三井住友トラスト不動産

用語集からキーワードを検索する
成年後見制度
読み:せいねんこうけんせいど

精神上の障害(認知症・知的障害・精神障害など)によって判断能力が不十分な成年について、その行為を支援するための制度。

成年後見制度には、(1)家庭裁判所が選任する成年後見人・成年保佐人・成年補助人が、本人を法律的に支援する「法定後見制度」と、(2)あらかじめ後見人となる者や将来委任する事務の内容を定める契約(任意後見契約)を締結し、本人の判断能力が不十分になった後にその後見人が定められた事務を本人に代わって行なう「任意後見制度」がある。

法定後見制度による支援は、障害の程度に応じて次の3種類がある。

(1)後見:判断能力が欠けているのが通常の状態の者を対象に、成年後見人が財産管理に関するすべての法律行為を代理し、成年被後見人の法律行為は日常生活に関する行為を除き取り消すことのできる制度

(2)保佐:判断能力が著しく不十分な者を対象に、一定の行為(借財、不動産等の権利の得喪、新築改築など)について成年保佐人の同意を必要とし、同意のない成年被保佐人の行為を取り消すことのできる制度

(3)補助:判断能力が不十分な者を対象に、家庭裁判所が定める特定の法律行為について成年補助人の同意を必要とし、同意のない成年被補助人の行為を取り消すことのできる制度

不動産の取引は、成年後見人が代理し、または成年保佐人の同意が必要な行為とされている。成年補助人の同意が必要な行為に定められる場合も多い。また、成年後見人が代理して、成年被後見人が居住の用に供する建物敷地について、売却、賃貸、賃貸借の解除等の処分をするときには、家庭裁判所の許可が必要である。

なお、法定後見制度による後見、保佐、補助や、任意後見契約については、その内容を登記することができる。

 

成年

民法上、満20歳に達したことをいう。ただし、2022年4月1日からは「満18歳」に達したときに改正される。成年に達していないものを「未成年者」という。 成年に達するのは、20回目の誕生日の前日が終了した時点である(年齢計算に関する法律)。 成年に達すると、一人で有効な契約を締結することができ、親権に服することもなくなる。一方、成年年齢が満18歳に改正されたのちも、喫煙年齢、飲酒年齢などは満20歳のままである。 なお、2022年3月31日までは、満20歳に満たない者であっても、結婚をすることにより成年に達したものとみなされる(成年擬制)。

成年後見人

成年被後見人を保護・支援するために、家庭裁判所が職権で選任する後見人のこと(民法843条)。成年後見人は、成年被後見人の財産を管理し、法律行為について成年被後見人を代理する権限を持つ(民法859条)。 成年後見人は、成年後見制度によって成年被後見人に付される法的な機関で、成年被後見人を代理して行う行為は広範である。ただし、成年被後見人が居住の用に供する建物・敷地について、売却、賃貸、賃貸借の解除等の処分を代理するときには、家庭裁判所の許可が必要である(民法859条の3)。  

保佐人

被保佐人に対して、保佐開始の審判のときに、家庭裁判所が職権で選任する保佐人のことである(民法876の2条)。 保佐とは「たすける」という意味である。 保佐人は、重要な財産行為について同意する権限を持つ(民法12条)。

補助人

被補助人に対して、補助開始の審判のときに、家庭裁判所が職権で選任する補助人のことである(民法876の7条)。 補助人は、家庭裁判所が必要と判断した場合には、特定の重要な財産行為について同意する権限を持ち、代理する権限を持つ(民法16・120条・876条の9)。

契約

対立する2個以上の意思表示の合致によって成立する法律行為のこと。 具体的には、売買契約、賃貸借契約、請負契約などのように、一方が申し込み、他方が承諾するという関係にある法律行為である。

法律行為

法律関係を変動させようとする意思にもとづく行為のこと。 具体的には、契約、単独行為、合同行為が法律行為である。 なお、意思表示は法律行為の主要な要素であるとされている。

成年被後見人

精神上の障害があるために、後見人を付けられた者のこと。 精神上の障害により物事を判断する能力が欠如した状態にある者について、家庭裁判所は、本人・配偶者・親族などの請求にもとづいて審判を行ない、「後見開始」の決定をし、「後見人」を職権で選任する(民法第7条、第843条)。 こうした手続きにより後見人を付けられた者のことを「成年被後見人」と呼ぶ。 また、成年被後見人に付けられる後見人は「成年後見人」と呼ばれる。この「成年被後見人」の制度は、2000(平成12)年の民法改正によって創設されたもので、それ以前は「禁治産者」という名称であった。 成年被後見人は法律行為を有効に行なうことができないものとされているので、どんな法律行為でも原則的に後で取り消すことが可能である(ただし日用品の購入などは有効に自分で行なうことができる)(民法第9条)。 従って、成年被後見人との契約を行なうには、その成年後見人を代理人として契約を行なうべきである(民法第859条)。

不動産

不動産とは「土地及びその定着物」のことである(民法第86条第1項)。 定着物とは、土地の上に定着した物であり、具体的には、建物、樹木、移動困難な庭石などである。また土砂は土地そのものである。

新築

建物を新たに建築することをいう。これに対して、従来の建物を建て直すことを「改築」という。両者を併せて「新改築」ということもある。 法令上は、一般的に、新築と改築とで取扱いが異なることはないが、新築の場合は敷地の整備を伴うことが通例であるのに対して、改築の場合は敷地整備を行わないことが多い。

