電力需給を最適化する機能を備えた電力網をいう。
供給される電力の質や量は、水力、風力、太陽光、火力、燃料電池など発電形態によって異なり、電力の需要も、動力、照明、熱源など電気機器の性質によってさまざまに異なる。電力網は両者を結合し包含するが、情報通信技術を活用してこの電力網を制御することによって、ロスが少なく、安定した電力需給関係を形成・維持できるとされる。
スマートグリッドの構築は、グリーン・ニューディール政策の一つとされる。住宅やビルの電力もスマートグリッドに組み込まれ、その一端を担うこととなる。
スマートグリッドに対しては、エネルギーシステムの革新であるとして期待する意見がある一方、それが消費者の利益に資するかどうか疑問視する見方もある。
燃料電池
電気化学反応によって発電する装置であるが、特に、水素と酸素を化学反応させ、このとき発生する電気エネルギーを取り出すものをいう。 乾電池等と違って、原料として水素と酸素を供給しなければならないが、供給が続く限り発電が持続する。 二酸化炭素が発生しない、エネルギー変換において熱が介在しない(効率を高くできる)、比較的小規模な装置で発電できるなどの特徴があるとされる。また、発電に伴って熱が発生することから、併せてそれを利用することができる。 燃料電池において化学反応を媒介する役割を果たす物質を「電解質」というが、電解質の違いによって燃料電池にはいくつかのタイプがある。 主なものは、次の通りである(分類は、日本ガス協会資料による)。
1.固体高分子形:イオン交換膜を用い、常温~90度で作動する 2.リン酸形:リン酸を用い、150~200度で作動する 3.溶融炭酸塩形:溶融した炭酸塩を用い、600~700度で作動する 4.固体酸化物形:イオン伝導性セラミックス(安定化ジルコニア)を用い、750~1,000度で作動する 従って、用途に応じて、これらのタイプを選択することができる。 燃料電池は、住宅の電力源の一つとしても活用できると考えられている。
グリーン・ニューディール
環境の保全・改善のための投資を促進することによって雇用を創出し、景気の浮揚を図ろうとする政策をいう。
その特徴は、環境投資と経済政策とを結び付け、「地球環境問題への対応」、「景気回復」、そして「エネルギーの確保」という3つの課題に対応することにある。
1920年代の世界大恐慌において採用されたニューディールは、TVA(テネシー川流域開発公社)設立(アメリカ)やアウトバーン建設(ドイツ)のような公共事業を中心とした投資を推進するものであったが、グリーン・ニューディールにおける投資は、気候変動問題に対応するための技術開発や、エネルギー構造の変革を推進する産業活動に向けられる。
グリーン・ニューディールの目標には、建物の熱効率の改善、建物のカーボンニュートラル(二酸化炭素の排出ゼロ)化、スマートグリッドの構築などが含まれていて、不動産のあり方にも大きな影響を与える可能性がある。