商人や職人が営業し居住していた建物(町家)を改修して活かすこと。主として歴史的に形成・維持されてきた市街地において行なわれている。
町家は、伝統的な工法で建築され、地域の歴史、気候、風土等を反映した建物である。その持っている可能性を活かすべく手を加えることによって価値が顕在化するだけでなく、そのことが市街地の再生・活性化にも資すると考えられている。
町家再生に当たっては、その持てる良さを残しまたは活かすように改修すること、建物の空間的、デザイン的、構造的な特性と居住等の利便との調整を図ること、耐震性、耐火性などを確保することが重要である。また、建築基準法上、まち並みに調和した建築形態規制の緩和などの措置がある。
町家
店舗(商業等の空間)を併設する市街地住宅。一般に、通りに面して店舗があり、その奥に居住空間が設けられている。通りに面する間口は狭く奥に長い空間構成で、通りに面して均等に建ち並ぶことが多い。
町家は、伝統的な構法による木造建築物であることが多く、またまち並みを形成する場合もあり、その再生、活用によって都市再生や地域の活性化を図る取り組みが進められている。
建築基準法
国民の生命・健康・財産の保護のため、建築物の敷地・設備・構造・用途についてその最低の基準を定めた法律。市街地建築物法(1919(大正8)年制定)に代わって1950(昭和25)年に制定され、建築に関する一般法であるとともに、都市計画法と連係して都市計画の基本を定める役割を担う。
遵守すべき基準として、個々の建築物の構造基準(単体規定、具体的な技術基準は政省令等で詳細に定められている)と、都市計画とリンクしながら、都市計画区域内の建物用途、建ぺい率、容積率、建物の高さなどを規制する基準(集団規定)とが定められている。また、これらの基準を適用しその遵守を確保するため、建築主事等が建築計画の法令適合性を確認する仕組み(建築確認)や違反建築物等を取り締まるための制度などが規定されている。
その法律的な性格の特徴は、警察的な機能を担うことであり、建築基準法による規制を「建築警察」ということがある。