他者が所有する森林について、その経営管理(伐採・販売・造林・保育)を市町村の委託を受けて実施する権利。森林経営管理法に基づいて設定される。
市町村は、一定の森林について、森林の所有者自らが森林の経営管理を実施できない場合には、森林の経営管理を受託できる権利(経営管理権)を取得することができる。このとき、市町村は、森林管理権を設定した森林のうち林業経営に適した森林については、その経営管理を林業経営者に再委託できる。この再委託によって森林の経営管理を実施する権利が「経営管理実施権」である。
経営管理実施権は、設定を希望する民間事業者(一定の要件を満たす者)を公募し、審査・選定した民間事業者に対して設定される。
設定された経営管理実施権は、権利設定後にその森林の所有者となった者に対しても効力がある。宅地建物取引業者は、取引や取引の代理・媒介に当たって、その旨を重要事項として説明しなければならない。
経営管理権(森林の〜)
市町村が、森林所有者の委託によって森林を経営管理(伐採・販売・造林・保育)する権利。森林経営管理法に基づいて市町村が設定する。
経営管理権の設定対象となる森林は、水源涵養機能、木材生産機能、生物多様性保全機能等の森林の多面的機能の発揮のために間伐等の施業を実施すべきにもかかわらず、長期間にわたって施業が実施されていない森林である。
経営管理権の設定は、市町村が、森林所有者の意向・申出に基づいて「経営管理権集積計画」を作成し、森林所有者及び関係権利者の同意を得て行なう。そして、経営管理権が設定された森林の所有者は、その経営管理を市町村に委託することとなる。
設定された経営管理権は、権利設定後にその森林の所有者となった者に対しても効力がある。宅地建物取引業者は、取引や取引の代理・媒介に当たって、その旨を重要事項として説明しなければならない。
なお、経営管理権が設定された森林のうち林業経営に適した森林については、市町村は、その経営管理を林業経営者に再委託できるが、再委託によって経営管理する権利が「経営管理実施権」である。