「猿江神社」は、平安後期、源義家が「前九年の役」で出征する途中、この地の入江で家臣・猿藤太(さるのとうた)が亡くなった、あるいは入江に屍が流れ着いたため、地元の人たちが祠を建てて手厚く葬ったことに始まるといわれ、猿江の地名の由来ともなっている。正確な創建年は不明ながら、1058(康平元)年頃にはすでに地元の信仰を集めていたという。写真は昭和戦前期の撮影で、この鉄筋コンクリート造りの社殿は、「関東大震災」からの復興で1931(昭和6)年に建設されたもの。
深川周辺は、江戸期に運河・水路が張り巡らされ、「江戸の水郷」ともいえる風光明媚な風景が生まれた。古くからの寺社や、海岸沿い埋め立て地など、さまざまな場所が江戸の名所として知られるようになり、町民の行楽地として賑わった。