不動産業の近代化を推進するための組織で、1980(昭和55)年に設立された公益財団法人。
その主要な業務は、
1.不動産流通市場の整備・近代化に対する支援(レインズの開発、価格査定マニュアル等の策定・普及、調査研究など)
2.協業化のための借入れに対する債務保証
3.不動産業に従事する人材の育成(宅建試験合格者のための登録実務講習、不動産コンサルティング技能試験・登録、初任従業者研修などの実施)
である。
また、不動産流通4団体((公社)全国宅地建物取引業協会連合会、(一社)不動産流通経営協会、(公社)全日本不動産協会、(一社)日本住宅建設産業協会が参加する不動産物件の検索サイト「不動産ジャパン」の運営も担当している。
公益財団法人
一般財団法人のうち、行政庁の認定(公益認定)を受けたものをいう。 認定の主な基準は、
1)主たる目的が、法律に定める公益目的事業(公益に関する事業で不特定かつ多数の者の利益増進に寄与するもの)を行うことであること 2)公益目的事業を実施するための経理的基礎を有すること 3)技術的能力を有すること 4)特別の利益を与える行為を行わないこと 5)収支相償(公益目的事業に係る収入額がその事業に必要な適正費用を償う額を超えない)であると見込まれること 6)公益目的事業の比率が50%以上であると見込まれること 7)遊休財産額が1年分の公益目的事業費相当額を超えないと見込まれること である。
公益認定を受けた財団法人は、名称中に「公益財団法人」という文字を独占的に使用する。また事業活動に当たっては法律による一定の規制に服さなければならない一方、税制上「特定公益増進法人」として優遇される。
レインズ
レインズ(REINS)とは、 Real Estate Information Network Systemの頭文字を並べた名称。国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構(「指定流通機構」という)が運営しているコンピュータネットワークシステムの名称である。
このネットワークシステムにより、指定流通機構の会員である不動産会社間では、パソコンまたはFAXを用いて、リアルタイムでの不動産情報の交換が行なわれている。
また、指定流通機構そのものを「レインズ」と呼称することもある。
価格査定
不動産の売却を媒介する場合に、依頼者に助言するなどのため取引価額を算出する行為をいう。
この場合にその根拠を示すことが必要で、標準的な手法によって取引事例を比較検討し、客観的で実際的な成約見込額を算出しなければならないとされている。一般的には、価格査定のためのマニュアルを用いることが多い。 一方、不動産鑑定も価格の査定を伴うが、不動産取引の媒介に当たっての価格査定とは違って不動産鑑定士が経済価値を判定するものであり、算出する価額の性質に違いがあることに注意しなければならない。また、不動産鑑定は、価格査定と比べてより専門的、精密な方法で実施される。
宅建試験
宅地建物取引業法第16条第1項にもとづき、都道府県知事が実施する資格試験のこと。正式名称は宅地建物取引士資格試験である。
宅地建物取引業に関して必要な知識について行なわれる試験で、試験科目は宅建業法、民法、都市計画法、建築基準法、税法その他。配点は50点満点。試験は例年10月の第3日曜日に実施される。
(詳しくは宅地建物取引士資格試験へ)
登録実務講習
宅地建物取引士資格試験に合格した者が宅地建物取引士の登録を申請しようとする場合には、宅地建物の取引に関して2年以上の実務経験を有する必要がある。しかし、この実務経験がなくても、登録実務講習実施機関が実施する一定の講習を受講し修了証明書を交付された場合には、登録を受けることができるとされている。この一定の講習が「登録実務講習」である。
登録実務講習は、取引士制度に関する科目、宅地または建物の取引実務に関する科目、取引実務の演習に関する科目(業務の標準的手順の修得のための演習)について、それぞれ一定時間以上実施される。