世界一の乗降客数を誇るビッグターミナル駅を擁する、
東京都新宿区の防災情報
ビッグターミナル「新宿駅」周辺はビジネス・商業の中心地として栄える一方で、閑静な住宅街が広がる四谷エリア、外国人人口の多い大久保エリアなど、区内は多様なエリアで構成されています。妙正寺川と神田川の2つの河川の近くでは、洪水浸水被害への対策が重要となります。また、高地と低地が入り組んだ地形は土砂災害のリスクがあり、急傾斜地のがけ崩れに対する注意が必要です。
地形で見る新宿区
新宿区の地形は大きく台地エリアと河川の両端に広がる低地に分かれています。最も標高が高い場所は、都立戸山公園内箱根山の44.6m、最も低地なのは飯田橋付近の4.2mです。
区内には、淀橋台と豊島台という2つの台地があります。淀橋台は四谷地域から「新宿駅」周辺に位置し、標高は30~35m以上です。豊島台は、落合地域周辺と大久保から牛込にかけて広がり、標高は20~25mほどです。台地は河成礫層や堆積粘土・砂層の上に関東ローム層と呼ばれる火山灰などが積もってできた層からなり、形成された年代も比較的古く強固な地盤を形成しています。関東大震災でも新宿区は比較的被害が小さかった要因は、安定した地盤があったからかもしれません。
しかし、地盤が安定しているから絶対安全というわけではありません。地震発生時の死因で最も多いのが、家具などの転倒による圧死です。その他にも火災予防器具の設置や避難用品、携帯トイレ、非常食料・飲料の準備など、災害発生後に必須となる道具の準備も忘れないようにしましょう。
新宿区防災マップ
新宿区では、「洪水ハザードマップ」、「土砂災害ハザードマップ」、「がけ・擁壁ハザードマップ」を公表しています。新宿区には、神田川と妙正寺川の2つの河川が流れています。海からは遠いため津波や高潮の危険性はありませんが、川の沿岸は洪水や内水といった河川が氾濫するリスクがあります。特に、下落合一丁目、西落合二丁目など河川の両端にある低地は注意が必要です。
また、低地と高地の境目にある崖は、土砂災害のリスクがあります。土砂災害は大きく急傾斜地のがけ崩れ、土石流、地すべりの3つがあり、これらは台風や大雨、地震などにより地盤が緩むことで発生します。新宿区で発生する可能性のある土砂災害は急傾斜地のがけ崩れです。新宿区では、目白大学の西側、おとめ山公園の東側、戸山公園周辺、外濠公園の西側などが警戒区域とされています。
新宿区の取り組み
新宿区では、区民の防災意識の普及啓発のためにさまざまな取り組みを行なっています。区内事業所等の訓練やイベントの際に、起震車を派遣するのもその一つです。実際に揺れを体験することで地震時の適切な行動を体得することが目的です。また、減災のために、災害から自身を守る方法や、周りと助け合うための取り組みを訴求する防災DVDの貸出し、防災啓発冊子の配布、家庭用防災用品のあっせんなども行なっています。
他にも「新宿区防災気象情報メール」というサービスを展開しています。東京都23区で震度3以上、全国で震度5以上の地震が発生したときや、大雨、洪水、大雪、暴風の警報または注意報が発表されたとき、神田川が溢れるおそれのあるときなどに情報を自動配信してくれるサービスです。
新宿区の地域別概要
新宿区では、都市計画における「まちづくり戦略プラン」内の重点課題の1つとして、「新宿の高度防災都市化と安心安全の強化」を定めています。その戦略内の1つに「地域の防災性の強化」を定め、重点的な取り組みとして「木造住宅密集地域の解消」「繁華街防災の強化」「豪雨対策の推進」の3つを設定しています。
「木造住宅密集地域の解消」の取り組みとして、特に不燃化を推進すべき区域や災害に強いまちづくりを推進している区域を特定し、木造住宅を準耐火建築物等にする不燃化建替え工事や除去工事に対して助成を行っています。上落合一丁目~三丁目、北新宿二丁目の一部、西新宿五丁目の他、区内の概ね8つのエリアにわたる特定の住所が指定されています。また、所有する空き家等についての無料相談会の開催など、空き家に対しても取り組みを行っています。
「繁華街防災の強化」の取り組みとしては、「新宿駅周辺地域」などを中心に、雑居ビル等の建物内の避難経路の確保や初期消火設備の管理徹底、建物の不燃化などの取り組みが推進されています。新宿区は歌舞伎町などの都内有数の繁華街を擁するため、外国人も含め、多くの人々が訪れることがこの取り組みの背景です。訪日外国人に対しての避難経路の案内標識等の整備も推進されています。
このエリアの不動産は下記センターにご相談ください。
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東京都新宿区西新宿1丁目17番1号 日本生命新宿西口ビル9階
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