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低炭素住宅認定制度
読み:ていたんそじゅうたくにんていせいど

二酸化炭素の排出の抑制に資する建築物(住宅以外の建築物も含む)を認定する制度。「都市の低炭素化の促進に関する法律」に基づく仕組みである。

認定されるのは、市街化区域等の区域内に建築される建築物である。認定は、(1)建築物の新改築等(空気調和設備等の設置を含む)をする者が、建築物の構造、設備、用途などを記載した「低炭素建築物新築等計画」を作成して行政庁に認定を申請し、(2)行政庁は、申請に係る計画が認定基準に適合するときには、認定して申請者に通知する、という方法で実施される。

認定基準は、次の2項目である。

1)外皮の断熱性能が省エネルギー法に基づく省エネルギー誘導基準と同等以上であり、かつ、一次エネルギー消費量が省エネルギー基準に比べて一定割合少ないこと

2)低炭素化に資する一定の措置(節水対策、エネルギーマネジメント、ヒートアイランド対策、躯体の低炭素化、再生可能エネルギーの導入に関する事項のうち一定のもの)が講じられていること

認定された低炭素住宅(認定低炭素住宅)の新築等に対しては、税制上の優遇措置(住宅ローン減税の上乗せ、性能強化費用の一部についての所得税額の特別控除、登録免許税等の軽減)や容積率の特例が適用される。

市街化区域

都市計画によって定められた、すでに市街地を形成している区域およびおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域をいう。 一定の都市計画区域について、都道府県知事が区域区分を決定することによって定まる。 市街化区域内では、必ず用途地域が指定されている。

建築

「建築物を新築し、増築し、改築し、または移転すること」と定義されている(建築基準法第2条第13号)。

外皮熱性能

建築物のエネルギー消費性能を評価するときの評価指標のひとつで、室内外の温度差による熱損失量をいう。この数値が小さいほど省エネの程度は大きい。 非住宅建築物については、屋内周囲空間(外気に接する壁から5m以内の屋内空間、屋根直下階の屋内空間および外気に接する床直上の屋内空間、「ペリメータゾーン」という)の単位ペリメータゾーン床面積当たり年間熱負荷(単位は、メガジュール/平方メートル・年、「PAL*」という)を算定する。これを基準として用いる場合には、用途および地域区分に応じて基準とする数値を調整する。 住宅については、外壁や窓の外皮平均熱貫流率(外皮面積・単位温度当たりの熱損失量で、単位は、ワット/平方メートル・度、「UA値」という)および冷房期(一日の最高気温が32度以上となる期間)の平均日射熱取得率(単位外皮面積当たりの日射量に対する日射熱取得量の割合で、「ηA値」という)を算定する。これを基準として用いる場合には、地域の区分に応じて基準とする数値を調整する。 その具体的な算定方法は、国土交通大臣が定めるとされている。 なお、エネルギー消費性能の基準として外皮熱性能が用いられるのは、(1)住宅に関する省エネ基準、および、(2)全ての建物に関する誘導基準においてである。

一次エネルギー消費量

建築物のエネルギー消費性能を評価するときの評価指標のひとつで、建物の利用に伴う直接的なエネルギー消費量(エネルギー利用の効率化設備によるエネルギー消費削減量を含む)をいう。この数値が小さいほど省エネの程度は大きい。 非住宅建築物については、空気調和設備、空調設備以外の機械換気設備、照明設備、給湯設備、エレベーター、その他の一次エネルギー消費量を合計し、エネルギー利用の効率化設備によるエネルギー消費削減量を減じた消費量を算定する。 住宅については、暖房設備、冷房設備、機械換気設備、照明設備、給湯設備、その他の一次エネルギー消費量を合計し、エネルギー利用の効率化設備によるエネルギー消費削減量を減じた消費量を算定する。 その具体的な算定方法は、国土交通大臣が定めることとされているが、いずれも、一年当たりのエネルギー量(メガジュール/年)で表される。 省エネの程度を評価する場合の一次エネルギー消費量は、省エネ基準を1とすれば、誘導基準は、非住宅建築物については0.8倍、住宅については0.9倍、住宅トップランナー基準は0.85倍(建売戸建住宅)の水準に設定されている。

