建設業を営むために必要な許可。建設業法による制度である。
建設業許可は、営む工事の種類ごとに得なければならない。工事の種類は、土木一式工事、建築一式工事、大工工事、左官工事、とび・土工・コンクリート工事など、29種類に分類されている。許可の期間は5年間で、引き続き営業するためには期間の更新が必要である。
また、発注者から直接請け負う工事の全部又は一部を下請業者に施工させる建設業者は、工事1件当たりの下請代金が4,000万円以上、建築工事については6,000万円以上の場合には「特定建設業」の許可を、それ以外の者は「一般建設業」の許可を得ることとされている。
許可は、2以上の都道府県の区域内に営業所を設けて営業する場合は国土交通大臣、1つの都道府県の区域内にのみ営業所を設けて営業する場合には当該営業所の所在地を管轄する都道府県知事が行なう。
許可を得た建設業者は、請負契約に関する規律に従い、元請人の義務を果たし、施工技術を確保し、経営事項の審査を受けるなど、法律に定められた規定に従って営業しなければならない。
請負契約
当事者の一方がある仕事を完成することを、相手方がその仕事の結果に対して報酬を支払うことをそれぞれ約束する契約。例えば、住宅の建築工事、洋服の仕立て、物品の運搬などの契約がこれに該当する。 請負契約の目的は、仕事の完成であって労務の供給ではないから、仕事の目的物が定まっていて、通常は、目的物を引き渡すことで仕事が完成する。 請負契約については民法に一般的な規定がある。また、たとえば建設工事の契約に関しては建設業法、運送契約については商法等のような特別法の適用がある。 民法は、 1)請負契約による報酬は目的物の引渡しと同時に支払わなければならないこと 2)引き渡した目的物が契約不適合の場合には、注文者は、補修等の追完請求、報酬減額請求、損害賠償請求、契約解除をすることができること(ただし、注文者の供した材料の性質又は注文者の与えた指図等によって生じた不適合を理由にすることはできない。ただし、請負人がその材料又は指図が不適当であることを知りながら告げなかったときは、この限りでない。) 3)契約不適合による請求等をするためには、原則として、不適合を知った時から一年以内にその事実を通知しなければならないこと 4)請負人が仕事を完成しない間は、注文者はいつでも損害を賠償して契約を解除できること などを定めている。 なお、民法には、請負人の担保責任の存続期間について特別の定めがあったが、民法(債権関係)改正(施行は2020年4月1日から)によって削除された。ただし、住宅の新築工事の請負に関しては、特定の部位についての契約不適合責任の存続期間は10年とされている(住宅の品質確保の促進等に関する法律)。