専門家執筆Q&A
印南 和行

建物Q&A

建物
Q&A

一級建築士
株式会社南勝
印南 和行

建物の構造や工法、耐震、シックハウス、建物保証、太陽光発電、リフォーム、建物診断、メンテナンス、地盤沈下、インスペクション等、建物に関する知識を解説しています。

本コンテンツの内容は、平成26年10月31日現在の法律に基づき作成されております。
建物に関する知識をQ&A形式で解説しています。

リフォーム・増築・減築

Q
リフォーム工事の最適なタイミングはいつでしょうか。
A

 もしかしたら、あなたはリフォーム業者からリフォームの提案を受けているかもしれません。または住まいのどこかの箇所を新しくしようと考えているのかもしれません。そのリフォーム工事が本当に必要なのか、見極める2つの考え方をお伝えします。1つ目は「メンテナンスサイクルに基づくタイミング」、2つ目は「必要な状況に基づくタイミング」でのリフォーム工事となります。

・長期修繕計画でメンテナンスサイクルに合わせてリフォームする

 1つ目は長期修繕計画を策定し、その修繕計画の時期を参考にしてリフォーム工事を行うことです。住まいの設備や箇所ごとに修繕や交換が必要なタイミングがある程度予測できます。例えば、屋根や外壁の塗り替えなら10年目安、床下の防蟻処理なら5年などです。これらのメンテナンスと同時にリフォーム工事を行うのです。そうすれば、まだ使えるものを早々に交換することもなく、最適なタイミングで交換とリフォーム工事を行うことができます。メンテナンスのタイミングでリフォーム工事をすれば、普段の点検では見えない箇所のチェックもできて大変効率が良くなります。

・住まいの性能を高めたいときにリフォームする

 2つ目は、今の住まいの性能をもっと高めたいというときもリフォームのタイミングです。例えば、車いすで生活する家族ができれば、車いすが通れるように廊下や出入り口の幅を確保する必要があるでしょう。また、足腰が弱くなったときに、立ったり座ったりする場合には手すりがあった方がよいでしょう。「窓の結露がひどくて大変だ」というときには、窓のサッシを断熱性能の良いものに交換したり、内窓を設置したりすることも有効です。住宅の売却を予定しているのであれば、見た目を良くするためのリフォームを行うことも売却価格を高くするために役立ちます。

・あと何年住むのかを考える

 リフォーム工事は時として数百万円、1,000万円以上の高額な工事になることもあります。バスルームやトイレなどの設備の交換のような簡易的なリフォーム工事であれば、それほど気にする必要はありませんが、大がかりなリフォーム工事を検討するときには「その建物があと何年くらい使用できるのか」ということも十分に意識したうえで、リフォーム工事を行うかどうかを考える必要があります。例えば、築50年の木造一戸建てでメンテナンスもほとんどされておらず、耐震性が低い場合、1,000万円以上の費用をかけてリフォーム工事を行う価値があるのか、それとも建替えた方がよいのかを比較検討することも必要です。

Q
リフォーム業者を選ぶポイントを教えてください。
A

 数あるリフォーム業者の中から信頼できるところをどのように決めたらよいか、頭を悩ませる問題だと思います。そこで今回は良いリフォーム業者を選ぶための7つのポイントをご紹介します。すべての条件を完璧に満たすリフォーム業者はないかもしれませんが、判断基準を明確に持っておけば、安心してリフォーム工事を任せられる業者を決めることができます。

1.実績はあるか

 その会社に実績があるかどうかは重要です。なぜなら、過去の実績を見れば仕事の実力が分かるからです。実績を確認するためには、リフォーム会社の担当者に「過去のリフォーム工事の写真を見せてもらえますか」と依頼してみてください。特に、あなたが希望しているリフォーム工事と似たような事例があれば参考になります。

2.拠点は近いか

 リフォーム工事を頼むときには、工事する物件のエリアを拠点とする会社の方が好ましいです。なぜなら、万が一工事後に不具合が見つかったときのアフターサービスの対応も、拠点が近い方が対応してくれやすいからです。また実際にリフォーム工事を行う際にも、会社の拠点が近い方が大工、クロス屋、塗装屋、電気屋、建材メーカー、設備メーカーなどのなじみのチームで行うことができるので施工ミスなどが起こりにくくなる傾向があります。

3.建築士がいるか

 リフォーム会社に建築士がいるかどうかもポイントです。リフォーム工事を受注する際にも、工事をするのにも資格は必要ありません。しかし、リフォーム工事というのは、実は新築工事以上に知識や経験が問われるレベルの高い仕事ですから、建築士資格を持ったプロがいなければ、最新の各種法規制や耐震性などの判断がつかない可能性もあります。大切な工事を依頼して、いざ完成したら建築基準法違反になってしまっていたとなると、売却するときにも支障が出てしまいます。

4.建設業許可を取得しているか

 リフォームを依頼しようとする会社が建設業許可を取得しているかどうかもポイントです。というのも、たいていのリフォーム会社は建設業許可を持っていません。なぜなら、工事請負代金が500万円以上(ただし、建築一式工事を除く)の場合には建設業許可が必要になりますが、リフォーム工事のほとんどが500万円未満だからです。もしあなたが金額の大きいリフォーム工事を頼むなら、建設業許可を取得している会社を選択した方がよいでしょう。

5.見積書に費用の内訳が記されているか

 見積書に「一式」表示だけで詳細な内訳の記載がない会社にも注意が必要です。契約をとるために、とりあえず詳細な内訳を考えずに「一式」表示で全体の金額を安くみせる業者もあります。曖昧な見積はトラブルの元です。見積については商品、数量、単価が記載されている会社の方が信頼度は高いでしょう。