低炭素化(都市の~)

都市活動に伴う温室効果ガス(主として二酸化炭素)の排出を抑制する取り組みをいう。 住宅の環境性能向上などの単体対策のみでなく、都市に関する諸施策を総合的に推進することに特徴がある。 国土交通省は、2010(平成22)年8月に都市の低炭素化を進めるための手引きとして、「低炭素都市づくりガイドライン」を策定・公表。この「低炭素都市づくりガイドライン」は、2012(平成24)年の「都市の低炭素化の促進に関する法律」施行にあわせた「都市の低炭素化の促進に関する基本的な方針」および「低炭素まちづくり計画作成マニュアル」の策定を受け「低炭素まちづくり実践ハンドブック」として、その内容を再構成した。そこでは次のような方針が示されている。 1.コンパクトな都市構造の実現と交通対策 ・集約型都市構造の実現(集約拠点への公共施設・サービス施設等の立地および居住の誘導など) ・交通流対策の推進(交通需要マネジメントなど) ・公共交通機関の利用促進(公共交通機関の整備およびサービスの改善) 2.エネルギーの効率的な利用と未利用・再生可能エネルギーの活用 ・低炭素に寄与する省エネルギー建物への更新(集約化による建物更新の機会を捉えたエネルギー利用の効率化など) ・エネルギーの面的活用(一体的な土地利用更新の契機等を捉えた面的エネルギーシステムの導入) ・未利用・再生可能エネルギーの活用(未利用エネルギーの賦存量と需要の調整など) 3.緑地の保全と都市緑化の推進 ・吸収源の確保(緑地の保全・創出など) ・木質バイオマス利用の推進(緑地の保全・管理+市街地での木質バイオマス利用) ・ヒートアイランド対策による熱環境改善(多様なスケールに応じたヒートアイランド対策の連携)

躯体

建物の構造をかたちづくる部材の集まり(構造体)の総称。基礎、柱、梁、壁面、床などで構成され、建物に加わる力を支える役割を担っている。 躯体は、構造体の主要材料に応じて、木造、ブロック造、鉄筋コンクリート造(RC造)、鉄骨造(S造)、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)などに区分される。

再生可能エネルギー

短期間に再生し、あるいは消滅しない燃料源から取り出されるエネルギーをいう。 そのような燃料源として、太陽光、風、流水、植物・バイオマス、地熱などがある。 一般に、再生可能エネルギーは資源としての持続性に優れ、また、その発生に伴う環境への影響も小さいと考えられている。そのため、気候変動への対応や安定的なエネルギー資源の確保のために、再生可能エネルギーの開発・活用が推進されている。 なお、再生エネルギーの燃料源はさまざまであるが、通常は、電力の形で取り出されている。

登録免許税の軽減措置(住宅の建物部分)

住宅の建物部分に係る登記に対する登録免許税率の軽減措置。 次の要件を満たす住宅の建物部分についての登録免許税率が次のように軽減されている。 ・要件 1)自己の居住用であること 2)住宅の建物部分の登記簿上の床面積が50平方メートル以上であること 3)新耐震基準に適合している住宅であること(登記簿上の建築日が昭和57年1月1日以降の家屋については新耐震基準に適合しているとみなす) ・登録免許税率 1)所有権の保存登記…建物価額の0.15%(本則は0.4%) 2)所有権の移転登記…建物価額の0.3%(本則は2%) 3)抵当権の設定登記…債権金額の0.1%(本則は0.4%) また、認定長期優良住宅および認定低炭素住宅の所有権の保存登記等、特定の増改築等がされた住宅用家屋の所有権の移転登記については、さらに低い税率が適用される。 ただし、これらの特例の適用については期限が定められているので、具体的な期限について確認が必要である。

容積率

延べ面積を敷地面積で割った値のこと。 例えば、敷地面積が100平方メートル、その敷地上にある住宅の延べ面積が90平方メートルならば、この住宅の容積率は90%ということになる。 建物の容積率の限度は、原則的には用途地域ごとに、都市計画によってあらかじめ指定されている。 さらに、前面道路の幅が狭い等の場合には、指定された容積率を使い切ることができないケースもあるので、注意が必要である。