一般的には、不動産の所有権などを登記する場合に、登記印紙によって納税する「登録免許税」のことを「登記料」と呼んでいる。
不動産登記手続を代行する司法書士に支払う報酬と、登録免許税との合計額を「登記料」と呼ぶこともある。
不動産
不動産とは「土地及びその定着物」のことである(民法第86条第1項)。
定着物とは、土地の上に定着した物であり、具体的には、建物、樹木、移動困難な庭石などである。また土砂は土地そのものである。
所有権
法令の制限内で自由にその所有物の使用、収益および処分をする権利をいう。
物を全面的に、排他的に支配する権利であって、時効により消滅することはない。その円満な行使が妨げられたときには、返還、妨害排除、妨害予防などの請求をすることができる。
近代市民社会の成立を支える経済的な基盤の一つは、「所有権の絶対性」であるといわれている。だが逆に、「所有権は義務を負う」とも考えられており、その絶対性は理念的なものに過ぎない。
土地所有権は、法令の制限内においてその上下に及ぶとされている。その一方で、隣接する土地との関係により権利が制限・拡張されることがあり、また、都市計画などの公共の必要による制限を受ける。さらには、私有財産は、正当な補償の下に公共のために用いることが認められており(土地収用はその例である)、これも所有権に対する制約の一つである。
登録免許税
不動産の所有権を登記する場合や、抵当権を登記する場合に、登記所で納付する国税のことである。登録免許税は一般には「登記料」などと呼ばれることも多い。
登録免許税は、原則的には現金で納付し、その領収証書を登記申請書に貼付するが、その税額が3万円以下の場合には印紙によって納付することができる。
登録免許税の税率は、登記の種類ごとに「登録免許税法」によって定められている。
なお、住宅の建物部分や土地に関する所有権の移転、保存などの登記については、時限的に、登録免許税の軽減措置が講じられている。(詳細は、「登録免許税の軽減措置(住宅の建物部分)」「登録免許税の軽減措置(土地)」を参照。)
また、土地を相続登記する場合の登録免許税は、法務大臣が指定する土地について免除される。ただし、この特例の適用には期限があるので注意が必要である。
司法書士
不動産の権利に関する登記などの専門家。 不動産登記簿の「甲区」および「乙区」に登記すべき事項について、登記申請者から依頼を受けて登記申請書の作成を行ない、登記申請者の代理人として登記の申請を代理する。 また、会社の設立登記や役員変更の登記などの商業登記についても、不動産登記と同様に申請書を作成し、申請を代理することができる。 その他に、本人が行なう訴訟のための訴訟書類の作成援助、契約書の作成と助言も司法書士の業務とされている。また司法書士法の改正により2003年4月1日以降は、簡易裁判所における訴訟手続きの代理、裁判外での和解の代理なども司法書士の業務に加えられることになっている。