6.アフターサービス基準が決まっているか

 アフターサービス基準があるかどうかも確認してみてください。アフターサービス基準とは、工事完了後の保証のことです。不具合が発生した場合に、アフターサービス基準に基づいて、修繕工事をしてくれます。アフターサービス基準がない会社では「工事完了後に不具合が出たら、すぐに直しに行きますので大丈夫ですよ」と担当者が口頭だけで説明しているケースがあります。そのような場合は、不具合を直すかどうかは担当者任せになっており、会社としてどのように対応するかが明確になっていないといえますので、注意が必要です。

7.現場監督がいるか

 リフォーム工事をスケジュールどおりに納められるかどうか、丁寧で問題のない工事ができるかどうかは現場監督の腕次第です。というのも、リフォーム工事にはさまざまな職人が次々と交代して作業をしていくので、段取りが非常に重要なのです。この段取りを組むのが現場監督の仕事です。新築工事現場では必ずいる現場監督も、リフォーム工事となると現場監督も現場監督の役割を果たす担当者もおらず、職人に任せっぱなしになってしまっている場合が多くあります。現場監督には、工事がきちんとできているかどうかをチェックする役割もあります。何か不具合や問題があれば、現場監督が適切に指示をして直させるのです。あなたが工事を依頼する際には、「現場監督として工事全体を取り仕切ってくれる人がいますか?」と確認してみてください。

Q
リフォームの注文から工事完了までの流れを教えてください。
A

 リフォーム工事のおおまかな流れを5つに分けてご説明します。

1.見積依頼

 まずは業者に見積を依頼し、対象の建物と希望のリフォーム内容を伝えます。見積については金額の妥当性を把握するために最低でも3社から見積をとり、金額と提案内容を比較検討し決めることが好ましいです。また、決して金額の安さだけで結論を出さず、実績や担当者との相性、アフターフォローの体制なども踏まえて選択することがおすすめです。

2.請負契約(リフォーム工事の契約)

 リフォーム業者を決めたら次に契約となります。見積の項目や金額に間違いがないか、工事の期間や段取り、完成時の竣工検査など行うことを具体的に取り決めておきましょう。なぜなら、リフォーム工事でトラブルになりがちなのは、口頭で伝えた内容をやってくれなかったり、口頭で確認した建具の色などを間違って施工してしまうことがあったりするからです。「言った、言わない」で揉めてしまううえに、やり直しとなると工事も遅れてしまうので、大事なことはメールでのやり取りとするか、書面で伝えるようにした方がよいでしょう。

3.リフォーム工事

 工事が始まったら、定期的に現場を見に行ってみましょう。職人が作業をしている間は邪魔になってしまうので、工事を行わない休日、明るい時間に工事の進捗を見て、依頼内容と異なる工事がされていないかなど確認しておくことが大事です。工事途中でしか見えない配管の位置や劣化状況など後々大変役に立つ情報を得られるはずです。

4.竣工検査

 無事に工事が完了したら、リフォーム担当者の立会いのもと竣工検査を行います。この竣工検査は予め発注者側から依頼しないと、「なんとなく完成してチェックしないまま引渡される」ということもあります。リフォーム工事の残金を支払う前に不具合がないか、しっかり確認しておくことが大切です。

5.引渡し

 最後に引渡しとなります。キッチンやバスルーム、洗面化粧台など設備に関する取扱説明書やリフォーム会社のアフターフォロー保証書を受け取ります。設備の取扱説明書にはメーカー保証書があり、保証期間が記載されていますので大切に保管しておきます。

 おおまかな流れは以上です。リフォーム工事と一言でいっても、どこの業者に頼むのか、金額は妥当なのか、しっかり工事してくれるのか、壊れたときはどのように対応してくれるのか、疑問や不安はいろいろ出てくることと思います。ひとつひとつ確認したうえで気持ちよくリフォームができるよう進めていただければと思います。

Q
冷暖房効率を高めるリフォームは可能でしょうか。
A

 夏は暑いため冷房をかけ、冬は寒さに対して暖房をかけるので電気代が高くなってしまう。特に冬は暖房をつけていない部屋は寒く、お風呂やトイレが寒くて体調を崩してしまうこともあり、時として生死にかかわる問題にもなります。冷暖房効率を高めるリフォーム、専門用語で言うと断熱性能を高めるリフォームを行うことは可能です。具体的にどのような方法があるのかをご説明します。

・窓の断熱リフォーム

 一戸建て住宅について、夏の冷房時には熱の73%が窓などの開口部から入り、冬の暖房時には熱の58%が開口部から流出するというデータがあります。断熱性能を高めるためには、この開口部の断熱性能を高めることが優先となります。したがって、まずは開口部である窓ガラスやサッシの断熱対策を検討するとよいでしょう。具体的には、窓ガラスをペアガラス(複層ガラス)、真空ガラス、Low-E複層ガラスとし、サッシの枠を樹脂またはプラスチックとする等です。マンションにお住まいで管理規約上窓ガラスやサッシが共用部分となり勝手に変更できない場合には、二重サッシとして内窓を取り付け断熱性能を高めることが可能です。

・屋根・天井・壁・床の断熱リフォーム

 上記の開口部の他にも、屋根、天井、壁、床の断熱性能を高めることもできます。屋根については屋根の裏側に断熱材を貼り付ける、また太陽光の熱を抑えるために特殊な薬品を屋根に塗布する方法もあります。天井裏についても、性能の高い断熱材を採用することで効果を高められます。壁についてもグラスウール、ロックウール、ポリエチレンフォームなどの断熱材を充填する断熱工法や、セルロースファイバーなどを吹き込む工法、断熱性の高いボードなどを外側に設置する外張断熱工法などで断熱性を高められます。床については、床板の裏側に断熱材を設置し、床下からの温度変化を受けにくくします。

