地形や歴史からひもとく防災情報

「町田駅」周辺の歴史ある商業地と、多様な地形が特徴的、
東京都町田市の防災情報

町田東急ツインズ

多摩地区の最南端に位置し、半島のように突き出している町田市。都心へも湘南や箱根方面へもアクセスしやすい立地で、東京都の多摩地域で、八王子市に次いで人口の多い都市です。地形は多摩丘陵と相模原台地の境界線上に位置します。起伏に富み、広範囲で土砂災害に対する警戒が必要です。また、鶴見川や境川など河川の沿岸では浸水リスクもあります。市では、「まちだ防災カレッジ」など、防災への取り組みに力を入れています。

INDEX

地形で見る町田市

町田市の土地条件図(凡例はこちら
出典:国土交通省 不動産情報ライブラリ

町田市は多摩地区の南端に位置し、神奈川県との境に半島のように突き出ています。地形は主に二つの特徴を持ちます。一つは相模原台地に広がる中心市街地、もう一つは関東山地から三浦半島へと連なる多摩丘陵です。
地形の変化を西から東に見ると、関東山地から丘陵地、台地、低地へと段階的に移行しています。市内を流れる鶴見川、境川、恩田川とその支流は、丘陵の起伏に深く入り込み、浸食によって形成された開析谷が見られます。また、丘陵地特有の尾根と谷が織りなす地形により、谷戸(やと)が多く形成されています。
このように町田市は、山地、丘陵地、台地、低地といった、多様な地形による変化に富んだ景観を特徴としています。

土地条件図でも、これらの地形の特徴が確認できます。例えば「町田駅」周辺だけを見ても、オレンジ色の「台地・段丘」、白地に赤い破線「人工地形(盛土地・埋立地)」、白地に青い破線の「人工地形(切土地)」、薄い茶色の「凹地・浅い谷」と、さまざまな地形が確認できます。
台地の北側に広がる多摩丘陵エリアの中にも、起伏のある地形が存在しています。緑色の「山地斜面等」は、山地・丘陵または台地の縁などの傾斜地を表しています。白地に青い破線で表現されたエリアは、山地などの造成地のうち、切取りによる平坦地や傾斜地である「人工地形(切土地)」です。黄色い「低地の微高地」も樹枝状に広がっていることがわかります。

駅周辺の賑わう商業地域、起伏に富んだ地形など、異なる特徴を持つ地域のため、浸水、土砂災害など、それぞれの特徴に応じた防災対策が必要となります。

町田市防災マップ

町田・玉川学園地区 防災マップ(町田市ホームページより引用)
町田・玉川学園地区 防災マップ(町田市ホームページより引用)

町田市では「町田市防災マップ」と「町田市洪水・土砂災害ハザードマップ」を公表しています。「町田市防災マップ」には、市内の避難施設、避難広場をはじめ、地震に関する防災拠点の場所などが記載されています。表面は町田市を7つのエリアに分け、それぞれの地区における避難場所や避難施設の備蓄品、AED設置場所、災害時協力井戸など幅広い情報が網羅されています。裏面は全地区共通です。「地震発生時・時系列行動表」、「こんなときはどうする?(Q&A)」、「非常持ち出し品一覧」、「町田市からの情報伝達方法」など、いざ地震が発生した際の指針となる内容が掲載されています。市では、自宅からの避難ルートの確認や、町内会・自治会などで防災に関する話し合いでの活用、また震災時の携帯品としても利用をすすめています。

「町田市洪水・土砂災害ハザードマップ」には、浸水区域や浸水深、土砂災害警戒区域などのほか、大雨・洪水時に役立つ情報が記載されています。紙面は学習面と地図面に分かれていて、学習面には行動を時系列で考える「マイ・タイムライン」や「警戒レベルと防災気象情報」、「日頃からの準備」など風水害に備えるために必要な情報が網羅されています。地図面は、地域ごとに5つのエリアに分かれています。洪水氾濫による浸水区域(外水・内水)や浸水深、土砂災害警戒区域などの情報が中心です。

上記のマップは、市庁舎の防災課、各市民センター、各駅前連絡所、各コミュニティセンター(上小山田コミュニティセンターを除く)などで配布されているので、一家にひとつは備えるようにしましょう。また、「町田市防災マップ」に掲載のある、避難施設、避難広場、一時滞在施設の場所は、「町田市防災WEBポータル」内の「町田市WEBハザードマップ」でも確認することができます。

町田市の取組み

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町田市では、大規模災害が発生した際に命を守ることを目的とし、防災リーダー育成事業「まちだ防災カレッジ」を開催しています。「まなぶ」講座と「とりくむ」講座、2つを軸に展開しているのが特徴です。「まなぶ」講座では、防災に関する基礎的な知識の学習を行います。「赤十字防災セミナー」や「普通救命講習会」、「パパママ東京ぼうさい出前教室」、「防災ウーマンセミナー」など様々な講習会、セミナーが用意されているので、自分のライフスタイルに合ったものを選んで受講すると良いでしょう。
「とりくむ」講座では、地域の自主防災組織や企業、大学と連携しながら、地域の課題を抽出し、発災時の被害を最小限にすることを目指しています。「まちだ防災カレッジ」ポータルサイトでは、最新情報の取得やセミナーの申込みなどが可能です。町田市と協力して防災情報を効果的かつ親しみやすく発信する個人や団体である「まちだ防災カレッジ公式アンバサダー」も紹介されています。

町田市の地域別概要

町田市

町田市は、「町田駅」以外に、北部の横浜線「相原駅」、東部の小田急小田原線「鶴川駅」、南部の田園都市線「南町田グランベリーパーク駅」などの鉄道駅があります。小田急小田原線「町田駅」は、沿線内で、「新宿駅」「代々木上原駅」に次ぐ第3位の乗降人員数(2023(令和5)年度)を誇ります。

「町田駅」前の原町田大通り
「町田駅」前の原町田大通り

「町田駅」は、多摩地域における主要駅のひとつであり、市民以外にも、周辺の住民や学生など、多くの人々が利用します。「町田駅」周辺は、明治時代に八王子と横浜を結ぶ街道の中継地として発展した歴史ある商業地です。駅周辺には、大型の商業施設が立ち並ぶ一方、昔ながらの商店街もにぎわい、市内はもちろん市外からの買い物客も多く訪れます。

一時滞在施設にも指定されている、町田市立中央図書館
一時滞在施設にも指定されている、町田市立中央図書館

「町田駅」周辺の防災対策としては、これまで「東京都帰宅困難者対策条例の徹底」「帰宅困難者用備蓄の推進」「駅周辺の混乱防止対策」などを実施してきています。一時滞在施設として、公共施設のほか、民間の施設も含め確保を行っています。帰宅困難者への対策の訓練では、多言語での誘導訓練を行うなど、日本人に限らずさまざまな帰宅困難者を想定して対策を進めています。

芹ヶ谷公園
芹ヶ谷公園

芹ヶ谷公園は、「町田駅」から約700mの距離にある、緑豊かな公園です。谷戸の地形がそのまま残り、湧き水も流れる園内には、広場やジャブジャブ池があります。版画を中心とする美術館である、町田市立国際版画美術館が併設されているなど、子どもから大人まで楽しめる憩いのスペースです。同園は、避難広場に指定されており、かまどベンチ、防災パーゴラ、マンホールトイレなどが整備されています。


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