口部の面積」が有効開口面積である。
例えば、はめ殺し窓は窓の面積に関係なく有効開口面積はゼロである。同様に、引違い窓は2分の1、両開き窓はすべて、回転窓は、回転度が45°以上であればすべて、45度未満であれば回転度/45度の割合の面積が、それぞれ有効開口面積になる。
なお、建築基準には、採光に有効な開口部の面積についても定めがある。
換気
建築基準法によれば、住宅の居室には、換気のために、窓その他の開口部を設けなければならない(建築基準法第28条2項)。 この住宅の換気のための開口部の面積は、居室の床面積の20分の1以上でなければならないとされている。 ふすま、障子などの常時開放できるもので仕切られた2つ以上の居室は、1つの居室とみなすこととされている(建築基準法第28条4項)。従って、1つの居室には必ず1つの窓が必要というわけではなく、障子で仕切られた2つの居室について1つの窓でもよいということになる。 なお、換気のための換気設備を有効に設けた場合には、上記のような広さの窓などを設ける必要はなくなる(建築基準法第28条2項但書)。
開口部
壁・床・屋根に設けられた開口部分のこと。窓、出入口、天窓などを指す。
床面積
建築物の各階において、壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の面積をいう(建築基準法施行令第2条1項3号)。 なお具体的な床面積の判定の方法については、建設省(現国土交通省)が、通達(昭和61年4月30日付建設省住指発第115号)によって詳しい基準を設けている。
はめ殺し窓
開閉できない、枠に直接ガラスなどが固定された窓。「はめ殺し」ともいう。
採光
建築基準法によれば、住宅の居室においては、採光のために、窓その他の開口部を設けなければならない(建築基準法第28条1項)。 この住宅の採光のための開口部の面積は、居室の床面積の7分の1以上(照明設備の設置や有効な採光方法を確保する措置がなされている場合は、その居室の床面積の10分の1までの範囲内)でなければならないとされている(有効採光面積を参照)。 襖、障子などの常時開放できるもので仕切られた2つ以上の居室は、1つの居室とみなすこととされている(建築基準法第28条4項)。従って、1つの居室には必ず1つの窓が必要というわけではなく、障子で仕切られた2つの居室について1つの窓でもよいということになる。
住宅の販売広告等では、窓のない部屋はこの採光の規定(建築基準法第28条)を満たしていないため、「居室」と表示することはできない。その代わりに、「納戸(なんど)」「サービスルーム(納戸)」などと表示することは可能とされている。 また、地階に設けた居室についてはこの限りではないとされているので、居室として使用される地下室では採光のための開口部を設ける必要はない(建築基準法第28条1項但し書き)。 ただし、こうした地下室では衛生上の要請から「ドライエリア(からぼり)」等の設備を設ける必要がある(建築基準法第29条)。