 上記は断熱性を高めるリフォーム工事方法の一般的な例になります。対象の建物の断熱性能を調べたうえで、より断熱性を向上させる方法はどれになるのか、検討してみてください。

Q
窓の結露をなくしたい。そんなリフォームはできますか。
A

 冬の朝、目が覚めて窓を見たら結露がびっしり。毎日発生する結露でサッシ枠周辺にカビが発生して困っている方は少なくありません。窓の結露を防ぐためには、窓リフォームが有効です。窓の結露の原因は、外部と室内のガラス表面の温度差です。ガラス表面の温度差を防ぐためのリフォーム例としては、内窓設置、サッシの交換、ガラス交換という方法があります。

・内窓設置

 既存の窓の内側に窓を新設する方法で、開口部では一番多いリフォーム工事です。採寸と取り付けの時間が短く、工事の負担が非常に少ないという特徴があります。また躯体をさわることがないので、工事費が安くなり、断熱性能も向上するうえ、防音や防犯効果も増すというメリットがあります。デメリットとしては、窓の開閉に2枚分を動かす手間がかかるようになってしまうことです。

・サッシの交換

 サッシ、つまり窓枠の交換のことです。スチール製のサッシは熱伝導率が高いため、外気の温度の影響を受けやすくなります。そこで、サッシを木製や樹脂性、アルミと樹脂を組み合わせたものに変更することで断熱性能を向上させられます。

・ガラスの交換

 ガラス自体の断熱性能を高める方法です。築年数が古くガラス自体が単板ガラスといわれる断熱性能が低いものである場合に、ペアガラス、真空ガラスなどに変更することで結露が生じにくくなります。メリットとしては、工事前と使い勝手が変わらないこと、サッシの交換と比較して工事が楽であることなどがあります。デメリットとしては、ガラス自体の重量が増す、ガラス自体の厚みが増すため網戸が使えなくなる場合があることです。

Q
無垢のフローリングを採用するときの注意点はありますか。
A

 一般的にフローリングというと、合板のフローリングをさし、ベニヤを貼り合わせた合板、集成材の表面に天然木の薄板を貼り付けたものであることがほとんどです。それに対して、無垢のフローリングというのは、天然木の単板層で造られています。合板のフローリングに比べて無垢のフローリングは年月が経つほど味わい深さも増し、見た目も手ざわりも風合いも大きく変わり、とても魅力的に感じるかもしれません。しかしながら、無垢のフローリングを採用するときには独特の注意点があります。その注意点について簡単にご説明します。

・無垢のフローリングは変化しやすい

 無垢のフローリングは、温度変化によって伸縮しやすい特性をもっています。そのため、合板のフローリングに比べて、反り、突き上げ、床鳴り、フローリングの板と板の間に隙間が空く等の不具合が起こりやすいという特徴があります。特に床下で通気ができない状態で無垢のフローリングを採用した場合には、上記の不具合の発生確率が高まりますし、基本的に床暖房がある場合には無垢のフローリングを採用することは避けた方がよいです。

・遮音等級の制限を満たしているか

 マンションであれば管理規約に床材の遮音等級の制限があります。これは下の階に対する騒音を防止するために定められているルールです。無垢のフローリング自体には遮音性能がないため、管理規約で定められている遮音等級を確保するには特別な対策が必要になります。室内の床が直床工法なのか、置き床工法の二重床なのかにもよって対策方法は異なりますが、リフォーム後に下の階から騒音クレームを受けないように、リフォーム会社の担当者に確認しておきましょう。

Q
リフォーム工事の保証、アフターサービスにはどんなものがありますか。
A

 リフォーム工事については、リフォーム会社によって保証の有無、範囲が異なることが多いです。そもそも保証するという意識が低いこともあるので、できれば請負契約を締結する際に、具体的にどのような保証があるのか、書面で確認しておくことが好ましいです。アフターサービスの有無についても会社によって異なり、工事完了後引渡しをしてから1か月後、3か月後、半年後と様子を見に来るところから、何か不具合があったときのみ状況を確認しに来るところまでさまざまです。リフォーム工事にはなにかしらの不具合が出ることが一般的ですので、保証の有無、アフターサービスの有無や期間について事前に書面で確認しておきましょう。

・保証の内容について

 基本的には、工事を行った範囲について保証を受けられることが一般的です。例えば、あるリフォーム会社の保証内容としては、床のフローリングの張替え工事を行ったときには、保証期間1年として、材質の変質・変形による割れ、反り、隙間、きしみ、床鳴りの著しい不具合については補修が受けられるものとしています。ただし、工事の責任によらない、重い家具などを設置したことによる変形などについては適用除外とされています。保証書には工事の内容、保証箇所、保証期間、保証の対象となる不具合、保証の適用除外となる場合について定められています。キッチンやバスルーム、洗面台などのメーカー商品については、リフォーム会社の保証とは別に、保証期間が定められていることが一般的です。保証書については、製品の取り扱い説明書と一緒に渡されるものですので、紛失しないように大切に保管しておくことが必要です。

