個人のプライバシー保護のために、個人情報の収集・伝達を制限することをいう。
その背景には、ネットワーク技術によって情報の複製や伝播が容易になり、プライバシーの侵害などが懸念されているという事情がある。
個人情報を保護するための原則は、
1.適法かつ公正な手段による個人データの収集、2.利用目的に必要な範囲内での正確、完全、最新なデータの管理、3.利用目的の明確化、4.明確化された目的以外の使用を制限、5.データの紛失・破壊・修正・開示等のリスクからの保護、6.データの作成・運用方針の一般への公開、7.自己に関する個人データの確認、異議申立ての機会の確保、8.データ管理者の責任負担
であるとされる。
個人情報保護法は、これらの原則を実現するための仕組みとして制定された法律であるが、同法にもとづいて政府が定めたガイドラインが公表されている。不動産業は、個人情報を取り扱う機会が多い産業であるため、情報の保護について特に注意が必要である。
個人情報保護法
個人情報の適正な取り扱いに関する規定を定めた法律。正式な名称は「個人情報の保護に関する法律」で、2003(平成15)年5月に公布された。 この法律は、高度情報社会の進展に伴って個人情報の利用が著しく拡大していることに鑑みて、個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護するために制定された。そこでは、個人情報は個人の人格尊重の理念のもとに慎重に取り扱われるべきものとしている。 個人情報保護法の規定のなかで重要なのは、個人情報のデータベース等(たとえば顧客リスト)を事業の用に供している者(個人情報取扱事業者)に対する個人情報の取り扱いに関する規制である。 個人情報取扱事業者には、個人情報の取り扱いについて、 i)利用目的の特定 ii)利用目的の範囲を超えた利用の禁止 iii)不正手段による取得の禁止 iv)取得に際しての利用目的の通知 v)情報の正確性確保 vi)情報の安全管理措置 等の義務が課されている。さらに、 vii)第三者への提供が制限され、 viii)本人による情報開示請求、訂正請求、利用停止請求を規定して原則としてその請求に従わなければならない とされている。 また、同法は、個人情報取扱事業者の個人情報の取扱いについては、個人情報保護委員会(2016(平成28)年度までは主務大臣)が監督することとし、その監督に従わない場合には罰則に処すことができること、政府は個人情報の保護に関する基本方針を定めなければならないことなども規定している。