商業不動産について、価格動向を多面的に把握・分析する方法をいう。
商業不動産価格の動向は、金融やマクロ経済の動向と密接に関係し、金融・経済政策を適切に運営する上で欠かせない視点である。しかしながら、その動向には多様で複雑な要素が作用し、単純な指標で把握することは難しい。価格動向を的確に把握するには、賃料、不動産利回り、空室率などの各種指標を整備し、多面的に分析する必要がある。
カクテルアプローチは、その必要に応える方法であると考えられている。ただし、その方法が十分に確立しているわけではない。
賃料
賃貸借契約によって賃借人が支払う対価をいう。
特約がない限り後払いである。また、地代・家賃については、事情変更による増減請求権が認められている。 なお、借主が実質的に負担するのは、賃料に保証金、預かり金等の運用益を加えた額(実質賃料)である。また、共益費など賃料以外の負担を求められることも多い。
利回り
投資額に対する収益額の割合。
利回りを算定する投資の対象は、株式などの証券類、投資信託、不動産、金などの特定商品のほか、各種の金融商品である。また、算定する収益は、投資対象に応じて、利息、配当金、賃料、売却益などであるが、資産保有から得るインカムゲインに限定し、売買から得るキャピタルゲインは除外する場合も多い。算定期間は通常1年間で、「年利回り」ともいう。
不動産投資の利回りには、賃料収入をそのまま収益とする「表面利回り」と、維持経費を控除して収益を算定する「実質利回り」とがある。また、資産価値の算定に当たって、将来発生する収益額を現在価値に割り戻すときに用いる利率が「還元利回り」である。
なお、一般に、利回りが高い投資対象は、価格の変動性(ボラティリティ)が大きく、リスクも高いとされている(ハイリスク・ハイリターンの原則)。