・アフターサービスの内容について

 アフターサービスの有無、内容もリフォーム会社によってさまざまです。アフターサービス自体の仕組みがない会社もありますし、リフォーム工事の金額によりますが、複数年間にわたって定期的に担当者が訪問し、点検を実施してくれるところもあります。同じリフォーム工事としてもアフターサービスの有無で安心感は全く異なってきます。アフターサービスについて、回数や期間が書面で明確に決まっていない会社もありますので、リフォーム会社を決定する際の判断材料のひとつとしておきたいところです。

Q
リフォーム費用を安くする方法はありますか。
A

 リフォーム工事をするときには、内容にもよりますが数百万円から1,000万円の費用がかかります。リフォーム会社から見積をもらったときに、その金額が高いのか、安いのか、判断するのが難しいことも多いでしょう。建物の専門知識のない一般の方がどのようにしたらリフォーム費用を安くすることができるのか、具体的に3つの方法をご紹介します。

1.相見積をとり比較する

 リフォーム工事をするときには、最低でも3社から同じリフォーム内容で見積をとって比較します。同じリフォーム内容でないと、比較することが難しくなります。異なる3社からの見積を比較することでおおよその相場を知ることができます。ポイントは、リフォームの項目ごと、例えば、フローリング工事、クロスの張替え、キッチン交換、商品グレード、製品の価格など内容ごとに金額をチェックすることです。個別に比較することで、どの部分がいくらくらいするのかが分かります。

2.見積内容をチェックする

 見積内容を細かく見て、見積の単価や数量が間違っていないかを確認します。見積内容で不明な点については、担当者に納得いくまで質問をして、必ず聞いた内容をメモに記録しておくことです。見積書の数量や金額が間違っていたとしても、気付かなければ正しい金額に誰かが直してくれることはありません。

3.価格交渉をする

 相見積をとって、見積内容をチェックし、最終的に依頼したい会社が決まったら、最後に価格交渉をします。リフォーム会社側から値段を安くするとは基本的には言ってくることはありませんので、自らが積極的に価格交渉を行う必要があります。ただし、無理な値引き交渉はトラブルの元になりますので注意が必要です。

Q
リフォームする際に役所などに申請はしなくてもよいのでしょうか。
A

 リフォーム工事は新築工事と異なり、役所などに申請をしなくてもよいと勘違いしている方が少なくありません。すべてのリフォーム工事に確認申請が必要ということはありませんが、工事の種類、規模によっては確認申請が必要な場合があります。具体的には以下のような例です。

・確認申請が必要になるリフォーム工事

 木造一戸建て住宅の場合、床面積が増える増築工事は、その規模や敷地のある地域によって、確認申請が必要になります。確認申請が必要なのは、リフォームする箇所だけでなく、建物全体を図面にしたうえで、リフォーム工事完成後の建ぺい率や容積率などが建築基準法に違反していないかをチェックすることになります。建物の一部を除去する減築工事や建物を移転する工事の場合にも確認申請が必要となり、確認が下りた後でなければ工事を行うことはできません。

・確認申請が不要なリフォーム工事

 クロスの張替え、キッチンやバスルームなどの設備の交換、フローリングの張替え、外壁の塗替えなどのリフォーム工事については、基本的には建築確認申請を行う必要はありません。分譲マンションの専有部分についても、リフォーム工事の対象が専有部分に限定されるため、確認申請は不要となります。

・確認申請を受けないと売るときに困る

 リフォーム会社の中には、本来は確認申請が必要なリフォーム工事であるのに、申請しないまま施主の要望を受け入れて本来違反となるリフォーム工事を行ってしまうところもあります。結果的に、将来売却するときになって建築確認を受けて検査済証を取得している建物と異なることが分かり、違法建築物であるために住宅ローンの対象とならない、耐震性の担保ができない等の悪影響が出ることもあるので注意が必要です。確認申請が必要なリフォーム工事については、適切に手続きを行ってくれる会社に任せた方が後々のトラブルを避けることができます。

Q
スケルトンリフォームとは何ですか。
A

 スケルトンとは骨組みのことです。スケルトンリフォームとは、建物を壁や柱等の骨組みだけ残す段階まで解体し、骨組み以外の部分をすべて新しく作り直すリフォーム工事のことをさします。主に鉄筋コンクリート造のマンションのリフォームの際に、躯体のコンクリート部分を残して、室内のクロスやフローリング、設備関係の内装を解体してリフォームを行います。

・スケルトンリフォームのメリット

 鉄筋コンクリート造のマンションに関して、スケルトンリフォームを行った場合、共用部分となるコンクリートの躯体部分や窓のサッシや玄関扉、配管関係を除いて、室内は新築と同じ状態になります。しかも、水回りの配管の位置によっては大規模に間取り変更を行うことも可能となります。特に通常のクロスの張替えやキッチン設備の交換のリフォーム工事では目にすることができない間仕切り壁や天井の中まで見えるので、不具合がある箇所も確認しやすいですし、断熱材の施工により断熱性を向上させることもできるのです。これはスケルトンリフォームならではのメリットです。

・スケルトンリフォームのデメリット

 スケルトンリフォームのデメリットは、工事費用が高くなることです。解体箇所は全体に及びますので、通常の一部リフォームに比べて解体費用もリフォーム工事費用も高くなります。また、一般的に売買契約をして引渡し後にスケルトンとなってから、予想外の不具合が発見されて想定外の費用がかかることがあります。もちろん不具合を早期発見できたのは好ましいことなのですが、リフォーム工事の予算が決まっている場合には、希望の工事が行えないこともあるので注意が必要です。

Q
リノベーションとは何ですか。
A

 中古住宅の物件情報をみていると、最近は「リノベーション済物件」という広告見出しをよく目にするようになりました。このリノベーションとは何なのかというと、間取り変更を伴うような大規模なリフォーム工事をさすことが多いようです。

