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都市計画区域の指定
読み:としけいかくくいきのしてい

都市計画区域は、原則として市または町村の中心部を含み、一体的に整備・開発・保全する必要がある区域である。
この都市計画区域を指定するための手続きは次のように規定されている(都市計画法第5条)。

1.一の都道府県内で都市計画区域を指定する場合
指定の主体は都道府県である。都道府県は次の手続きを行なう。
1)都道府県は都市計画区域を指定しようとするとき、事前に関係する市町村の意見を聴き、さらに都道府県都市計画審議会の意見を聴かなければならない(都市計画法第5条第3項)。
2)次に都道府県は、国土交通大臣と協議し、国土交通大臣の同意を得なければならない(都市計画法第5条第3項)。
3)都市計画区域の指定を公告することにより、都市計画区域が指定される(都市計画法第5条第5項)。

2.二以上の都府県にわたって都市計画区域を指定する場合
指定の主体は国土交通大臣である。国土交通大臣は次の手続きを行なう。
1)国土交通大臣は都市計画区域を指定しようとするとき、事前に関係する都府県の意見を聴かなければならない(都市計画法第5条第4項)。
2)上記2.の1)において都府県が国土交通大臣に意見を述べるためには、都府県は事前に関係する市町村の意見と都道府県都市計画審議会の意見を聴いておかなければならない(都市計画法第5条第4項)。
3)都市計画区域の指定を公告することにより、都市計画区域が指定される(都市計画法第5条第5項)。

(補足)準都市計画区域については、上記1.2.とは異なる指定手続きが規定されている(詳しくは準都市計画区域の指定へ)。

都市計画区域

原則として市または町村の中心部を含み、一体的に整備・開発・保全する必要がある区域。 原則として都道府県が指定する。 1.都市計画区域の指定の要件 都市計画区域は次の2種類のケースにおいて指定される(都市計画法第5条第1項、第2項)。 1)市または一定要件を満たす町村の中心市街地を含み、自然条件、社会的条件等を勘案して一体の都市として総合的に整備開発保全する必要がある場合 2)新たに住居都市、工業都市その他都市として開発保全する必要がある区域 1)は、すでに市町村に中心市街地が形成されている場合に、その市町村の中心市街地を含んで一体的に整備・開発・保全すべき区域を「都市計画区域」として指定するものである(※1)。なお、1)の「一定要件を満たす町村」については都市計画法施行令第2条で「原則として町村の人口が1万人以上」などの要件が定められている。 2)は、新規に住居都市・工業都市などを建設する場合を指している。 (※1)都市計画区域は、必要があるときは市町村の区域を越えて指定することができる(都市計画法第5条第1項後段)。また、都市計画区域は2以上の都府県にまたがって指定することもできる。この場合には、指定権者が国土交通大臣となる(都市計画法第5条第4項)。 2.都市計画区域の指定の方法 原則として都道府県が指定する(詳しくは都市計画区域の指定へ)。 3.都市計画区域の指定の効果 都市計画区域に指定されると、必要に応じて区域区分が行なわれ(※2)、さまざまな都市計画が決定され、都市施設の整備事業や市街地開発事業が施行される。また開発許可制度が施行されるので、自由な土地造成が制限される。 (※2)区域区分とは、都市計画区域を「市街化区域」と「市街化調整区域」に区分することである。ただし、区域区分はすべての都市計画区域で行なわれるわけではなく、区域区分がされていない都市計画区域も多数存在する。このような区域区分がされていない都市計画区域は「区域区分が定められていない都市計画区域」と呼ばれる。 4.準都市計画区域について 都市計画区域を指定すべき要件(上記1.の1)または2))を満たしていない土地の区域であっても、将来的に市街化が見込まれる場合には、市町村はその土地の区域を「準都市計画区域」に指定することができる。準都市計画区域では、必要に応じて用途地域などを定めることができ、開発許可制度が施行されるので、無秩序な開発を規制することが可能となる(詳しくは準都市計画区域へ)。

都市計画法

都市計画に関する制度を定めた法律で、都市の健全な発展と秩序ある整備を図ることを目的として、1968(昭和43)年に制定された。 この法律は、1919(大正8)年に制定された旧都市計画法を受け継ぐもので、都市を計画的に整備するための基本的な仕組みを規定している。 主な規定として、都市計画の内容と決定方法、都市計画による規制(都市計画制限)、都市計画による都市整備事業の実施(都市計画事業)などに関する事項が定められている。

準都市計画区域

都市計画区域外の区域において、市街化が進行すると見込まれる場合に、土地利用を規制するために設ける区域。都道府県が指定する。 1.準都市計画区域の趣旨  都市計画区域を指定するためには一定の要件を満たすことが必要であるが、その要件を満たしていない区域であっても、将来的に市街化が見込まれる場合には、土地利用をあらかじめ規制しておくことが望ましい。その必要に応えるために、2000(平成12)年に創設されたのが「準都市計画区域」の制度である。 2.準都市計画区域の指定の要件  次の要件のすべてを満たす場合に、指定することができる。 1)都市計画区域外の土地であること 2)相当数の住居等の建築・敷地の造成等が現に行なわれ、または行なわれると見込まれること 3)そのまま放置すれば将来における都市としての整備開発保全に支障が生ずる恐れがあること 3.準都市計画区域の指定の方法 都道府県が指定する(指定の手続きについては「準都市計画区域の指定」を参照)。 4.準都市計画区域の指定の効果  準都市計画区域においては、次のような土地利用の規制が適用される。 1)次の地域地区を定めることができる。 「用途地域」「特別用途地区」「高度地区」「特定用途制限地域」「景観地区」「風致地区」「緑地保全地域」「伝統的建造物群保存地区」 2)開発許可制度が適用される。この結果、原則として開発面積が3,000平方メートルを超える宅地造成について都道府県知事(または市長)の許可が必要となる(「開発許可」を参照)。 3)建物等の新築や増改築移転(増改築移転部分の床面積が10平方メートル以内のものを除く)する場合には、事前に建築確認を受けなけらばならない。この場合には、都市計画区域内と同様の基準が適用される(「建築確認」を参照)。

準都市計画区域の指定

準都市計画区域は、都市計画区域外の区域において、市街化が進行すると見込まれる場合に、土地利用を規制するために設ける区域である。準都市計画区域は、次の手続きによって指定される。 1)指定は都道府県が行なう。 2)都道府県は、指定しようとするときには、関係市町村および都道府県都市計画審議会の意見を聴かなければならない。 3)公告によって指定する。