企業活動の特定部分に着目し、仕組みを構築して行なう資金調達の方法。ストラクチャー(structure)は英語の「仕組み」を意味し、ストラクチャードファイナンスを「仕組み金融」ということもある。
明確な定義はないが、その特徴は、一般の借入れや増資によるファイナンスと違い、企業本体の信用力から保有資産や事業の価値を切り離して、それに基づいて資金を調達することである。従って、原則として個々の案件ごとに仕組みを構築するため、その手法は多様である。
主な手法としては、企業が保有する資産に着目した不動産の流動化・証券化、保有する債権に着目した債権流動化、特定の事業に着目したプロジェクトファイナンス、設備利用の形態に着目したリースファイナンスなどがある。
不動産の流動化
不動産の取引が容易になるように工夫する手法の一つで、
1.不動産の価値を物理的なモノから分離独立させること
2.取引の単位を細分化すること
を特徴とする。 その有力な方法が不動産の証券化(不動産の価値を有価証券に転嫁すること)であるが、それにとどまらず幅広い手法が工夫されている。
証券化(不動産の証券化)
不動産を流動化する手法の一つで、不動産をSPC等に譲渡し、または信託して、その不動産から得られるであろう収益を裏付けに、有価証券を発行する方法をいう。
証券化によって、不動産の価値が金融商品として取引されることになる。不動産のもとの所有者は、比較的少ないリスク負担で資金を調達できる一方、投資家にとっては不動産投資の機会が拡大する。
一口に証券化といっても、対象とする不動産の種類、証券を発行する主体の性格、発行する証券の性質などに応じて、用いられる手法は多様であり、金融商品としてのリスクとリターンの関係もさまざまである。また、証券を裏付けるのは不動産からの収益であるため、不動産の管理運営に関する情報公開や監視の仕組みが重要である。さらには、不動産の収益力を高めるための専門的な技術や技能を評価できる体制も整えていかなければならない。
債権
私法上の概念で、ある人(債権者)が、別のある人(債務者)に対して一定の給付を請求し、それを受領・保持することができる権利をいう。
財産権の一つであり、物権とともにその主要部分を構成する。