・リフォームとリノベーションの違い

 リノベーションという言葉自体は近年使われ始めた言葉であり、平成26年現在においてやっと浸透してきた感があります。しかし、リフォームとリノベーション、いったいどのような違いがあるのでしょうか。いろいろ調べてみると、リフォームとは、新築当初の建物の性能に戻す、いわゆるメンテナンス、修繕としての意味合いが強く、リノベーションとは、新築時以上の機能、性能にする工事と定義していることが多いようです。ただし、中古物件の広告チラシにリノベーション済物件と記載されてあっても、実際には室内のクロスの張替え、トイレの交換、バスルームの交換を行っただけのこともあるので注意が必要です。

・リノベーション会社とリフォーム会社の違い

 リノベーション会社とは、主に中古物件を買ってから自社でリノベーション工事を行い、一般のお客に販売する事業を行っている会社をさすことが多いです。業界用語だと買取り再販事業と言います。それに対してリフォーム会社は、一般のお客、法人に対して修繕工事、リフォーム工事を行う会社のことをさします。したがって、実際に個人が中古物件を買ってからリノベーション工事を行う場合には、リノベーション会社ではなく、リフォーム会社に工事を依頼することになります。

Q
増築するときの注意点は何ですか。
A

 増築というのは、建物の床面積を増やすことをいいます。「一緒に暮らす家族が増え、家が手狭になってきてしまったので増築したい」「両親と二世帯で暮らすことになったので、もっと建物を広くしたい」など、なんらかの目的を持って建物の床面積を増やすことを検討するケースがあります。今回は増築工事をするときの注意点について簡単にお伝えします。

・増築ができない場合

 増築したいと思っても、希望どおりに増築できるとは限りません。なぜなら、都市計画法や建築基準法などの法律によって敷地の場所、敷地の広さによって建築できる住宅に制限があるからです。具体例をあげれば、面積が100㎡の敷地があったとして、建ぺい率50%、容積率100%の制限がある場合、建築面積の上限は50㎡、延床面積の上限は100㎡となります。そのため、庭などがあり、敷地が余っていたとしても建ぺい率や容積率の上限を超えた増築は行えないことになります。また、建物高さの制限が定められていれば、たとえ容積率の制限を守っていても、建物を高くすることはできません。

・既存不適格建物は増築が困難

 10㎡以上の増築をする場合には、建築確認申請が必要です。尚、防火、準防火地域であれば面積にかかわらず確認申請が必要となります。確認申請をするということは、増築する部分以外の建物についても建築基準法の規制が適用されます。そのため、検査済証を取得していない建物や既存不適格建物では増築できない場合があります。

 既存不適格建物というのは、建築したときの建築基準法の基準には適合していましたが、その後の建築基準法等の改正によって、現在の基準には不適合となってしまった建物のことをさします。増築する際には、現在の基準に適合する工事を行う必要もあるため、建築工事の費用が割高になってしまい、現実的には増築ができないことも珍しくありません。増築することで建物の耐震強度に不足が発生しないかの確認も必要になります。

・増築するときの注意点

 増築するためには、現在の建物の建ぺい率や容積率に余裕があること、増築するための工事費用が妥当な金額かどうかを検討することが必要です。築年数が古い場合には、増築するよりも建替えた方がよい場合もあるかもしれません。「増築か、建替えか」と迷ったときには、増築した場合の建物の耐用年数と建替えた場合の耐用年数とそれぞれの工事コストを比較してみたうえで判断しましょう。

Q
減築を提案されたのですが、どんな注意点がありますか。
A

 減築とは、建物の延床面積を減らす工事のことです。住んでいる人の数に対して部屋数が多い場合、建物面積が広すぎる場合、土地の一部を売却する場合に減築工事を行います。

・なぜ、わざわざ面積を減らすのか

 減築することによるメリットがあるからです。もともと多人数の家族で暮らしていたけれど、いろいろな理由によって二人暮らし、または一人暮らしになったときに家が広すぎて管理できないということがよくあります。高齢の一人暮らしで、2階建ての一戸建てに住んでいたが、2階はほとんど使わなくなり、建物のメンテナンスも十分にできなくなってしまい困っている方が多いのです。減築することで、建物のメンテナンスもしやすくなりますし、面積が狭い分だけ生活動線は短くなり暮らしやすくなります。また、自宅に住みながら土地の一部を売却する場合には、建物が売却する土地の上にあるままでは売却できません。そのため、売却する土地に支障がないように建物の一部を切り離し解体するわけです。

・減築工事の注意点

 減築工事を行う際には、減築後の建物に防水対策ができるか、耐震性に問題が生じないかの確認が必要です。建物の一部を切り離すので、切り離した断面部分に壁を造り雨水の浸入を防げるようにします。建物形状が変わるので耐震性の検証を行い、必要に応じて耐震補強を行います。

・減築工事費用は割高になる

 減築工事は建物の面積を減らす工事ですから、費用もそれほどかからないと思われる方が少なくありません。しかしながら、建物の一部を解体し、本来は外壁でない箇所に外壁を造る、トイレや洗面所などの水回りの変更、玄関の位置変更など、間取りの変更を生じることもあり、工事費用は決して安くはならないことが多いのです。減築工事自体で建物の設備が新しくなるようなことはないので、工事費用に見合った効果があるのかを見極めたうえで実施することをおすすめします。

