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気候変動適応
読み:きこうへんどうてきおう

地球温暖化など気候変動の影響に対処して、これによる被害の回避・軽減を図ることをいう。

気候変動への対応は、温室効果ガスの排出削減などによって変動を抑制するだけでなく、変動による影響に対処して被害を回避・軽減する必要がある。気候変動適応は、被害を回避・軽減するため、影響の程度等を予測し、リスクを評価し、リスクの低減や影響の緩和を図る取り組みである。

場所や状況に特有のものであり、あらゆる状況にわたって適切な単一のリスク低減手法は存在しないとされる。影響に対する脆弱性、影響の現れ方、開発等の社会経済的過程との関係などをもとに、各種の手法を重層的に進めるのが有効であると考えられている。


気候変動適応が必要な分野は、農林水産業、自然災害、水環境・水資源、自然生態系、健康、国民生活・都市生活と広範で、それぞれの分野の施策に気候変動適応を組み込む必要がある。また、地域の実情に応じて適応を進めることも大事である。

このような必要に応えるべく、「気候変動適応法」(2018(平成30)年制定)に基づき、環境大臣がおおむね5年ごとに気候変動影響評価を行なうほか、地域気候変動適応計画を策定し、これに基づいて適応策を実施することとされている。 

温室効果ガス

人為的に排出され、地球温暖化の原因となると考えられている化学物質をいう。 京都議定書で排出量の削減対象として指定されているのは、二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、亜酸化窒素(N2O)、ハイドロフルオロカーボン類(HFCS)、パーフルオロカーボン類(PFCS)、六フッ化硫黄(SF6)の6種類である(HFCS、PFCS、SF6を合わせてフッ素ガス類という)。 温室効果ガス排出の削減に当たって削減量を評価するときには、これら6種類のガスを、100年間にわたる温室効果の強さに応じて二酸化炭素に換算する。 その換算値(地球温暖化係数)は、二酸化炭素=1、メタン=25、亜酸化窒素=298、ハイドロフルオロカーボン類=124~1万4,800、パーフルオロカーボン類=7,390~1万2,200、六フッ化硫黄=2万2,800である。 換算評価すると、6種類の温室効果ガスの中で地球温暖化に対する寄与が最も大きいのは二酸化炭素である。 排出量のシェアは、二酸化炭素76.7%(うち56.6%分は化石燃料からの排出)、メタン14.3%、亜酸化窒素7.9%、フッ素ガス類1.1%である(2004年、IPCCによる)。 なお、気候に対する人為的な影響は、温室効果ガスの排出だけでなく、エアロゾル(粉じん)の排出や森林伐採などによっても生じる。