不動産収入とは、家賃収入、管理費収入、共益費収入、礼金収入、駐車場使用料収入などのことである。
不動産の貸付けから発生する収入は、所得税法においては、事業収入ではなく、不動産収入に分類されることとなっている。
従って、個人が賃貸住宅や駐車場を経営している場合には、不動産収入が発生し、不動産所得を得ていることになる。
ただし、退去の際に全部または一部を返還するような金銭(敷金・保証金)については、返還しない部分だけが不動産収入に加算される。
管理費(賃貸物件の~)
賃貸マンション・アパート、貸家において、借主が貸主に対して毎月支払う金銭であって、賃貸物件の管理のために必要とされる費用のこと。
「共益費」と呼ばれることもある。
共益費
賃貸集合住宅の入居者や事務所ビルのテナントが、建物の賃料とは別に負担する費用をいう。
建物全体の清掃や補修、警備等の費用、建物の共用部分に関する付加使用料など、入居者やテナントが分別して負担することが難しい費用が対象となる。専有面積当たりで算出し、月払いするのが一般的である。
なお、法律上の用語としても「共益費」が使われるが、これは同一の債務者に対する各債権者に共通の利益のために要した費用のことである。
例えば、ある債権者が債務者の財産を保存すればそれは他の債権者に利益にもなるので、そのための費用は共益費として、他の債務者に優先して弁済を受けることができるとされる。建物の賃借人が負担する共益費は、これとはまったく別のものであるから、注意を要する。
礼金
建物の賃貸借契約を新規に締結する際に、借主から貸主に対して、契約締結の謝礼として支払われる金銭。将来契約が終了し、退去する際にも、借主に返還されない。
不動産所得
不動産の貸し付けなどによる不動産収入がある場合において、次の計算式で求めた金額のことを「不動産所得」と呼ぶ。 「 不動産収入-不動産所得の必要経費=不動産所得 」 このような不動産所得がある場合には、必ず確定申告を行なう必要がある。 なお不動産所得で赤字が生じた場合には、その赤字の全部または一部は、給与所得など他の黒字と相殺することができる(詳しくは「損益通算の特例」)。
敷金
建物の賃貸借契約を新規に締結する際に、借主から貸主に対して、次のような目的のために預けられる金銭。 1.賃料の不払い・未払いに対する担保 2.契約により借主が負担すべき修繕費用や原状回復費用の前払い 将来契約が終了した場合には、上記1や2の金額を控除した残額が、借主に対して退去後に返還される。なお、関西等では「敷引」の慣行がある。
保証金(賃貸の〜)
建物の賃貸借契約時に、借主が貸主に支払う一時的な金銭。その法的な意味は一様ではないので、内容を十分に確認する必要がある。 保証金には、敷金と同じように借主に対する賃料債務等を担保するものであって債務がなければ退去時に返還されるものと、権利金、礼金と同じように一時的な対価として支払われ退去時に返還されないものとがある。 また、保証金の一部として「敷引」が定められている場合には、礼金と同じようにその金額は返還されない。 なお、保証金によって担保される債務には、退去時の原状回復義務が含まれるが、その対象となる損傷は、通常の使用による損耗や経年変化を除くとされ、これらの回復は賃借人の義務ではない。