Q
リフォーム工事でトラブルになりやすい点を教えてください。
A

 リフォーム工事でトラブルになりやすい点は、見積内容のズレ、注文内容のズレ、施工不良、アフターフォローがない、などです。リフォーム工事は不動産の売買契約のように契約前の重要事項説明が義務付けられていることもなく、口頭だけで注文するようなケースも少なくありません。そのため、上記のような金銭的なトラブル、工事内容のトラブルが後を絶ちません。

・見積金額が妥当かどうか分からない

 一般の人にとって、いざリフォーム工事費用の見積を受領しても、その見積金額が適正かどうかを判断することができないという問題があります。通常はリフォームを行う前に、業者から見積をとり、工事内容と金額に納得すれば契約し工事を行う流れになります。その際に依頼者側は「リフォーム代金は相場どおりか?著しく高いのではないか?」という不安を持つものです。リフォーム工事の費用は数百万円から場合によっては1,000万円を超える高額なものですから、ひとつ間違えるだけで損をすることや、後にトラブルになってしまうことがあるのです。では具体的にどうすればよいのか。次の項目でご説明します。

Q
リフォームの見積金額が適正かどうか分かりません。適正価格を把握する方法を教えてください。
A

 リフォームの見積金額が適正かどうかを把握する3つの方法をお伝えします。

・相見積をとって比較する

 1つ目は、相見積をとり比較する方法です。リフォーム工事をするときには、最低でも3社から同じリフォーム内容で見積をとって比較します。なぜなら、同じリフォーム内容の見積を比較することでおおよその相場を把握することができるからです。ポイントとしては、リフォーム見積の項目ごと、例えば、フローリング工事、クロスの張替え、キッチン交換などの項目ごとに価格を比較することです。特に見積書の内容が「一式」表示ばかりで、詳細の内訳がのっていないリフォーム会社は要注意です。仕事をとるために無理に価格を下げて、受注後に追加請求をしてくる恐れもあります。

・見積書の記載内容を細かくチェックする

 2つ目は、見積書の内容を細かくチェックする方法です。なぜなら、見積の項目の中には金額の単位を間違って記載していることもあるからです。実際に、リフォーム工事の見積書の内容に、単価が1,500円の工事が誤って15,000円の単価として記載されていることがありました。このケースでは、発注者が気付いて指摘したことで本来の金額に訂正できましたが、気付かなければ正しい金額より大幅に高くなっていました。また、工事の施工範囲についても、具体的にどこからどこまでが含まれているかをチェックしてみてください。本来の工事範囲よりも広い範囲が設定されていれば、その分を安くすることができるかもしれません。

・専門家にチェックを依頼する

 3つ目として、もし相見積を取得する時間的な余裕がない、相見積を取得しても金額の妥当性の判断がつかない場合には、一級建築士などの専門家に見積書のチェックを依頼してみるのもよい方法です。専門家に依頼することで曖昧な見積を明確にすることができ、工事金額の妥当性についてもアドバイスをもらうことができます。

Q
テレビニュースでリフォーム詐欺が発生していると聞いたことがあります。リフォーム詐欺とはどのようなものがあるのでしょうか。
A

 リフォーム会社の中には、悪質な勧誘を行ったり、不当な高額費用を請求したりする会社もあります。そのような詐欺に巻き込まれないように、リフォーム詐欺をはたらく会社の手口や特徴をお伝えします。

・アポなしで訪問、無料点検を執拗に迫り不要なリフォームを強制的に契約させる

 玄関のチャイムが鳴り、玄関扉を開けたら、延々と営業トークが始まる。最初は丁寧な口調ですが、断ろうとすると手を変え品を変え、話を延ばそうとする。最終的には「お試し無料」とか、「効果がなければ費用はいらない」と契約を迫ってくる。そもそもアポイントもなく突然訪問してくる時点で怪しいと考えた方がよいです。トラブルになる可能性が高いです。悪質な会社の中には、「床下点検を無料で行う」と言って、床下点検を実施してもらうと「床下からシロアリが見つかった」と、予め用意しておいたシロアリを見せ、不要な工事契約をさせる会社もあるので注意が必要です。

・詐欺をはたらくリフォーム会社の特徴

 悪質なリフォーム会社の特徴としては、建築業免許を取得していない、アフターサービス基準がない、会社履歴が短い、見積が「一式」の記載が多く詳細が不明という特徴があります。もし怪しい業者と感じたときには、上記の免許の有無やアフターサービス基準の有無、会社の実績などを確認してみましょう。

Q
築40年の一戸建てに住んでおり、建替えとリフォームのどちらを選択しようか迷っています。選択のポイントを教えてください。
A

 建替えした場合とリフォームした場合のメリット、それぞれの費用の比較をしてみるのがよいでしょう。築40年ですと解体してから新築するのとリフォームとで金額が同じくらいになる場合があります。

・リフォーム工事する場合のメリット

 リフォーム工事のメリットは、対象の部分を新しくできること、全体でなく一部の工事となるのでコストを抑えられることです。例えば、壁クロスの張替え、フローリングの張替えを行えば、建物の室内は新築と同じ状態になります。キッチンやバスルームを最新のものに交換すれば、使い勝手も改善することができます。また耐震診断を行い、耐震性が低い場合には耐震補強工事を行い、耐震性を高めることができます。

・リフォーム工事の費用の目安

 建物の広さや構造、リフォーム工事の内容にもよるので一概には言えませんが、築40年の建物であれば、耐震補強工事を行う必要がある可能性が高いです。耐震補強工事と合わせて、壁クロスやフローリングの張替え、キッチンやバスルームの交換などを含めると1,000万円以上かかる可能性もあります。築年数が古ければ古いほど、リフォーム工事の費用も割高になるうえ、工事で行える内容にも制限が出てきてしまう傾向があります。

