地域材を用いて、省エネ性能等に優れた木造住宅を建設することに対して支援する事業。地域における木造住宅の生産体制を強化し、環境負荷の低減を図るための仕組みで、国土交通省が、予算措置によって支援対象住宅の建設費等の一部を補助する。
支援を受けるためには、(1)資材供給、設計、施工などの関連事業者が連携体制を構築し、(2)地域型住宅の規格・仕様、資材の供給・加工・利用、積算、施工方法、維持管理方法などについて共通ルールを設定する必要がある。
補助の対象になるのは、一定のZEH、認定低炭素住宅等および一定の認定長期優良住宅等である。
なお、この事業は毎年度の予算で定められ、その対象や内容は一定していないので注意が必要である(令和6(2024)年度地域型住宅グリーン化事業の予定はなし)。
木造住宅
木を主な材料にして建築された住宅。構造体が木材で造られている。
一般に、木造の柱、梁、桁などを線的な構造体に組み立てる「木造軸組工法」(「木造在来工法」ともいう)で建築される。また、規格化された木造の枠組を壁面構造体に組み立てる「木造枠組壁工法」(「2×4(ツーバイフォー)工法」ともいう)で建築された住宅も木造住宅である。
なお、高層の木造建築は実現が難しいとされてきたが、高強度の木質集成材(CLT、LVLなどによるマスティンバー)や複合構造材等の開発が進み、木造ビルの建築が可能になってきている。
国土交通省
国の行政事務を分担管理する機関のひとつ。国土交通省設置法に基づいて設置され、その長は国土交通大臣である。英語表記は、Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourismである。
「国土の総合的かつ体系的な利用、開発及び保全、そのための社会資本の整合的な整備、交通政策の推進、観光立国の実現に向けた施策の推進、気象業務の健全な発達並びに海上の安全及び治安の確保を図ること」(国土交通省設置法)を任務とし、その達成のための事務を司っている。
所掌事務は多岐にわたるが、たとえば、国土、都市、住宅、交通に関する政策、河川、道路、港湾の整備、不動産業、建設業、運送業に関する事務の大部分は、国土交通省が担っている。また、国土地理院、気象庁、海上保安庁、観光庁は、国土交通省の組織である。
国土交通省は、平成の中央省庁再編の一環として、国土庁、建設省、運輸省、北海道開発庁を統合し、2001年1月6日に発足した。
ZEH
年間に消費する正味(ネット)のエネルギー量がおおむねゼロ以下となる住宅。ZEHは、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略称で、和製英語である。
ZEHは、住宅の高断熱化、設備(空調、換気、照明、給湯等)の高効率化、エネルギーの創出(太陽光発電等)によって実現できると考えられている。正味で75%省エネを達成したものをNearly ZEH、 正味で100%省エネを達成したものをZEHと称する。
なお、ZEHに類似した住宅としてゼロエミッション住宅があるが、ZEHはエネルギー消費の削減(省エネルギー)に特化した目標を定めているのに対して、ゼロエミッション住宅は総合的な環境負荷の削減を目標としている。
認定低炭素住宅
二酸化炭素の排出の抑制に資する建築物であるとして行政庁が認定した住宅をいう。「都市の低炭素化の促進に関する法律」に基づく制度である。 低炭素住宅は、市街化区域等の区域内に建築される住宅であって、次の基準を満たす場合に認定される。1)外皮の断熱性能が省エネルギー法に基づく省エネルギー誘導基準と同等以上であり、かつ、一次エネルギー消費量が省エネルギー基準に比べて一定割合少ないこと2)低炭素化に資する一定の措置(節水対策、エネルギーマネジメント、ヒートアンランド対策、躯体の低炭素化、再生可能エネルギーの導入に関する事項のうち一定のもの)が講じられていること 認定低炭素住宅の新築等に対しては、税制上の優遇措置(住宅ローン減税の上乗せ、性能強化費用の一部についての所得税額の特別控除、登録免許税等の軽減)や容積率の特例が適用される。
認定長期優良住宅
長期にわたって良好な状態で使用するための措置が講じられているとして、行政庁が認定した住宅をいう。「長期優良住宅の普及の促進に関する法律(長期優良住宅普及促進法)」に基づく制度である。 長期優良住宅として認定されるためには、次の基準を満たさなければならない。1)長期使用構造等に関する基準 i)劣化対策:構造躯体が少なくとも100年程度の間継続して使用できること ii)耐震性:大規模地震力に対する変形を一定以下に抑制すること iii)可変性:ライフスタイルの変化等に応じて構造・設備の変更を容易にすること iv)維持管理・更新の容易性:内装・設備の維持管理を容易に実施できること v)省エネルギー性:断熱性能等の省エネルギー性能が確保されていること vi)バリアフリー性:バリアフリー改修に対応するためのスペースが確保されていること(共同住宅について)2)地区計画、景観計画、建築協定等と調和していること3) 自然災害による被害の発生の防止または軽減に配慮されたものであること4)良好な居住水準を確保するために必要な住戸面積が確保されていること5)維持保全計画を策定し、構造耐力上の主要部、雨水の浸入を防止する部分、給水・排水設備について、少なくとも10年ごとに点検すること 認定長期優良住宅の新築等に対しては、税制上の優遇措置(住宅ローン減税の上乗せ、性能強化費用の一部についての所得税額の特別控除、登録免許税等の軽減)や容積率の特例が適用される。