水陸の交通の要衝から工業地、さらに商業地・住宅地として発展、
大阪市福島区の防災情報
現在の大阪市福島区を含む堂島川の河岸には、江戸期には諸藩の蔵屋敷が置かれ、国内経済の中心地・大坂の機能を支えました。明治期以降は、工業地として、さらに商業地・住宅地としても発展、現在も街並みには下町情緒が残ります。一方、堂島川沿いなどでは再開発が進行し、都会的な街並みが形成されています。
区内には低地や盛土地が広がっており、水害リスクが比較的高い地域とされており、対策が進められています。
地形で見る大阪市福島区
出典:国土交通省 不動産情報ライブラリ
福島区は大阪市の中央部からやや北西に位置し、北側に淀川、南側に堂島川と安治川が流れています。この付近の淀川は明治後期に新淀川として開削された放水路で、西側の此花区との境界の一部はかつての中津川の流路にあたり、東側を除く三方が河川や河川跡に囲まれた場所となります。
今から約7000年前の縄文時代は、現在よりも気温が高く、海面が上昇していました。当時、現在の大阪市域にあたる大部分は海に覆われ、上町台地のみが半島状に海へ突き出していました。その後、気候が寒冷化すると海面は低下し、淀川や大和川が運んだ土砂が堆積することで、現在の福島区を含む一帯には多くの島「難波八十島(なにわやそじま)」が形成されました。福島という地名は菅原道真が大宰府に流される際にこの地に立ち寄り、その時に名付けたという説があります。
鎌倉時代になると、現在の福島区周辺では荘園が開かれましたが、多くは湿地帯となっていました。この頃、湿地帯を流れる川の周囲にはフジが咲き誇り、次第にフジの名所として知られるようになります。これが今に続く福島区のシンボル「のだふじ」の始まりです。
豊臣秀吉による大坂城の築城後、城下町整備の一環として堀の開削や盛土が行われました。その後の江戸時代にかけて開発は西へと広がり、現在の福島区周辺では安治川が掘削され、堂島川の浚渫も行われました。海に近い堂島川の両岸には諸藩の蔵屋敷が置かれ年貢米の流通を担うなど、江戸幕府の経済の中心地となりました。明治期に入ると近くに大阪駅が開設となり、さらに阪神電気鉄道も開業するなど水陸の交通の利便性がさらに向上し、現在の福島区一帯は農地から工業地へ変化、松下電器(現・パナソニック)など日本を代表する企業の創業の地ともなっています。周辺は住宅地や商業地としても発達し、現在も昔からの賑わいを感じられる街が残ります。
明治期には淀川の抜本的な治水対策として、新淀川として放水路の開削も行われています。土地条件図では区の全域が赤色の斜線「人工地形(盛土地・埋立地)」として示されています。「人工地形(盛土地・埋立地)」は、一般的な災害リスクとして、特に低地では浸水や液状化のリスクがあり、海や湖沼・河川を埋め立てた場所では特に注意とされています。
大阪市福島区防災マップ
福島区は複数の河川に隣接していることから、風水害のリスクが懸念される地域です。これを踏まえ、大阪市は淀川の氾濫をはじめ、旧淀川流域の河川(大川・堂島川・安治川、土佐堀川、木津川、尻無川)の氾濫、高潮、内水氾濫、さらに南海トラフ巨大地震による津波を想定した水害ハザードマップを公開しています。
例えば、1000年に1回程度の発生が想定される、24時間総雨量360mmの大雨によって淀川が氾濫した場合、区内のほぼ全域で1階床上から2階天井付近までの浸水が想定されています。また、中心気圧910hPaの室戸台風級の台風が、室戸台風と同様の経路で進んだ場合には、区内のほぼ全域で3階床上から4階天井付近までの浸水が想定されています。
大阪市内には上町断層帯が存在すると考えられており、これが活動した場合には、マグニチュード7.5~7.8の地震が発生し、福島区では震度6弱から震度6強の強い揺れが想定されています。
また、日本列島南側に延びる南海トラフでは、フィリピン海プレートが大陸側のプレートの下に沈み込んでおり、そのひずみが限界に達すると巨大地震が発生する可能性があります。南海トラフ巨大地震はマグニチュード9.0~9.1とされ、福島区では区内全域で震度6弱の揺れが想定されています。南海トラフ巨大地震は津波を伴う可能性が高いことも特徴です。水害ハザードマップでは、津波による浸水想定も示されており、この場合、区内のほぼ全域で1階床上から2階天井付近まで浸水する可能性があるとされています。
大阪市福島区の取組み
福島区では、地域の防災力向上を目指し、多彩な取り組みが展開されています。自主防災組織による地域避難所の開設訓練をはじめ、区役所や消防署の職員が防災知識や救命救急をレクチャーする、出前講座などがその一例です。こうした活動の中では、日常生活の延長線上で役立つ実践的な工夫も紹介されています。例えば、ポリ袋に食材を入れて湯せんで調理する、パッククッキングの講座など、災害時に役立つ具体的なスキルを学ぶ貴重な機会となっています。
また、未来の地域防災を担う子どもたちへの教育も欠かせません。区内の小・中学校では、区役所や消防署の職員が講師を務める特別授業を開催しています。災害の仕組みを学ぶ座学だけでなく、起震車による揺れの体験や、避難所体験、さらにカードゲームを通じたシミュレーションなど、子どもたちが主体的に学べる多彩なプログラムが展開されています。
大阪市福島区の地域別概要
福島区は、主要な駅を中心に、JR「野田駅」・Osaka Metro「玉川駅」周辺、阪神「野田駅」・Osaka Metro「野田阪神駅」・JR「海老江駅」周辺、「福島駅」・「新福島駅」周辺の大きく三つのエリアに分けられます。
JR「野田駅」・Osaka Metro「玉川駅」周辺には商店街が広がり、下町的な景観が色濃く残っています。また、昭和戦前期より大阪市中央卸売市場が置かれており『食い倒れの街』大阪の食文化を支える拠点となっています。玉川二丁目にある春日神社は「のだふじ」発祥の地として知られ、「野田藤の跡」の石碑も建てられています。長年にわたり培われてきた地域コミュニティを基盤に、自主防災組織が主体となって初期対応を行うなど、「自助」「共助」の体制づくりが進められています。
阪神「野田駅」・OsakaMetro「野田阪神駅」・JR「海老江駅」周辺には福島区役所があり、福島区の行政の中枢として機能しています。福島区役所近隣には福島消防署が建つほか、津波避難ビルに指定されている大阪市立福島区民センターもあり、災害時には対策拠点になる地域です。
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