・建替える場合のメリット

 建替える場合のメリットは、最新の基準による耐震性の確保された建物、最新の設備、自分の希望に見合った間取り、そして耐用年数のある建物を造れることです。メンテナンスを適切に行うことで50年以上は住み続けることも可能だと思います。耐震性についても、住宅性能表示制度の耐震等級で最高の3の建物を造ることもできます。

・建替え工事の費用の目安

 建築する建物の延床面積、構造、種類にもよりますが、一般的には1,500万円程度はかかると考えた方がよいでしょう。建物の面積が30坪程度として、坪50万円程度かかることが一般的だと思います。また、建物の仕様にこだわり、最上級のグレードの設備をつければ、建築費用はますます高くなります。最近では、仕様のグレードはそれほど高くはありませんが、金額を安くすることに特化したローコスト住宅を建築する会社もあります。

・まとめ

 建物の構造躯体さえしっかりとしていれば、築年数が経過していても、大規模なリフォーム工事で新築以上の魅力溢れる住宅に生まれ変わることもできます。しかしながら、耐震性が著しく低く、建物の構造に不安がある場合には、最新の設備を入れてピカピカにしたとしても、安心して長く住み続けることはできないかもしれません。リフォームを行い、あと何年くらい住み続ける予定なのか、5年なのか、10年なのか、それとも20年以上住むのか、使う予定の期間とかけられる費用とのバランスを見たうえでリフォームなのか、建替えなのかを検討してみることをおすすめします。

Q
リフォーム費用を住宅ローンで組むことはできるのでしょうか。
A

 可能です。以前、住宅ローンはあくまでも土地と建物に対する融資というのが原則でした。そのため、中古住宅を購入してからリフォームをしようとすると、住宅ローンとは別にリフォームローンを組まなければなりませんでした。リフォームローンは住宅ローンに比べて、金利も高く、返済期間も短く設定されていたため中古住宅を買ってからリフォームを行う方にとっては大変不都合が多く、結果として中古住宅を購入検討から外さざるを得なかった方もいました。

・リフォーム費用も住宅ローンとして借りるメリット

 リフォーム費用を住宅ローンとして借りるメリットは、住宅ローンの低金利でリフォーム費用を借りられること、返済期間としても住宅ローンと同じ長期で組めるので毎月の返済額を抑えられることです。平成26年11月現在の住宅ローン金利は、変動金利で1%以下、住宅金融支援機構のフラット35で35年全期間固定でも1%台と、過去に例のないほどの低金利となっています。

・リフォーム費用を住宅ローンとして借りるときの必要書類

 一般的にはリフォームの見積書、間取図面などが住宅ローン審査に必要になります。見積を作成するためには、通常はリフォーム業者に建物を見てもらう必要があります。そのため、中古住宅を購入してからリフォームを予定している方は、予め仲介会社に「リフォームの見積をとるためにリフォーム業者と一緒に内見をしたい」と伝えておくとよいでしょう。住宅ローンを借りる金融機関によって融資基準や必要な書類は異なりますので、詳細については確認が必要です。

Q
住宅の売却を考えていますがリフォームはした方がよいのでしょうか。
A

 売却する物件によって異なりますので一概には言えませんが、効果的にリフォームを行うことでリフォーム費用以上に高く売却することができる場合もあります。

・リフォーム済物件は売りやすい理由

 リフォーム済物件は、見た目がきれいなので売りやすくなります。なぜなら、住宅購入を検討している方は見た目も重視するからで、部屋がきれいにリフォームされていることで実際に生活するイメージを持ちやすくなるのです。新築マンションの販売では、モデルルーム販売をする理由と同じです。

・リフォーム済物件は即引越し可能

 中古住宅を買った方の多くが入居前にリフォームを行うことを前提としています。そうしますと、引渡し後にリフォーム工事を行うため、入居できるまで時間がかかります。住宅ローンを組んで購入していれば、引渡し後から毎月の住宅ローンの返済が始まります。そのため、新居の住宅ローンと、もともと住んでいた住居の費用が二重にかかり、大きな負担になります。リフォーム済物件であれば、物件の引渡し後にすぐに引越しができるため住居費用が二重にかからないことがメリットです。

・費用対効果の高いリフォームを見極める

 売却時に見た目をよくするためのリフォームとして、壁や天井のクロスの張替えやサッシ枠の塗装などはよく採用されます。というのも、リフォーム費用がそれほどかからない割に見た目がとてもよくなるからです。仮にクロスの張替えとサッシ枠などの塗装工事に50万円かかったとしても、当初の売却想定価格よりも100万円高く売れれば、50万円分の付加価値をつけられたことになります。想像してみてください。築30年の薄汚れたボロボロの物件と、同じ築30年でも壁や天井クロスが新しくなって、サッシ枠の塗装もピカピカになっている物件が100万円差で売り出されていたら、どちらを気に入るでしょうか。おそらく後者のリフォーム済物件を選ぶ方が多いと思います。

・リフォームで付加価値をつける中古リノベーション物件

 不動産業者が売主の中古リノベーション物件、フルリフォーム済物件をご覧になったことはありますか。不動産業者が中古物件を買取り、リフォームをして付加価値をつけて販売している物件です。売却するために行うリフォーム工事の費用に数百万円、場合によっては1,000万円以上かけて、付加価値をつける方法です。個人で売却するときのリフォーム工事と比べて、多額の費用をかけることもあります。これもリフォーム工事で付加価値をつけられる証拠でしょう。

