放電と充電の両方が可能な電池をいう。
電池は極と電解質で構成され、化学反応によって電流を発生させる(放電する)装置であるが、特定の極と電解質が組み合わさった場合には、放電とは逆方向に電流を流すことによって放電力が回復する(充電する)性質がある。
この性質を利用したのが蓄電池で、放電のみ行なう使い切り電池を一次電池と呼ぶのに対して、蓄電池を二次電池と呼んで区別する。
蓄電池には、電極と電解液の組み合わせに応じて、鉛蓄電池、ニッケル水素蓄電池、リチウムイオン二次電池などの種類がある。例えば、自動車のバッテリーには鉛蓄電池、家庭用蓄電池にはニッケル水素蓄電池が主に使われている。
家庭用蓄電池を利用すれば、住宅での太陽光発電や燃料電池による発電と、家電製品や電気自動車などの電力需要とを適切に調節する能力を高めることができると考えられている。
太陽光発電(システム)
太陽電池によって太陽光のエネルギーを直接に電力に変換する発電方式をいう。
太陽電池は、一定の物質に光が照射されると伝導電子が増加する現象(光電効果)を利用して電力を得る装置で、光エネルギーを電力に変換する過程で熱や運動エネルギーの媒介を必要としない。
そのため、太陽光発電は、発電時に廃棄物、CO2等の発生がない他、小規模に分散的に運用可能、設置条件の制約が少ない、などの特徴がある。
一方、他の発電方式に比べて高コスト、発電量の変動が大きい(夜間や雨天時は発電できない)、スケールメリットが効かないなどの短所がある。
そこで、太陽光発電と他の発電とを組み合わせて、発電、消費、売電、買電を適切に制御するシステム(太陽光発電システム)が開発・運用されている。
燃料電池
電気化学反応によって発電する装置であるが、特に、水素と酸素を化学反応させ、このとき発生する電気エネルギーを取り出すものをいう。 乾電池等と違って、原料として水素と酸素を供給しなければならないが、供給が続く限り発電が持続する。 二酸化炭素が発生しない、エネルギー変換において熱が介在しない(効率を高くできる)、比較的小規模な装置で発電できるなどの特徴があるとされる。また、発電に伴って熱が発生することから、併せてそれを利用することができる。 燃料電池において化学反応を媒介する役割を果たす物質を「電解質」というが、電解質の違いによって燃料電池にはいくつかのタイプがある。 主なものは、次の通りである(分類は、日本ガス協会資料による)。
1.固体高分子形:イオン交換膜を用い、常温~90度で作動する 2.リン酸形:リン酸を用い、150~200度で作動する 3.溶融炭酸塩形:溶融した炭酸塩を用い、600~700度で作動する 4.固体酸化物形:イオン伝導性セラミックス(安定化ジルコニア)を用い、750~1,000度で作動する 従って、用途に応じて、これらのタイプを選択することができる。 燃料電池は、住宅の電力源の一つとしても活用できると考えられている。
電気自動車
電気モーターを動力源とする自動車。電池を車載する方式(電池式)と走行中に電力を外部から供給する方式(架線式)に二分できる。
また、車載する電池への充電は外部から行なうのが一般的であるが、発電装置(太陽電池、燃料電池など)を車載する方式もある。
ハイブリッドカーは、電気モーターと内燃機関を組み合わせて動力源とする自動車である。
電気自動車は、内燃機関を動力源とする自動車に比べて、エネルギー効率が高い、アイドリングなどの無駄なエネルギー消費がない、一般家庭で充電が可能でガスステーションなどが不要、などの特徴がある。
一方、充電に時間が掛かる、航続距離が短い(特に重量が大きい場合に)などの短所がある。
なお、電気自動車を利用する場合には、住宅で発電した電気を家庭用蓄電池に蓄電した上で充電するなど、自動車を住宅のエネルギー管理の一環に組み込むことができる。