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地域循環共生圏
読み:ちいきじゅんかんきょうせいけん

廃棄物等を含む資源が循環し、低炭素社会・自然共生社会を構築することのできる地理的な範囲。

循環型社会の形成において、地域の特性や循環資源の性質に応じて最適な規模の循環を形成する「地域循環圏」と、低炭素型で自然と共生する社会圏域とを重ね、結びつけたものである。さらに、地域循環共生圏の構築は、SDGs(持続可能な開発目標)のゴールのひとつである「持続可能な消費と生産」の実現にも資すると考えられている。

低炭素社会

温室効果ガスの排出量を自然が吸収できる範囲にとどめること(カーボンニュートラル)のできる社会をいう。 ただしこれは究極的な目標であり、低炭素社会という言葉は、それに向けて取り組むことに重点を置いて使われることが多い。 低炭素社会を実現するためには、 1.社会のあらゆるセクターが温室効果ガスの排出を最小化すること(カーボンミニマムの実現) 2.生活の豊かさの志向を大量消費から生活の質の向上に変革すること(消費者選択の変革) 3.自然環境を保全・再生して地球生態系の安定を確保すること(自然との共生)が必要であると考えられている。 スマートシティ・スマートコミュニティの整備や低炭素まちづくり計画の策定などは、いずれも低炭素社会に向けた取り組みの一環である。

循環型社会

資源を効率的に循環させながら利用することによって、資源消費の抑制と環境負荷の低減を図ることのできる社会をいう。 「循環型社会形成推進基本法」では、これを「製品等が廃棄物等となることが抑制され、並びに製品等が循環資源となった場合においてはこれについて適正に循環的な利用が行われることが促進され、及び循環的な利用が行われない循環資源については適正な処分が確保され、もって天然資源の消費を抑制し、環境への負荷ができる限り低減される社会」であると定義している。 循環型社会を形成するための基本的な原則は、「発生抑制」(リデュース)、「再使用」(リユース)、「再生利用」(マテリアルリサイクル)、「熱回収」(サーマルリサイクル)、「適正処分」をこの順に実施することであるとされる。 また、製品の生産者の責任を製品のライフサイクルの最終段階にまで拡大すること(拡大生産者責任)も大事である。 容器包装、家電、建設廃棄物、自動車などのリサイクルは法律によって義務付けられているが、これらはいずれも循環型社会を形成するための施策の一環である。

SDGs

国連が定めた世界が共通に達成すべき目標。SDGsは、英語のSustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略語である。2015年から2030年までの長期的な開発の指針として、2015年9月に国連で開かれたサミットで採択された。 持続可能な開発とは、「将来の世代がそのニーズを充足する能力を損なわずに、現世代のニーズを充足する開発」である。そのための目標群がSDGsで、「貧困に終止符を打つため、経済成長を促し、教育、健康、社会的保護、雇用機会を含む幅広い社会的ニーズを充足しながら、気候変動と環境保護に取り組む」ための17の目標(ゴール)で構成されている。目標は、人間・豊かさ・地球・平和・パートナーシップという広い分野にわたって設定されていて、その達成のためには、経済成長、社会的包摂、環境保護を調和させる必要があるとしている。 また、SDGs の17の目標については、その達成を具体的に評価する全部で169のターゲット(具体目標)が定められている。たとえば最初に掲げられた目標「すべての場所におけるあらゆるかたちの貧困を終わりにする」(目標1)については、「2030年までに、すべての場所において、1日1.25ドル未満で生活する極貧の人々をなくする」(ターゲット1.1)など7つのターゲットがある。  

持続可能性

人間活動が将来にわたって持続できるかどうかという概念であるが、特に、地球環境問題に対応する上での目標として用いられることが多い。 地球環境問題への対応として持続可能性を確保しなければならないという考え方は、1987年に国連の「環境と開発に関する世界委員会(World Commission on Environment and Development)」が公表した報告書 『Our Common Future』(委員長の名を冠して『 Brundtland Report (ブルントラント レポート)』ともいわれる)において提案された。 それによると、持続可能性を確保するには、 1.開発に当たって貧困の克服と環境の保全を両立すること 2.将来世代の必要に応えるべく成長・開発を管理すること という2つの要請を満たさなければならないとする。 なお、持続可能性という言葉は、資源の枯渇に陥らない、核戦争などによる破滅を防ぐ、経済的な破綻をきたさない、などという意味で使われることがあり、多義的であることに注意しなければならない。