日本初となるアニメーション全般を対象とする博物館「杉並アニメーションミュージアム」。
2005(平成17)年3月、上荻三丁目の「杉並会館」3階に日本初となるアニメーション全般を対象とする博物館「杉並アニメーションミュージアム」がオープンした。元々は杉並区により「杉並アニメ資料館」で2003(平成15)年に誕生しており、この施設を拡充する形として再開館した。館内ではアニメの歴史だけでなく、アフレコ体験やイベント・ワークショップが開催され、文化として根付いたアニメを体感、体験することができる。
MAP __(杉並アニメーションミュージアム)
『アニメのまち杉並』を謳う杉並区には、『アニメ産業レポート2021』によれば全国に811社あるアニメーション制作会社のうち149社が集積するとされ、市区町村別では全国で一番の数を誇っている。『機動戦士ガンダム』で有名な「サンライズ」も杉並区内にある制作会社の一つで、2008(平成20)年に西武新宿線の「上井草駅」前には、「ガンダムモニュメント」が建てられている。
制作会社が増えた背景は、1964(昭和39)年、阿佐谷にアニメ制作会社「東京ムービー」(現「トムス・エンタテインメント」)が設立されたことに始まる。「東京ムービー」は創設翌年に『オバケのQ太郎』、その後も『巨人の星』『アタックNo・1』『天才バカボン』といった人気アニメ作品を次々と世に送り出した。関連会社も生まれ、作画を担当した「オープロダクション」が1970(昭和45)年に荻窪に設立されている。また、1972(昭和47)年には、漫画家・手塚治虫氏が立ち上げた「虫プロダクション」の元スタッフにより、阿佐谷に「マッドハウス」が設立され、のちに自社の映画作品『時をかける少女』などを制作している。1979(昭和54)年には、「東京ムービー」が宮崎駿監督の最初の映画作品、劇場版『ルパン三世 カリオストロの城』を制作した。
このような歴史により『アニメのまち杉並』となった杉並区。今後もアニメ文化の街としても進化していくことだろう。