中央省庁のひとつで、地球環境の保全、公害の防止、自然環境の保護などを任務とする組織。廃棄物処理や原子力の安全確保に関する行政も所管している。
前身は、1971年に公害防止行政を一体的に担うために設置された環境庁である。その後、2001年に廃棄物行政を加えて環境省が発足した。さらに、地球環境問題への対応や原子力災害の防止のための業務を加えて現在に至っている。
省エネルギーの推進、循環型社会の形成などのための事業に対する支援も行なっていて、たとえばエコハウスモデル事業への補助金交付もそのひとつである。
循環型社会
資源を効率的に循環させながら利用することによって、資源消費の抑制と環境負荷の低減を図ることのできる社会をいう。
「循環型社会形成推進基本法」では、これを「製品等が廃棄物等となることが抑制され、並びに製品等が循環資源となった場合においてはこれについて適正に循環的な利用が行われることが促進され、及び循環的な利用が行われない循環資源については適正な処分が確保され、もって天然資源の消費を抑制し、環境への負荷ができる限り低減される社会」であると定義している。
循環型社会を形成するための基本的な原則は、「発生抑制」(リデュース)、「再使用」(リユース)、「再生利用」(マテリアルリサイクル)、「熱回収」(サーマルリサイクル)、「適正処分」をこの順に実施することであるとされる。
また、製品の生産者の責任を製品のライフサイクルの最終段階にまで拡大すること(拡大生産者責任)も大事である。
容器包装、家電、建設廃棄物、自動車などのリサイクルは法律によって義務付けられているが、これらはいずれも循環型社会を形成するための施策の一環である。
エコハウス
環境への負荷を抑えるための対策を講じた住宅のこと。
対策の目標は、省エネルギーや再生可能エネルギーの使用、資源の再利用、廃棄物の削減などであり、具体的には、屋上緑化や雨水の再利用、太陽光・風力エネルギーの利用、ゴミの減量などが実施される。
その基準として、例えば(一財)建築環境・省エネルギー機構が定めた「環境共生住宅認定基準」があるが、この基準では、環境負荷の抑制だけでなく、バリアフリー化や室内の空気質の維持(シックハウス対策)なども要求されている。