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賃貸住宅管理業者登録制度
読み:ちんたいじゅうたくかんりぎょうしゃとうろくせいど

賃貸住宅管理を営業する者(賃貸住宅管理業者)を登録する制度をいう。「賃貸住宅管理業法」に基づく制度である。

管理する住宅戸数が一定規模以上の賃貸住宅管理業者は、国土交通大臣の登録を受ける義務がある。登録は申請によって行なうが、一定の要件に該当すれば登録を拒否される。登録の有効期間は5年間で、期間は更新できる。

登録を受けた賃貸住宅管理業者は、営業に当たって、名義貸しの禁止業務管理者の選任、業務の一括再委託の禁止、財産の分別管理、秘密の保持等の業務規制を遵守しなければならない。

この登録制度は、法律によって定められるまでは国土交通省の告示に基づいて実施され、ほぼ同様の規制が課せられていたが、登録するか否かは任意であった。法律に基づく制度に移行した結果、登録が義務化されたのである。

なお、この制度に関する法律の施行は2021年6月からである。また、法施行のときに現に賃貸住宅管理業を営んでいる者の登録義務は1年間猶予される。

賃貸住宅管理業法

賃貸住宅を管理する業務を適正に実施するための措置を定めた法律。正式な名称は「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」で、2020年6月に制定された。 賃貸住宅管理業法が定める主な措置は次のとおりである。 (1)賃貸住宅管理業に係る登録制度の創設 ・委託を受けて賃貸住宅の管理業務を行う事業を営もうとする者について、 国土交通大臣の登録を義務付ける。(ただし、管理戸数が一定規模未満の者は対象外とする。なお、管理業務とは、賃貸住宅の維持保全及びこれと併せて行う家賃、敷金、共益費等の管理である。) ・賃貸住宅管理業者の業務について、次のことを義務付ける。  a)事務所毎に、業務管理者(賃貸住宅の管理に関する知識・経験等を有する一定の資格者)を選任し配置すること  b)管理受託契約の締結前に、具体的な管理業務の内容・実施方法等(重要事項)について書面を交付して説明すること  c)管理する家賃等について、自己の固有の財産等と分別して管理すること  d)業務の実施状況等について、管理受託契約の相手方に対して定期的に報告すること  e)名義貸しの禁止、知り得た秘密を守ること、標識の掲示など (2)サブリース業者と所有者との間の賃貸借契約の適正化に係る措置 ・サブリース業者及び勧誘者が特定賃貸借契約(住宅を転貸するための賃貸借契約/マスターリース契約ともいう)を勧誘する場合に、契約の相手方に誇大に広告する行為及び家賃の減額リスクなど相手方の判断に影響を及ぼす事項について故意に事実を告げずまたは不実を告げる行為を禁止する。 ・特定賃貸借契約の締結前に、家賃、契約期間等(重要事項)を記載した書面を交付して説明することを義務付ける。  なお、法律は、(1)に関しては21年6月から、(2)に関しては20年12月から施行された。

名義貸しの禁止

宅地建物取引業者が他人に名義を貸して営業(または表示行為・広告行為)を行なわせることは、法律上禁止されている(宅地建物取引業法第13条)。これを名義貸しの禁止という。 具体的には次のとおり。 1.名義貸しによる営業の禁止 名義を貸して他人に営業させることは、宅地建物取引業法の免許制度の根本をゆるがす重大な違反行為である。 そのため、名義を貸した側には「名義貸しの禁止」の規定が適用され(法第13条第1項)、3年以下の懲役または300万円以下の罰金(または両者の併科)という重い罰則が予定されている(法第79条第3号)。 2.名義貸しによる表示行為・広告行為の禁止 名義貸しによる営業については上記1)の罰則が適用されるが、実際に営業を行なわない場合(または営業が事後的に立証できない場合)であっても、看板における名義の使用(表示行為)や広告における名義の使用(広告行為)という事実があれば、そうした名義貸しによる表示行為・広告行為があったこと自体が宅地建物取引業法上の処罰対象になる。 具体的には、名義を貸して表示行為・広告行為を行なわせた側には、「名義貸しの禁止」の規定が適用され(法第13条第2項)、100万円以下の罰金が予定されている(法第82条第2号)。 ちなみに、名義を借りた側に対する処罰については下記のとおり。 名義を借りて営業を行なった者が「無免許営業等の禁止」(法第12条第1項)に該当する場合には、3年以下の懲役または100万円以下の罰金(または両者の併科)という重い罰則が適用される(法第79条第2号)。 また、名義を借りて表示行為・広告行為を行なった者が「無免許営業等の禁止」(法第12条第2項)に該当する場合には、30万円以下の罰金が予定されている(法第82条第2号)。

業務管理者(賃貸住宅管理業の〜)

賃貸住宅の管理に関する知識・経験等を有する一定の資格者。賃貸住宅管理業法に基づき、賃貸住宅管理業を営む場合に、事務所毎に選任し配置しなければならないとされている。 業務管理者の資格は、賃貸不動産経営管理士、宅地建物取引士等であって一定の要件を満たす者について認められる。

国土交通省

国の行政事務を分担管理する機関のひとつ。国土交通省設置法に基づいて設置され、その長は国土交通大臣である。英語表記は、Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourismである。 「国土の総合的かつ体系的な利用、開発及び保全、そのための社会資本の整合的な整備、交通政策の推進、観光立国の実現に向けた施策の推進、気象業務の健全な発達並びに海上の安全及び治安の確保を図ること」(国土交通省設置法)を任務とし、その達成のための事務を司っている。 所掌事務は多岐にわたるが、たとえば、国土、都市、住宅、交通に関する政策、河川、道路、港湾の整備、不動産業、建設業、運送業に関する事務の大部分は、国土交通省が担っている。また、国土地理院、気象庁、海上保安庁、観光庁は、国土交通省の組織である。 国土交通省は、平成の中央省庁再編の一環として、国土庁、建設省、運輸省、北海道開発庁を統合し、2001年1月6日に発足した。

賃貸住宅管理業

賃貸住宅の賃貸人から委託を受けて、住宅の点検、清掃等の維持保全業務およびこれと併せて行なう家賃、敷金、共益費等の管理業務を実施する営業。業務の実施について、賃貸住宅管理業法に基づき規制が課されている。 まず、賃貸住宅管理業を実施する場合には、管理戸数が一定規模未満の事業を除き、国土交通大臣の登録を受けなければならない。 また、営業に当たっては、a)事務所毎に、業務管理者(賃貸住宅の管理に関する知識・経験等を有する一定の資格者)を選任し配置すること、b)管理を受託する契約の締結前に具体的な管理業務の内容・実施方法等(重要事項)について書面を交付して説明すること、c)管理する家賃等について自己の固有の財産等と分別して管理すること、d)業務の実施状況等について管理受託契約の相手方に対して定期的に報告すること、e)名義貸しをしない、知り得た秘密を守る、標識を掲示するなどの義務を遵守しなければならない。 登録を受けた賃貸住宅管理業者は、国土交通大臣による監督を受けることとなるが、賃貸住宅管理業法は、監督措置として、報告聴取、立入検査、業務改善命令、登録の取り消しなどを定めている。 なお、賃貸住宅管理業に対する法規制は、賃貸住宅管理業法の施行(2021年6月)から発効し、また、法施行のときに現に賃貸住宅管理業を営んでいる者の登録義務は一年間猶予された。