建物の主要な部分を木材とした建築構造のこと。
木造の工法は、大きく分けて「在来工法」「伝統工法」「枠組壁工法」に分類されている。
建物
民法では、土地の上に定着した物(定着物)であって、建物として使用が可能な物のことを「建物」という。
具体的には、建築中の建物は原則的に民法上の「建物」とは呼べないが、建物の使用目的から見て使用に適する構造部分を具備する程度になれば、建築途中であっても民法上の「建物」となり、不動産登記が可能になる。
建築構造
「荷重や外力に対抗するために必要な部分の組み合わせ」のことである。
端的にいえば、建築構造とは「建物の骨組」のこと。
在来工法
木造建築物の工法の一つ。
「在来工法」とは、「伝統工法」を母胎としながら、第二次大戦後の技術革新で新たに生まれた木造建築物の工法である。
この「在来工法」は、「木造軸組工法」「在来軸組工法」「在来木造」「木造軸組」などのさまざまな呼び方がされるが、その内容は基本的に同じである。
「在来工法」の特徴としては次のことが挙げられる。
1.鉄筋コンクリート製の「布基礎」(連続フーチング基礎)を採用し、土台と布基礎をアンカーボルトで緊結する
2.筋かいを入れて、プレート等で止めつけることにより、軸組全体を安定させる
3.壁材に構造用合板を採用する等により、壁に強度を与える
4.その他、材の接合部(仕口)に多様な金物を用いて、軸組全体を補強する
これらの工夫により、構造的に強い木造建築が初めて可能となった。
ちなみに建築基準法では、木造建築物についてさまざまなルールを設けているが、これらのルールの前提として想定されているのはこの「在来工法」である。
伝統工法
第二次大戦以前から行なわれてきた日本古来の工法のこと。現代では、この伝統工法による木造住宅は極めて少なくなりつつある。
伝統工法は、布基礎を用いないこと、筋かいではなく貫で壁の強度をつくること、柱をあらわにする「真壁(しんかべ)」を採用することなど、現代の一般的な木造住宅とは大きく異なる特徴を有している。
枠組壁工法
木材でつくった枠に、構造用合板等を釘で打ち付けて、壁・床・屋根を形成する工法。
壁そのものが垂直方向と水平方向の強度を持つ点に最大の特徴がある。
本来は北米で生まれた工法だが、わが国では1974(昭和49)年の建設省告示により自由に建築できるようになった。
「ツーバイフォー工法(2×4工法)」と呼ばれることもある。