車輪を有する移動型住宅で、原動機を備えず牽引車により牽引されて走行できる構造のものをいう。
「トレーラーハウス」は和製英語で、このような居住形態が始まった米国では、トレーラーホーム(trailer home)、モービルホーム(mobile home)などと称されている。
トレーラーハウスは、住宅だが車両であるため、建築基準法は適用されず、不動産でもない。ただし、随時かつ任意に移動できるなど、土地の定着物とならないための条件を満たしていなければならない。例えば、給排水・ガス・電気等の配管や配線をトレーラーハウスに接続する方式が脱着式(工具を要さずに取り外すことが可能な方式)でない場合には、当該トレーラーハウスは建築基準法の建築物として取り扱われる。
建築基準法
国民の生命・健康・財産の保護のため、建築物の敷地・設備・構造・用途についてその最低の基準を定めた法律。市街地建築物法(1919(大正8)年制定)に代わって1950(昭和25)年に制定され、建築に関する一般法であるとともに、都市計画法と連係して都市計画の基本を定める役割を担う。
遵守すべき基準として、個々の建築物の構造基準(単体規定、具体的な技術基準は政省令等で詳細に定められている)と、都市計画とリンクしながら、都市計画区域内の建物用途、建ぺい率、容積率、建物の高さなどを規制する基準(集団規定)とが定められている。また、これらの基準を適用しその遵守を確保するため、建築主事等が建築計画の法令適合性を確認する仕組み(建築確認)や違反建築物等を取り締まるための制度などが規定されている。
その法律的な性格の特徴は、警察的な機能を担うことであり、建築基準法による規制を「建築警察」ということがある。
不動産
不動産とは「土地及びその定着物」のことである(民法第86条第1項)。
定着物とは、土地の上に定着した物であり、具体的には、建物、樹木、移動困難な庭石などである。また土砂は土地そのものである。
定着物
定着物とは、土地の上に定着した物をいう。
具体的には、建物、樹木、未分離の果実、移動困難な庭石などが定着物である。なお土砂は土地そのものであり、定着物ではない。
定着物は、土地から分離することができないので、原則として定着物は土地の所有権に吸収され、土地の取引とともに取引され、土地と法律的運命をともにすることに最大の特徴がある。
ただし、この例外として次のような定着物がある
1.建物
定着物のうち、建物は常に土地から独立した定着物であり、独立して取引の対象となる。
ただし建築中の建物は、土地から独立した定着物ではない(詳しくは建物へ)。
2.立木(りゅうぼく)法により登記された立木
定着物のうち、立木法により登記された立木(注:立木とは樹木の集団のこと)は、建物と同様に、土地から独立した定着物となる。
3.果実、桑葉、立木法により登記されていない立木など
これらはすべて定着物であるが、明認方法を施すことにより、土地から分離して取引することができる。
建築物
建築基準法では「建築物」という言葉を次のように定義している(建築基準法第2条第1号)。 これによれば建築物とは、およそ次のようなものである。 1.屋根と柱または壁を有するもの 2.上記に付属する門や塀 3.以上のものに設けられる建築設備 上記1.は、「屋根+柱」「屋根+壁」「屋根+壁+柱」のどれでも建築物になるという意味である。 なお、地下街に設ける店舗、高架下に設ける店舗も「建築物」に含まれる。