負債を新たな負債に組み換えること。金利や返済方法を変更することができる一方、手続きのための負担が生じる。
不動産ファイナンスにおいては、住宅ローンの借り換えが典型例である。また、不動産投資事業の運営において、投資事業の終了(投資者への資金返済)と新たな投資事業の組成(投資者からの資金調達)を同時に行なう場合もこれに当たる。
リファイナンスは、負債の償還資金を新たな負債で調達すること(単純な借金の連鎖)とは違い、金利負担の軽減、金融リスクの転嫁・分散などの財務上の戦略に基づいて行なわれる。
住宅ローン
個人に対する住宅資金の融資をいう。
主として民間の金融機関が担っているが、その円滑な実施などのため、(独)住宅金融支援機構(住宅金融公庫の廃止後、その機能の一部を引き継いだ組織)と連携することが多い。また、年金基金、共済組合などが融資する場合もある。
融資の期間、利率(固定金利か変動金利かを含めて)などの条件は、金融機関によって異なるほか、借入者の属性や状況等、金融機関との取引の状況に応じて多様である。その選択のために、借入と償還をさまざまにシュミレーションできるサービスも提供されている。
住宅ローンの実施に際しては、通常、融資対象となる住宅に担保権が設定されるほか、連帯保証人を求められることが多い。また、住宅販売会社が提携金融機関の融資を斡旋する場合もある(提携住宅ローン)。
なお、住宅ローンの負担軽減のための税制上の優遇措置(住宅ローン減税)があるほか、住宅ローン債権がSPCなどに譲渡され証券化される例も増えてきている。
不動産投資
資金を不動産(土地・建物)の購入・賃貸に充てて運用し、収益を得ることをいう。運用益は、不動産価格の上昇益(キャピタルゲイン)または賃貸料収入(インカムゲイン)として得ることになる。 不動産投資は、自らが不動産を購入・賃貸する方法によるほか、不動産投資信託(REIT)のように投資の判断・運用を専門家に委ねる方法もある。 専門家が投資を判断・運用する方法による場合には、投資家は、あたかも株式を売買するように、不動産を証券化した金融商品を売買するかたちで投資するのが一般的である。 投資は一般に、高利回りの投資は大きなリスクを伴い(ハイリスク・ハイリターン)、リスクが小さい投資は利回りが低い(ローリスク・ローリターン)とされている。
投資
金銭を金融商品等に変換し、あるいは事業に充当して利益を得る行為。株式、債券、不動産などを取得して配当等を受け取る方法、それらを売買して差額を得る方法、事業に出資する方法などがある。
例えば、「株式投資」または「不動産投資」は株式または不動産を金銭運用の対象とする投資、「投資信託」は投資利益を証券化した金融商品で信託のしくみを使うもの、「投資ファンド」は共同で投資するために集めた資金のことである。
投資は、費用とリスクを伴う。不動産投資を例にすれば、取引に伴って税(取引の内容に応じて、不動産取得税、印紙税、譲渡所得税、固定資産税など)や手数料を負担する必要があるほか、不動産価格の変動などによって賃貸料の減少や売却損が生じる恐れがある。
なお、経済学でも「投資」という用語を使うが、その意味は、一般的な意味とはまったく違うので注意が必要である。経済学でいう「投資」は、「消費」と対比した用語で、一定期間における実物資産の増加分(使われないで次の期に積み上がる資産)をいう。この場合、「投資」は事後的に「貯蓄」と等しくなる。