課税において、課税金額を算出する上で基礎となる金額をいう。
税目に応じてそれぞれ一定の方法で算出される。
例えば、固定資産税については固定資産課税台帳に登録された不動産の価格(住宅用地等のように特例措置が適用されるときにはその適用後の価額)を、消費税については課税資産の譲渡等の対価の額(その譲渡等につき課されるべき消費税額および当該消費税額を課税標準として課されるべき地方消費税額に相当する額を控除したもの)を、それぞれ課税標準額としている。
固定資産税
毎年1月1日現在において、土地・家屋等を所有している者に対し、市町村が課税する地方税のこと。 不動産の所在地の市町村が課税の主体となるので、実際の徴収事務は市町村の税務担当部署が行なう。 固定資産税の納付方法については、年度初めに市町村から土地・家屋の所有者に対して、固定資産税の「納税通知書」が送付されてくるので、それに従って年度内に通常4回に分割して納付することとされている(ただし1年分をまとめて先に支払うことも可能である)。 固定資産税の税額は原則的に「固定資産税課税標準額の1.4%」とされている。 ただし、一定の新築住宅については固定資産税額の軽減措置が実施されている。また、住宅用地については固定資産税課税標準額そのものが6分の1または3分の1に圧縮されている。 固定資産税は毎年1月1日において、固定資産課台帳に所有者として登録されている者に課税される。 従って、年の途中で不動産の売買が行なわれて、所有者が変わった場合であっても、納税義務者は元の所有者となる。こうした場合には不動産売買契約書において、その年度分の固定資産税額の一部を新所有者が負担するという特約を設けることが多い。
固定資産課税台帳
固定資産税の課税対象となる土地、家屋等に関して、その所在、所有者、評価額などを登録した帳簿。市町村長が作成する。
固定資産課税台帳は、土地課税台帳、家屋課税台帳、土地補充課税台帳、家屋補充課税台帳および償却資産課税台帳で構成される。土地課税台帳・家屋課税台帳には登記簿に登記されている土地・家屋について、土地補充課税台帳・家屋補充課税台帳には登記されていない土地・家屋について、償却資産課税台帳には償却資産について、それぞれ一定の登録事項が記載される。
土地・家屋についての固定資産課税台帳に登録されている事項は、次の通りである。
1.土地・家屋の所有者の氏名・住所2.土地・家屋の属性(土地の地番・地目・地積、家屋の家屋番号・構造・床面積など)3.土地・家屋の固定資産税評価額4.土地・家屋の固定資産税課税標準額5.土地・家屋の固定資産税額
固定資産課税台帳を閲覧できるのは、その固定資産に課税される固定資産税の納税義務者、同居の家族、納税義務者からの委任を受けた代理人、借地人・借家人および訴訟関係人で、いつでも、市町村の担当部署で閲覧することができる。また、記載されている事項の証明書の交付を受けることができる。
不動産
不動産とは「土地及びその定着物」のことである(民法第86条第1項)。
定着物とは、土地の上に定着した物であり、具体的には、建物、樹木、移動困難な庭石などである。また土砂は土地そのものである。
消費税
国内の資産・商品・サービスの取引によって発生する付加価値に対して課税される税金。 法人や個人事業者が有償で行なう「資産の譲渡」「商品の販売」「資産の貸付け」「サービスの提供」は原則としてすべて消費税が課税される「課税取引」とされている。 また、土地の販売・住宅の家賃のように、税の性格や社会政策的配慮により消費税が課税されないこととされている取引は「非課税取引」と呼ばれる。 なお、課税取引に基づく売上高が一定規模に達しない法人や個人事業者については「免税業者」や「簡易課税制度」という措置が設けられている。ただし、適格請求書発行事業者は、基準期間における課税売上高にかかわらず、納税義務は免除されない。
課税標準
税額を計算するときに、税率を乗じる対象となる価額をいう(税額=課税標準×税率)。 例えば、所得税では所得控除後の所得額、法人税では利益額が課税標準であるというように、税の種類によって算出方法が異なる。また、所有権移転登記に係る登録免許税や固定資産税については、固定資産台帳に登録された価格が課税標準であるが、住宅用地などに特例措置が適用される場合には固定資産税の課税標準が減額されるなど、特別の措置があるので注意が必要である。