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所有権の保存の登記
読み:しょゆうけんのほぞんのとうき

初めてする所有権の登記のこと。登記記録上では、権利部甲区に「所有権保存 所有者A」のように記載される。

所有権の保存の登記をすることができるのは、原則として、表題部所有者である(不動産登記法第74条)。

所有権

法令の制限内で自由にその所有物の使用、収益および処分をする権利をいう。 物を全面的に、排他的に支配する権利であって、時効により消滅することはない。その円満な行使が妨げられたときには、返還、妨害排除、妨害予防などの請求をすることができる。 近代市民社会の成立を支える経済的な基盤の一つは、「所有権の絶対性」であるといわれている。だが逆に、「所有権は義務を負う」とも考えられており、その絶対性は理念的なものに過ぎない。 土地所有権は、法令の制限内においてその上下に及ぶとされている。その一方で、隣接する土地との関係により権利が制限・拡張されることがあり、また、都市計画などの公共の必要による制限を受ける。さらには、私有財産は、正当な補償の下に公共のために用いることが認められており(土地収用はその例である)、これも所有権に対する制約の一つである。

登記記録

一筆の土地または一個の建物ごとに作成される登記の記録のこと。 従来は紙であったため「登記用紙」と呼ばれていたが、現在はほとんどの登記所でハードディスク上のデータとなっているため、現在の不動産登記法では「登記記録」という用語が使用されている(不動産登記法第2条第5号)。

権利部

一筆の土地または一個の建物ごとに作成される登記記録のうち、所有権・地上権・賃借権・抵当権などの権利に関する状況を記載した部分のこと。 権利部は、さらに甲区と乙区に分かれる。 権利部という用語は、従来は使用されていなかったが、不動産登記法の全面改正(2004(平成16)年6月18日公布・2005(平成17)年3月7日施行)で新たに導入された。

甲区

登記記録において、不動産の所有権に関する事項を記載した部分のこと。 この甲区に記載される登記には「所有権保存登記」「所有権移転登記」「所有権移転仮登記」などがある。

表題部所有者

一筆の土地または一個の建物ごとに作成される登記記録において、まだ所有権の保存の登記がされていない時点で、表題部に所有者として表示されている者のこと。