粘土を整形し焼き固めた屋根葺き材。
瓦の形状は、屋根の部位等に応じて多様である。例えば、平面を葺く厚板状の平瓦は、穏やかな曲線形の和瓦(J形瓦)、平らな平板瓦(F形瓦)、波打つS形瓦に大別される。
瓦の素材はもともと粘土であるが(粘土瓦、本瓦とも言われる)、陶器製のもの(陶器瓦)、プレスセメント製のもの(厚形スレート)、金属製のもの(金属瓦)なども用いられている。
瓦は、耐久性や防音性に優れるが、建物の上部が重くなるため、構造上の対応が必要である。また、耐震性・耐風性を確保するため、すべての瓦を確実に緊結しなければならない。
屋根
建物の上部に設ける覆い。屋根は、雨露、風雪、寒暑を防ぐために設けられ、建築構造の一部となる。
屋根のかたちには、二つの面が棟で山型に合わさる「切妻屋根」、山型の二面とその両端を斜めに切る二面で構成する「寄棟屋根」、傾斜した四つの面が頂点で合わさる「方形屋根(ほうぎょうやね)」、一つの傾斜面の「片流れ屋根」、水平面の「陸屋根(ろくやね)」、切妻屋根の両端に傾斜面を付加した「入母屋屋根(いりもややね)」などがある。
屋根材としては、粘土瓦、セメント瓦(プレスセメント瓦、コンクリート瓦)、スレート(化粧スレート、天然スレート)、金属(銅、トタン、ガルバリウム鋼板等)が用いられるほか、陸屋根の屋根材には、アスファルト、モルタル、防水シート等の防水材が使用される。また、古民家のなかには茅や藁を用いるものもある。
なお、屋根を仕上げることを「葺く」といい、屋根を「瓦葺」「スレート葺」「茅葺」などに分ける場合もある。