改築

建築物の全部もしくは一部を除却すると同時に、これと同様の規模・構造の建築物を建てることをいう。 建築基準法では、改築も「建築」の一種とされており(建築基準法第2条第13号)、改築についても建築確認を申請する必要がある(建築基準法第6条)。

被保佐人

精神上の障害があるために、保佐人を付けられた者のこと。 保佐とは「たすける」という意味である。 精神上の障害により物事を判断する能力が著しく不十分である者について、家庭裁判所は、本人・配偶者・親族などの請求に基づいて審判を行ない、「保佐開始」の決定をし、「保佐人」を職権で選任する(民法第11条、第876条の2)。 こうした手続きにより保佐人を付けられた者のことを「被保佐人」と呼ぶ。 この「被保佐人」の制度は、2000(平成12)年の民法改正によって創設されたもので、それ以前は「準禁治産者」という名称であった。 被保佐人は、財産に関わる重要な法律行為(不動産売買や不動産賃貸借など)を自分だけでは有効に行なうことができない。 こうした重要な法律行為を行なうには保佐人の同意が必要であり、もし保佐人の同意を得ないで重要な法律行為を行なった場合には、後でその法律行為を取り消すことが可能である。 ただし重要でない法律行為や、日用品の購入などは有効に自分だけで行なうことができる(民法第12条)。 従って、被保佐人との契約を行なうには、その保佐人の同意を必ず取得するべきである。

被補助人

精神上の障害があるために、補助人を付けられた者のこと。 精神上の障害により物事を判断する能力が不十分である者について、家庭裁判所は、本人・配偶者・親族などの請求に基づいて審判を行ない、「補助開始」の決定をし、「補助人」を職権で選任する(民法第14条、第876条の7)。 こうした手続きにより補助人を付けられた者のことを「被補助人」と呼ぶ。 この「被補助人」の制度は、精神上の障害の程度が軽微な人について、法律行為を円滑に行なうことができるように、2000(平成12)年の民法改正によって創設された制度である。 被補助人は、精神上の障害の程度が軽微であるので、重要な法律行為であっても基本的には単独で有効に行なうことができるが、家庭裁判所が必要と判断した場合には、特定の重要な法律行為について、補助人の同意が必要とされたり、補助人が法律行為を代理する場合がある(民法第16条、第876条の9)。 どのような法律行為について「同意」や「代理」を必要とするかは、本人、配偶者、親族などの請求によって家庭裁判所が審判する(民法第16条、第876条の9)。 従って、被補助人との契約を行なうには、その補助人と事前に協議するべきである。

建物

民法では、土地の上に定着した物(定着物)であって、建物として使用が可能な物のことを「建物」という。 具体的には、建築中の建物は原則的に民法上の「建物」とは呼べないが、建物の使用目的から見て使用に適する構造部分を具備する程度になれば、建築途中であっても民法上の「建物」となり、不動産登記が可能になる。

敷地

建築物のある土地のことを「敷地」という。 なお、同一の敷地の上に2つの建築物がある場合には、建築基準法では、2つの建築物が用途上分けられないときは、同一敷地にあるものとみなすことになっている(建築基準法施行令1条)。 例えば、ある人の所有地の上に「住宅」と「物置」が別々に建っている場合は、この2つは用途上不可分であるので、別々の敷地上に建てたと主張することはできない、ということである。 ところで、建築基準法では「敷地」が衛生的で安全であるように、次のようなルールを設定しているので注意したい(建築基準法19条)。 1.敷地は、道より高くなければならない(ただし排水や防湿の措置を取れば可) 2.敷地が、湿潤な土地や出水の多い土地であるときは、盛り土や地盤の改良を行なう。 3.敷地には、雨水と汚水を外部に排出する仕組み(下水道など)をしなければならない。 4.崖崩れの被害にあう恐れがあるときは、擁壁(ようへき)の設置などをしなければならない。

賃貸借

ある目的物を有償で使用収益させること、あるいはそれを約する契約をいう(賃貸借契約)。 賃貸借契約の締結によって、貸主(賃貸人)は目的物を使用収益させること、目的物を修繕すること等の債務を、借主(賃借人)は賃料を支払うこと、目的物を返還する際に原状回復すること等の債務をそれぞれ負うことになる(従って双務契約である)。 民法では、あらゆる賃貸借契約について、 1.契約期間は最長でも20年を超えることができない、2.存続期間の定めがない場合にはいつでも解約の申し出ができる、3.賃貸人の承諾がない限り賃借人は賃借権の譲渡・転貸ができない、4.目的物が不動産の場合には賃借人は登記がない限り第三者に対抗できない(賃貸人には登記義務がないとされるから結果として賃借人は対抗力を持つことができないこととなる) 等と規定している。 しかしながら、不動産の賃貸借は通常は長期にわたり、また、居住の安定を確保するために賃借人を保護すべしという社会的な要請も強い。そこで、不動産の賃貸借については、民法の一般原則をそのまま適用せず、その特例として、 1.契約期間を延長し借地については最低30年とする、2.契約の更新を拒絶するには正当事由を必要とする、3.裁判所の許可による賃借権の譲渡を可能にする、4.登記がない場合にも一定の要件のもとで対抗力を認める 等の規定を適用することとされている(借地借家法。なお、契約期間等については、定期借地権など特別の契約について例外がある)。