・売却リフォームの注意点

 売却するためにリフォームすることで、うまくいけばリフォーム工事にかけた費用以上に高く売却できるケースがあるということをご説明しました。しかしながら、必ずしもリフォーム工事費用以上に高く売れるとは限りません。例えば、高く売るために800万円をかけて、壁クロスやフローリングの張替え、キッチンやバスルームの交換、間取り変更などの工事を行ったとして、リフォーム前よりも1,000万円以上高く売れるかどうかは分かりません。そもそも、自分が住むわけではない住宅に多額の費用をかけすぎるというのもナンセンスです。あくまでも、見た目をよくすることに特化し、費用をかけすぎないことをおすすめします。

Q
中古住宅を買って自分好みにリフォームしたいと思っています。新築住宅を購入するよりも価格は安くなりますか。
A

 中古住宅の価格によって異なるので一概には言えませんが、物件によってはリフォームで新築以上のグレードの高い設備をつけても新築物件よりも安く取得できる可能性があります。なぜなら、日本の住宅は建物の状態が良かったとしても、築年数が経過するほど価値が低いと評価されることが一般的だからです。

・築年数が物件価格を決める

 現在の日本において、建物の価値は新築時が一番高く、築年数が経過するほど安くなる傾向があります。木造一戸建ての場合、築20年くらい経過すると建物価値0円と言われてしまうケースもあります。実際に家を買うときには新築に住みたいという人が多く、中古は建物面の不安などがあるために敬遠する人も少なくありませんでした。

・なぜ、新築は高く、中古は安く評価されるのか

 新築プレミアムといって、新築価格にはプレミアム価値が載っており、一度誰かが使用すると価値が10%程度下落するという考え方があります。すべての物件に当てはまるわけではありませんが、同じエリアの新築物件と中古物件を比較すると「なるほど、そのとおりだな」と感じられるのではないでしょうか。中古の場合には、この新築プレミアムがなくなるのでその分価格が安くなるのです。

・建物の良し悪しを判断できる人がいなかった

 もう一つ、中古物件が安くなっている理由があります。それは、建物の良し悪しを判断できる人がいなかったためです。通常、住宅を売却する場合、不動産仲介会社が査定を行います。不動産仲介会社は建物のプロではないので、建物の良し悪しを判断できる人が非常に少ないのです。そのため、査定価格の根拠となるのが、立地、土地の広さ、建物の広さ、築年数など誰もが明らかに分かるものとなり、建物の状態についてはあまり価格に反映されなかったのです。近年、建物調査、インスペクションなどが注目されてきており、建物の状態を売却価格にしっかり反映させようという動きになりつつあります。

・建物価値0円の物件がお宝物件になる

 メンテナンスをしっかりしている建物であっても、建物価値を判断できる人がいないために、「築20年なので建物価値0円」として、売られている物件もあります。もし、建物価値0円の建物が実際には修繕することでまだ利用できたなら、リフォームすることで新築以上の仕様、設備を入れても新築よりも安く取得できる可能性があります。建物の専門家によるチェックは欠かせませんが、0円で購入できた建物がお宝物件に変わる可能性もあるのです。

Q
リフォーム済物件とリフォームされていない物件のメリット、デメリットを教えてください。
A

 最近売り出される中古マンションの中には、リフォーム済物件とリフォームされていない物件の両方が売り出されるケースがあります。間取りや階数などの条件が同じとして、どちらを選択すればよいのか、一般的なポイントを説明します。

・リフォーム済物件のメリット、デメリット

 リフォーム済物件のメリットは、見た目がきれいなこと、そして、決済後にすぐに入居できるケースが多いことです。デメリットは、実際にかかったリフォーム費用分、場合によってはリフォーム費用以上が売値に上乗せされてしまうことです。あなたがもしリフォーム済物件の購入を検討しているのであれば、「リフォーム前の価格」と「リフォーム費用」を分けて販売価格の妥当性を見極める必要があります。売主側の手元にあるリフォーム工事の箇所とかけた金額が分かる契約書や領収書を見せてもらえれば、参考になります。

・リフォームされていない物件のメリット、デメリット

 リフォームされていない物件のメリットは、リフォーム費用などが売値にかかってこない分、安く買えるケースが多いことです。もしあなたが、中古物件を買ってから、間取り変更、キッチンやバスルームの交換、自分好みのフローリング張替えなどの大規模リフォーム工事を予定しているのであれば、下手にリフォーム工事がされていない方が好都合でしょう。デメリットとしては、見た目が今ひとつであり、その物件について良い印象を持ちにくいことです。そして、物件の引渡しを受けてからリフォーム工事を行うので、実際に入居するまで住宅ローンと従前の住居費が二重にかかってしまうことです。

・販売価格を比べてみる

 壁クロスの張替えが全室されていて、キッチン、バスルーム、洗面所、トイレなどの水回りの設備が新しくなっている物件Aの価格が3,000万円。何もリフォームされていない現況のままの物件Bの価格が2,000万円。さて、どちらを選ぶべきでしょうか。同じ広さ、同じ階数、同じ間取りだとすると、リフォーム費用で1,000万円分異なります。物件Bに自分好みのリフォーム工事を行い、物件の引渡しから工事が完了して入居するまでにかかる住居費を合計して1,000万円以上になるなら物件Aの方が得、1,000万円以下なら物件Bの方が得という考え方もできます。また、リフォーム工事には金額以上にリフォーム発注者やリフォーム工事会社のセンスが反映されます。あなたにとって、どちらの物件を選ぶのがよいか、それぞれのメリット、デメリット、販売価格を比較して検討してみてください。