クジラの全骨格発掘「アキシマクジラ」でも知られる街、
東京都昭島市の防災情報
市域南側が多摩川に接し、北側は武蔵野台地上に位置する昭島市。広大な野原に、古くは飛行機産業が発展、戦後に昭和飛行機工場跡が商業施設やレジャー施設となった歴史を持ちます。また、世界で初めて、ほぼ完全な姿でクジラの全骨格が発掘された街です。
多摩川氾濫時の水害や立川断層帯地震などの災害リスクがあり、市では、日頃からの対策を呼び掛けています。
地形で見る昭島市
出典:国土交通省 不動産情報ライブラリ
昭島市は、台地・段丘と低地が混在する地形構成となっています。北西から南東にかけて緩やかに傾斜しており、最も標高が低い場所は市南端の多摩川沿いで、海抜約77mです。市域は概ね多摩川左岸に位置しますが、右岸となる拝島橋の南側、滝山丘陵の一部も市域となっており、ここに市内で最も高い海抜約170mの地点があります。土地条件図では、市の北部や中央部を中心に市域の大部分がオレンジ色で示された「台地・段丘」に分類されています。このエリアは洪積層である武蔵野台地上に位置し、関東ローム層に厚く覆われているほか、下層にある砂れき層には豊富な地下水が含まれており、段丘崖下などでは湧水として地表に現れることもあります。
市の中央部には、多摩川によって形成された東西方向の崖線が連なります。南部には多摩川が流れ、その沿岸には白地に赤い斜線で示された「人工地形(盛土地・埋立地)」が広範囲に分布しており、一部には黄色の「低地の微高地(河川沿いの微高地)」も点在します。災害リスクの観点では、台地・段丘部は地盤が良好であり、地震時の揺れや液状化のリスクは小さいとされますが、緑色で示されている、台地の縁などの傾斜地である「山地斜面等」など、段丘の縁辺部では崖崩れの注意が必要です。一方、「人工地形(盛土地・埋立地)」のうち、低地(沖積地)を埋め立てた場所では、標高が不十分な場合に浸水リスクが生じるほか、立地により液状化の可能性もあります。
このように昭島市は、武蔵野台地の地形を基盤としながらも、多摩川沿いなどには低地(沖積地)が点在しており、土地利用や防災上の観点からも地形ごとの特性を理解しておくことが重要です。
昭島市防災マップ
昭島市では、「洪水・土砂災害ハザードマップ」「水害(内水)ハザードマップ」「昭島市防災ガイドブック」を公表しています。「洪水・土砂災害ハザードマップ」では、洪水・土砂災害という二つの災害種別を重ねて表示しているため、同一地点で複合リスクが存在する箇所も確認できます。多摩川沿いには、洪水リスクと土砂災害リスクの双方が想定される場所があります。洪水時の浸水想定区域は多摩川沿い中心に広がるものの、市の東側や北側にも想定地は点在しています。
また、「水害(内水)ハザードマップ」によると、内水氾濫による浸水予測区域が、市内広範にわたり示されています。内水氾濫とは、豪雨時に下水道等の排水能力を超えて道路や宅地に溢れる現象です。外水氾濫とは異なるメカニズムのリスクであることを踏まえ、排水対策や高所避難経路などを含む総合的な防災対策の視点が必要です。裏面の情報面には、大雨に伴う避難情報の発令について、避難にあたっての心得や、非常持ち出し品のチェックリストなどが記載されています。平常時に内容をよく確認し、いざという時に慌てず対応ができるよう、対策しましょう。
「昭島市防災ガイドブック」には、立川断層帯地震の被害想定についても触れられています。発生した場合、大半が震度6強、一部地域では震度7が想定されており、「地震 その時10のポイント」として注意事項が記載されています。また、ガイドブックには、富士山噴火への備えについてのページもあります。昭島市においては、溶岩流や火砕流などの被害想定はありませんが、降灰が及ぶ範囲には含まれており、その影響について説明があります。
昭島市の取組み
昭島市では、自治会連合会による防災への取り組みも盛んです。自治会連合会は、2019(令和元)年10月の台風19号による多摩川の増水と避難所開設をきっかけに、豪雨・洪水への備えの重要性を改めて認識し、防災体制の強化に取り組んでいます。
地域防災委員会が、市防災課や各自治会と連携して、二つの活動を推進しています。一つは、各地域における防災訓練の実施です。住民の連帯感や災害時の対応力を高めるため、短時間でも毎年訓練を継続することの意義が強調されています。もう一つは、小中学校を中心とした避難所の運営委員会への参画です。災害時に避難所として活用されるこれらの施設の運営に、平常時から地域の自治会や関係団体が参加し、実効性ある体制づくりを進めています。これらの活動を通じて、地域全体の防災力向上が図られています。
また、昭島市では、災害時に避難所となる学校や市立会館などへ、設置が容易で、衛生的に使用ができるマンホールトイレの設置も推進しています。設置個所については、一覧をホームページ上で公開しています。
昭島市の地域別概要
昭島市では、都市計画上のマスタープランにおいて、市を5地域に区分しています。
市の北東部に位置する「第1地域」は、国営昭和記念公園が立川市とまたがる形で立地するエリアです。地域の中央部には、住宅が多く立地し、医療施設や福祉施設も集積しています。防災面では、集中豪雨時などの浸水被害軽減のため、下水道の雨水幹線や主要な雨水枝線の整備が進められています。
市の北西部に位置する「第2地域」は、「昭島駅」北口側を含み、モリタウンやモリパーク アウトドアヴィレッジなどの商業施設、アキシマエンシス(教育福祉総合センター)などの公共施設といった各種機能が集積しています。モリタウンなども含め、昭和飛行機工業の工場跡地が広く活用されている地域です。計画的に作られた街で、空間的なゆとりが防災面でも利点となっています。
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