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正当事由
読み:せいとうじゆう

土地・建物賃貸借契約において、賃貸人が契約の更新を拒絶したり、解約の申し入れをする際に必要とされる「事由」をいう。

一般的に、賃貸借契約は、期間の満了や解約の申し入れによって特段の理由を必要とせずに終了するが、土地・建物の賃貸借については、賃借人保護のために、賃貸人からの更新拒絶等に当たって「正当事由」を要するとされているのである(強行規定であり、これに反する契約条項は無効となる。1941(昭和16)年施行)。

何が正当事由となるかは、裁判での判断に委ねられていて、多数の判例があるが、規定の趣旨に照らせば、借地・借家人に有利になる傾向があるのは当然である。判例を受けて、現在の借地借家法では、正当事由は、貸主・借主が土地・建物の使用を必要とする事情、賃貸借に関する従前の経緯、土地・建物の利用状況、立退料の提供などを考慮して判断するとしている。

このように、正当事由がないと土地・建物の賃貸借を終了することができないという規定は、借地や貸家の供給を妨げかねないという意見も強く、一定の要件に該当する場合には、契約の更新を認めないという特約を結ぶことも可能とするよう法律が改正された(土地については1992(平成4)年8月、建物については2000(平成12)年3月から施行)。そのような特約付きの賃借権が、定期借地・借家権等である。

建物

民法では、土地の上に定着した物(定着物)であって、建物として使用が可能な物のことを「建物」という。 具体的には、建築中の建物は原則的に民法上の「建物」とは呼べないが、建物の使用目的から見て使用に適する構造部分を具備する程度になれば、建築途中であっても民法上の「建物」となり、不動産登記が可能になる。

建物

民法では、土地の上に定着した物(定着物)であって、建物として使用が可能な物のことを「建物」という。 具体的には、建築中の建物は原則的に民法上の「建物」とは呼べないが、建物の使用目的から見て使用に適する構造部分を具備する程度になれば、建築途中であっても民法上の「建物」となり、不動産登記が可能になる。

強行規定

法律の規定であって、公の秩序に関する規定を「強行規定」という。 また同じ意味で「強行法規」ということもある。 強行規定は、当事者の意思に左右されずに強制的に適用される規定であると解釈されている。従って、強行規定に反するような契約をした場合には、その契約はその部分について無効とされる。 この反対に、当事者の意思によって適用しないことができる規定は「任意規定」という。 ある規定が強行規定であるかどうかは、その規定の性質にもとづいて判断するのが原則である。例えば、民法の相続に関する諸規定は、社会秩序の根本に関わる規定であるため「強行規定」であると判断されている。 これに対して、消費者や社会的弱者を保護するようないくつかの法律では、法律中で強行規定であることを明記している場合がある。 例えば、借地権の存続期間等について定めた借地借家法第3条から第8条については、借地借家法第9条で「この節の規定に反する特約で借地権者に不利なものは、無効とする」と明記されている。

貸主

不動産の賃貸借契約において、不動産を貸す人(または法人)を「貸主」という。 不動産取引においては、取引態様の一つとして「貸主」という用語が使用される。 この取引態様としての「貸主」とは、「賃貸される不動産の所有者」または「不動産を転貸する権限を有する者」のことである。  貸主は宅地建物取引業免許を取得している場合もあれば、そうでない場合もある。  なお、不動産を賃貸することのみを業として行なう場合には、 宅地建物取引業の免許を得る必要はない。

特約

特別の条件を伴った契約をすることをいう。 原則として契約条件の定め方は自由であるから、どのような条件が特別であるかについては判断の幅があるが、一般的な条件とは異なる利益を伴うものをさすと理解されている。 ただし、強行規定(法令によって当事者の合意如何にかかわらず適用される規定)に反する条件は当事者が合意しても無効である。

借家権

建物の賃借権をいう。 建物の賃借権は、通常の賃借権と異なって、借家人を保護するために特別の取扱いを受ける。 主要な保護措置として、 1.登記がなくても家屋の引渡しを受ければ第三者に対抗できること 2.家主の解約や契約更新拒絶には正当事由がなければならないこと 3.契約終了時の造作買取請求権が認められること 4.内縁の妻など同居者による借家権の継承が認められること などがある。 なお、定期借家権については、原則としてこのような保護の対象とはならない。