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定型約款
読み:ていけいやっかん

不特定多数の者を相手にする画一的な内容の取引において、特定の者が契約の内容としてあらかじめ準備する条項の総体をいう。たとえば、旅客運送約款、銀行取引約款、保険約款、電気供給約款などがこれに該当する。

これらの取引においては、不特定多数の者に対して個々の取引ごとに契約の内容について合意を得ることが困難で、また当時者の一方が特定の者であって契約内容が画一的であることから、不特定多数の者に対してあらかじめ準備した内容で契約するか否かのみについて意思決定を求め、合意を得るのが合理的であると考えられている。定型約款は、この場合の特定の者があらかじめ準備した契約内容である。

あらかじめ特定の者が準備し表示された定型約款に合意したときには、当事者は約款の個別条項についても合意したものとされる。ただし、定型約款のうち相手方の権利制限や義務加重を定める条項であって、信義誠実の原則に反して相手方の利益を一方的に害するものは、合意しなかったとみなされる。

また、定型約款を変更する場合に、その変更が相手方の一般的な利益に適合し、又は変更が契約目的に反せず合理性を有することなどの条件を満たす場合であって、変更に関して適切な方法で周知されたときには、変更について合意があったとみなされる。

このルールは、民法(債権関係)改正(施行は2020年4月1日から)によって明確化された。

契約

対立する2個以上の意思表示の合致によって成立する法律行為のこと。 具体的には、売買契約、賃貸借契約、請負契約などのように、一方が申し込み、他方が承諾するという関係にある法律行為である。