三井住友トラスト不動産

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退去費用
読み:たいきょひよう

賃貸住宅から退去する時に、借主が貸主に支払う費用。

賃借人は、民法の規定によって、賃貸借が終了したときには、賃借物の使用によって生じた損傷(通常の使用収益によって生じた損耗及び経年変化を除く)を原状に復する義務(原状回復義務)を負うが、退去費用はその義務を履行するために支払う金銭である。

従って退去費用は、現状回復費用と同じで、「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧するための費用」(国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」)である。

また、賃借するときに敷金を預けている場合は、原則として敷金を退去費用に充当し、差額が返還・徴収される。

貸主

不動産の賃貸借契約において、不動産を貸す人(または法人)を「貸主」という。 不動産取引においては、取引態様の一つとして「貸主」という用語が使用される。 この取引態様としての「貸主」とは、「賃貸される不動産の所有者」または「不動産を転貸する権限を有する者」のことである。  貸主は宅地建物取引業免許を取得している場合もあれば、そうでない場合もある。  なお、不動産を賃貸することのみを業として行なう場合には、 宅地建物取引業の免許を得る必要はない。

賃貸借

ある目的物を有償で使用収益させること、あるいはそれを約する契約をいう(賃貸借契約)。 賃貸借契約の締結によって、貸主(賃貸人)は目的物を使用収益させること、目的物を修繕すること等の債務を、借主(賃借人)は賃料を支払うこと、目的物を返還する際に原状回復すること等の債務をそれぞれ負うことになる(従って双務契約である)。 民法では、あらゆる賃貸借契約について、 1.契約期間は最長でも20年を超えることができない、2.存続期間の定めがない場合にはいつでも解約の申し出ができる、3.賃貸人の承諾がない限り賃借人は賃借権の譲渡・転貸ができない、4.目的物が不動産の場合には賃借人は登記がない限り第三者に対抗できない(賃貸人には登記義務がないとされるから結果として賃借人は対抗力を持つことができないこととなる) 等と規定している。 しかしながら、不動産の賃貸借は通常は長期にわたり、また、居住の安定を確保するために賃借人を保護すべしという社会的な要請も強い。そこで、不動産の賃貸借については、民法の一般原則をそのまま適用せず、その特例として、 1.契約期間を延長し借地については最低30年とする、2.契約の更新を拒絶するには正当事由を必要とする、3.裁判所の許可による賃借権の譲渡を可能にする、4.登記がない場合にも一定の要件のもとで対抗力を認める 等の規定を適用することとされている(借地借家法。なお、契約期間等については、定期借地権など特別の契約について例外がある)。

使用収益

私法上の概念で、物を直接に利活用して利益・利便を得ることをいう。 使用収益するためには、その物を直接に支配する権利(物権)が必要である。

原状回復義務

賃貸借契約の終了時に、賃借物(たとえば賃貸住宅)を借りてから生じた損傷を回復する義務。原状回復義務は賃借人が負う。 賃借人は、通常の使用収益によって生じた損耗及び賃借物の経年変化については、回復する義務はない。損傷が賃借人の責めに帰すことができない事由によるときにもそれを回復する義務を免れる。 なお、賃貸人は、賃貸物の使用収益に必要な修繕(たとえば賃貸住宅の維持補修)をする義務を負っている。また、賃貸借契約の終了時に、受け取った敷金(賃貸借に基づいて生じた賃借人の債務額を控除した残額)を返還する義務がある。

善管注意義務

取引上において一般的・客観的に要求される程度の注意をしなければならないという注意義務のこと。 すべての取引においてこの注意義務が要求されるものではなく、この注意義務が要求される取引の種類は限られている。 1.善管注意義務の意味 善管注意義務とは、正確には「善良なる管理者の注意義務」のことであり、民法第400条の条文に由来する。 民法第400条では、特定物(中古車・美術品・建物のようにその物の個性に着目して取引される物のこと)の引渡しの義務を負う者は、その引渡しが完了するまでは、その特定物を「善良なる管理者の注意義務」をもって保存しなければならない、と定めている。 この民法第400条の趣旨は、例えば美術品の売買契約が成立した場合に、契約成立後から美術品の引渡しまでの期間においては、美術品の売主は、一般的・客観的に要求される程度の注意義務(すなわち善管注意義務)をもって保管しておかなければならない、ということである。 従って、契約成立後から美術品の引渡しまでの期間に、何らかの事情で美術品が破損したとすると、売主が一般的・客観的に要求される程度の注意義務(善管注意義務)を果たしていたかどうかが問題となる。善管注意義務を果たしていたのであれば、売主には過失がないことになるので、売主には債務不履行責任(民法第415条の責任)は発生しないことになり、破損による損失は危険負担(民法第534条)として処理されることになる。 このように善管注意義務は、その義務を果たしていれば、債務者が責任を回避できるという点に実益がある。 2.善管注意義務が要求される場面 民法第400条では、特定物の引渡し前に善管注意義務が要求されると規定するが、これ以外にもさまざまな民法の条文で善管注意義務が要求されている。 具体的には、「留置権にもとづいて物を占有する者(民法第298条第1項)」「質権にもとづいて物を占有する者(民法第350条)」「委任契約の受任者(民法第644条)」などである。 3.善管注意義務よりも軽い注意義務 民法では、善管注意義務よりも軽い注意義務を要求する場合がいくつかある。 例えば、無報酬で物の保管を引き受けた者(受寄者という)は、その物の保管について「自己の財産におけると同一の注意をなす義務」を負う(民法第659条)。 また、親権者は子の財産を管理するにあたっては、「自己のためにすると同一の注意をなす義務」を負う(民法第827条)。 このように「自己の財産におけると同一の注意をなす義務」「自己のためにすると同一の注意をなす義務」と表現するのは、いずれも注意義務の程度が「善管注意義務」に比べて軽いということを意味している。 従って、例えば無報酬の受寄者が保管していた物を、その受寄者の不注意によって破損した場合には、受寄者の注意義務は軽いので、重大な不注意(すなわち重過失)があるときだけ、受寄者は損害賠償責任を負う。逆に、軽い不注意(すなわち軽過失)であるならば、受寄者は損害賠償責任を負わない。

敷金

建物の賃貸借契約を新規に締結する際に、借主から貸主に対して、次のような目的のために預けられる金銭。 1.賃料の不払い・未払いに対する担保 2.契約により借主が負担すべき修繕費用や原状回復費用の前払い 将来契約が終了した場合には、上記1.や2.の金額を控除した残額が、借主に対して退去後に返還される。なお、関西等では「敷引」の慣行がある。